異世界?転生?
3話目です。
――パラッ…パラッ――パタン
あれから、椅子に座ってランプの明かりを頼りに、本を何冊か読んでみた。
「ふぅ~少し休憩しようかな。ランプはあるけど、あんまり明るくないから、目が余計に疲れちゃった」
私は、目をマッサージして、立ち上がって体を解した。
本を読んで考えたのは、此処が私のいた世界とは違う世界――異世界で、転生したかもしれないという事。
――何故かって?
ちゃんと理由がありますとも!
異世界に関しては、
1つ目、本の文字が日本語でも英語でもない、私がいた世界では見たことない文字だったから。
――私が知らないだけじゃないかって?
そんな事、私だって考えましたよ……でも、私は本を何冊か読んだんです……そう……知らない文字のはずなのに。
2つ目、本には知らない国の名前や、歴史などが書いてあって、私の知ってる国とかは書かれてなかった。
他にも種族の事も書かれてて、この世界には、『人族』の他に獣人・エルフ・ドワーフなどの『亜人』と呼ばれる者、他の種族達と常に敵対している『魔族』ど呼ばれる者、魔物やドラゴンなんかもいるみたい。
3つ目、『初めての魔法』っていう本があって、その中に、この世界の人達は皆『魔力』を持っていて、生活の中で『魔法』は欠かせない物だって書いてあったの。
最初に書いてあった『魔力循環』を好奇心に負けてやってみたら、出来てしまいました。
私のいた世界には、知る限りでは魔法なんてなかったはず。
そして、転生に関しては……何より、体が小さくなってるしね。
以上の事から、さっきの結論になる訳ですよ。
これが夢じゃなく現実で、異世界に転生してるんだとしたら……月野小夜は本当に死んだってことなのかな?
そう考えたら、力が抜けて座り込んでしまった。
――ポロッ――ポロッ
「ぐすっ…ごめんなさいっ、お養父さん…お養母さん……ぐすっ…約束っ…守れなくてごめんね…っ灯ちゃんっ……」
私は、しばらく涙が止まらなかった。
しばらくして
――すぅ~すぅ~
「ん~あれ?私、寝ちゃったのか……う~泣きすぎて頭が痛いよぉ」
どうやら、あのまま寝てしまったみたいです。
まだ、今の状況は完全には分かってないんだから、しっかり考えないと。
私は、立って椅子に座り直して、転生した『わたし』について考えてみた。
異世界に転生してるとして、転生してからの『わたし』の記憶が無いんだよね。多分『わたし』は今、3歳から5歳くらいだと思うんだけど、今まで生活してたんだから、その記憶が無いのはおかしいよねぇ。それに、どうして今になって、『小夜』が目覚めたんだろう?
部屋だって、ドアには鍵がかけられてて、窓はないし、明かりは机に置いてあるランプ1つだけ、子どもが遊ぶようなものが何もないから、子ども部屋じゃないと思うし。そういえば、『初めての魔法』の本に、この世界では1人1人に『ステータス』っていうのがあって、『ステータス』には、その人の情報が表示されてるって書いてた……よし!さっそく見てみよう!
たしか、『ステータス』って言えばいいんだよね。
私はさっそく『ステータス』を見てみる事にした。
「ステー」
――カツン――カツン
――ガシャ――ガシャ
その時、ドアの方から音が聞こえてきた。
「えっ?何の音?」
私が、聞こえた音に戸惑ってる内に、だんだん音が近づいてきた。
――カチャカチャ
今度は、まるで金属をぶつけてる用な音がする。
「この音ってもしかして、鍵を開けてるの?」
――カチャ――ガチャン
やっぱり鍵だ!?誰が来たの!?どうしよう!どうすればいいの!!
急な事にパニックになった私のとった行動は、
――寝ていた布を被って、床に倒れ込むことだった。
まぁ簡単に言えば、『寝たフリ』です。
読んでくれてありがとうございます。
次回、「禁忌の子?」