魔法の練習
7話目です。
私は、魔法を覚える為に『初めての魔法』の本を
読み直した。
“魔法とは、体内の魔力を集め現象をイメージしながら、魔力を放出する事でその現象を起こす事が出来る”
(う~ん、やっぱり最初は『光』かなぁ……暗くて読みにくいし、スキルの『暗視』を使っても良いけど、魔法使ってみたいしなぁ)
私は、光属性の魔法『光』を試す事にした。
「え~と、……暖かな光で闇を照らせ――『光』」
――シーン
(……何も起きない……失敗かな?魔力は集めたんだけど……)
何も起きなかったので、もう一度本を見てみた。
“……魔力を集め、現象をイメージしながら…”
(あっ……イメージかぁ……明かりと言えば蛍光灯だよね……よし!)
「暖かな光で闇を照らせ――『光』!」
今度は、ちゃんとイメージして試してみた。
すると……
――ピカッ!!
部屋が強い光で照らされた。
「きゃあ!?……目がぁ~!目がぁ~!」
――ゴロゴロゴロゴロ
私は、目を押さえながら床を転げ回った。
数分後――
(はぁ~びっくりした~……失明したかと思ったよ……蛍光灯は強すぎたな……次は明るさを抑えて~……)
「暖かな光で闇を照らせ――『光』!」
――ポゥ
どうやら成功したようだ。
「やった~!出来た!」
成功して喜んでいたが、私にはどうしても気になる事があった。
それは、詠唱だ。
(魔法が出来たのはいいけど……やっぱり詠唱がなぁ……なんとなく恥ずかしいし、確か本には“イメージした現象がおきる”って書いてあったし、スキルだって意識するだけで、詠唱とかないもんね。もしかしてイメージさえちゃんと出来れば詠唱はいらない……とか?試してみよう)
私は、仮説を立てて試してみる事にした。
(ふぅ~……光~光よ~出ろ~)
「『光』」
――ポゥ
仮説通りライトを出す事が出来た。
(やっぱりそうなんだ!よ~し、このまま沢山覚えるぞ~)
数時間後――
「ぜぇーぜぇー……何かっ、すごく疲れっ……ぜぇー」
私は、息も絶え絶えで今にも倒れそうだった。
「なんでっ……スっ、ステータスゥ……」
――ブゥーン
HP 5 / 15
MP 1 / 1000
(あっ……やっちゃった……)
――バタン!
私は、ステータスを確認しながら倒れた。
さらに数時間後――
――パチッ
私は、ようやく目を覚ました。
(あれ?私ったらいつの間に寝たんだろ?魔法の練習してて……そうだ!練習に夢中でHPとMPの確認してなかったから倒れたんだ……こんなだから灯ちゃんにドジって言われるんだよね……)
「ステータス」
HP 11 / 15
MP 540 / 1000
「よかった……回復してきてる」
少し落ち込んだが、気を取り直して覚えた魔法を確認する事にした。
「え~と、魔法は……」
《魔法》
『生活魔法』:「火」「水」「洗浄」
『火魔法』:「火の弾丸」「火の矢」「火の槍」「火の壁」
『水魔法』:「水の弾丸」「水の矢」「水の槍」「水の壁」
『風魔法』:「風の弾丸」「風の刃」「突風」
『土魔法』:「石の弾丸」「大地の壁」「泥の沼」「陥没」
『雷魔法』:「放電」「雷の矢」「雷の槍」
『光魔法』:「光」「閃光」「回復」「浄化」「障壁」「聖域」
『闇魔法』:「闇の霧」「隠密」
『時空魔法』:「時空障壁」「転移」
以上が覚えた魔法で、ちなみに「陥没」「泥の沼」「隠密」「時空障壁」は私が考えたオリジナルです。
「陥没」は落とし穴をイメージしました。
逃げる時に使えそうです。
「泥の沼」は足止めに使えないかなぁと思い作ってみました。
「隠密」はステルス機能で思い付きました。
これも逃げる時に使えそうです。
「時空障壁」これは、攻撃魔法の練習をする前に思い付きました。
部屋を壊すわけにはいかないし、音が聞こえれば誰か来るかもしれないと思い、内側の音も衝撃も通さない、さらにバリアを解除したら壊れたものも元通りになるバリアを作ってみました。
他の魔法を覚える前に倒れてしまったので、消費MPを調べてみる事にしました。
『生活魔法』…各 MP 1
『バレット系』…各 MP 2
『アロー系』…各 MP 3
『ランス系』…各 MP 4
『ウォール系』…各 MP 5
「風の刃」…MP 3
「突風」…MP3
「泥の沼」…MP 5
「陥没」…MP 5
「放電」…MP 2
「光」…MP 1
「閃光」…MP 3
「回復」…MP 10
「浄化」…MP 15
「障壁」…MP 20
「聖域」…MP 50
「闇の霧」…MP 3
「隠密」…MP 5
「時空障壁」…MP 50
「転移」…MP 30
(よし、消費MPを覚えてステータスで確認しながら練習しなきゃね)
私が再度、魔法の練習をしようとした時、
――コツン――コツン
――カシャッ――カシャッ
足音が聞こえて来た。
読んでくれてありがとうございます。
次回、「スキルと疑惑」