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目覚めたら地下室!?~転生少女の夢の先~   作者: そらのあお
出会い
43/83

お守り?

42話目です。

お守りを作るために、まずは何に付与するのか決める事にした。


「武器や防具以外だと何に付与できるんですか?」


「魔力を伝導できる物なら金属でも宝石でも付与はできるぞ。髪飾りやネックレス、指輪にブローチなんかの装飾品が多いな」


「一見、お守りだと分からない物がいいよね。フェリ、材料は前に‘拾った’のが使えるんじゃない?」


「拾ったの?……あぁ、あれかぁ」


「メイソン、使えるか見てもらっていいかい?」


「分かった。見てみよう……嫌な予感がするがのぉ」


私はアイテムボックスから‘拾った’物を取り出した。


「「アイテムボックス……」」


アイテムボックスを見て驚くライリーとオリビア、そして違う意味で驚くメイソン。


「……これを‘拾った’のか?……どこで?」


「あれは確か、帝国を出て旅をしていた時だね」


「そうそう、私が探索スキルの練習してたら見たことない反応があったから確認しに行ったんです」


「でも特に何もなくて、反応が出てた岩肌を削ってみたら出てきたんだよ」


「せっかくだから、半分くらい持って来ちゃいました」


「掘り起こしたとこは元に戻したし、まだ必要なら取って来るけど」


私とアルがのほほんと話すと、メイソンは頭を抱えた。


「いやいやいやいや、これだけあれば十分じゃろ。しかし、とんでもないもん‘拾った’もんじゃ」


「そんなに?」


「金属は銅、鉄、金にミスリル、それ、宝石の原石はルビーにサファイア、瑪瑙、アメジスト他にもあるぞ……」


「ライリー……これは‘拾った’と言っていい者ですか?」


「いや、あきらかに‘発掘’だろう」


「「……さすが、アルベルト様とフェリーチェ様だ」」


「そこは関心するとこじゃないわい!……まったく、金属はミスリルを使うのが一番じゃな。宝石はどれでも大丈夫だぞ。形はとうするんじゃ?」


「う~ん……目立たないようにするならネックレスかなぁ。服の下にすれば分からないから」


「そうだねぇ。付与した物って見分けられるのかい?」


「そうじゃなぁ……確かに分かるが、その効果までは鑑定でもせんかぎり分からんぞ」


「鑑定か……それなら何種類か作ってみて、使い分けたらどうかな?毎回、違うの使えばカモフラージュになるし」


「それもそうだね。でも、ネックレスとかはどうする?メイソンは装飾品も作れるの?」


「ワシは武器と防具が専門じゃからな。知識はあるが、ああいう細かい作業は苦手なんじゃ」


「「だよねぇ~」」


「では専門の者に頼んではいかがですか?」


「オリビア、よく考えろ。装飾品を作るのにこの量のミスリルを持ち込めば目立つし、耳のいい貴族が割り込んでくるぞ」


「確かに……ライリーの言うとうりですね。しかし、他にどうすれば」


「フム……一つ方法がない事もないが、かなり大変じゃぞ」


最初の段階でつまずいてしまい、悩んでいるとメイソンがある方法を教えてくれた。


「今回はミスリルを使うから出来る事なんじゃが、魔力を使って作るんじゃよ」


「「魔力で?」」


「ミスリルは魔力の伝導率がいいからな、少しずつ魔力を通しながら、形を変える事ができる……らしい」


「らしいって……メイソンさん」


「ワシの魔力操作ではできんでな、だが片腕を無くしたドワーフが、友のための武器をその方法で作ったと言われておった。ずいぶん昔の話で実際に見た者はいないんじゃよ」


「まぁ、やってみる価値はあるかもね。魔力操作の練習にもなりそうだし。フェリ、2人でやってみようよ」


「うん!面白そう」


「お前さんら宝石はとうするんじゃ?」


「う~ん……ちょっと試してみたい事があるんですよね」


「「「?????」」」


私がそう言うと、アル以外の3人は困惑していた。


「まぁ、たくさんあるから、やってみなよ」


「うん!」


アルの許可も出たので、さっそく取りかかる。

私が考えたのは魔法での加工だ。


(まずは、小さく……5㎝位かな?カットして)


『切断』(カット)


原石は一瞬でカットされた。


(よし!次は研磨だよね。艶出し~)


『研磨』(ポリシング)


これまた、一瞬で研磨が終わり私の手の中には丸くてキラキラ光るルビーがあった。


「できた~!」


「綺麗にできたねフェリ」


「「……………メイソン様」」


「何も言うな……何も聞かないでくれ」


「「はい」」


なんとも言えない空気を読まず喜んでいると、メイソンが付与について教えてくれた。


「たいしたもんじゃな。あとは付与じゃが魔法を入れ込むだけじゃ。効果は魔力の量で決まるが、媒体の許容量を越えると破壊されるから気を付けるんじゃぞ?」


「は~い」


「一つ作ったら見てもらえるかい?」


「あぁ構わんぞ」


話に夢中になっていた私たちは、離れた場所にいたルイスとブレイクが‘果たして出来上がる物が、ただのお守りと言えるのか?’と思っている事など知るよしもなかったし、エヴァンたちから私たちが見えないように、間に佇むヘンリーとミーガンにも気付いていなかった。

話し合いの結果、アンジェラとオースティンが3日後から‘ファウスト家の養子の家庭教師を住み込みで行う’という名目で滞在する事になったらしい。

私とアルは、その日に間に合うように今日から作業に取りかかる事にした。

読んでくれてありがとうございます。

次回、「試作品」です。

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