表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

2話

説明回です

後に変更の可能性もあります

「Another Life Onlineの世界へようこそ。これよりこの世界について説明をさせていただきます。

もし説明が必要無ければおっしゃってください。」


目の前の女性はそう話しかけてきた。

これはいわゆるチュートリアルと言うやつだ。

昔のゲームでは何ページもある説明書があって、読まずに始めたら何をしたらいいのか分からないような物もたくさんあったそうだが、今は分厚い説明書など存在しない。

大抵のゲームはこうやってゲームの中で操作方法なり知識なりを教えてくれるからだ。

勿論教えてもらえるのはゲームの中の事についてであって、VRマシン本体に関しては辞典並みの分厚さの説明書がある。


「説明をお願いします。」


俺がそう答えると目の前の女性はニコリとほほ笑んだ。結構美人さんである。


「ではまずは自己紹介から。私はこの世界に来た皆様の案内役を務めております、ナビと申します。

よろしければあなたのお名前を教えて頂けますか?」


目の前の女性、ナビさん(見た目は年上の綺麗なお姉さん)がそう言うと、目の前にメッセージが現れた。


【ナビにプレイヤーネームを伝えて下さい】


俺は自分で名前を付けるゲームでは大抵同じ名前を使っているので、今回もその名前を使おうと思う。


「俺の名前はレインです。」


これは、某最後の物語の7とか8とかの主人公たちの名前が天気に関係していたので、真似して使いだしたものだ。


自分の名前を言うと、一拍間があってナビさんが答えた。


「ありがとうございます。それではレイン様、これより説明をさせていただきますね。先ずはそのまま右へ歩いていただけますか?」


今の間はおそらく同じ名前を使っていないか検索してたのだろう。俺はサービスと同時にログインしている為、他のプレイヤーと被ることはなかったようだ。


ナビさんに言われた通り、右へ向かって歩いてみる。


「次に左へ向かって走ってみてください。」


左へ向き直り走ってみる。


「ではその場でジャンプしてみてください。」


軽くジャンプしてみる。


「如何でしょう?何か違和感などはありませんか?」

「ええ、問題はないです。」


そう答えながら、俺はこのVRマシンの凄さを実感していた。現実世界と何ら変わりなく自分の体を動かせ、特にこれと言った違和感もない。科学の進歩ってすげー。


「良かったです。ごく稀に違和感を持たれる方がおられますので、先ず確認をさせていただきました。

では次に、メニューオープンと唱えてみてください。」


言われた通り唱えると、目の前に所謂ゲームのメニュ画面が現れた。


「基本的にそのメニューは他人には見えません。では各項目について説明いたしますね。」






ナビさんは一つ一つ丁寧に説明してくれた。

だが実は、俺は事前にwikiで情報収集しており、ナビさんが説明してくれることはほぼ知っていた。

ナビさんごめんよ。


…ん?じゃあなんでわざわざ時間をかけてまで説明を受けたのかって?

そりゃあ、ナビさんが美人なお姉さんだからに決まってるだろう?声も素敵だし。

え?何だって?Another Life Onlineが届いてすぐに始めたのに、何時wikiで調べる時間があったかだって?

そんなの懸賞に応募した後に、もし当たったらって考えて調べてたに決まってるだろ。寂しいボッチの正しい時間の使い方さ!


ま、そんなことはどうでもいい。事前にwikiで調べた事と、ナビさんが教えてくれたことをまとめるとこんな感じだ。


◆基本

 NPCのAIが賢すぎる。異世界に来たと考えるのがしっくりくる。

 極度に自分勝手な事、現実世界での犯罪行為等を行うと警告又は捕まる。

 NPCをゲームのキャラとして見ずに、ひとりの人間として接して仲良くするのが吉

 NPCは1度死亡すると2度と同じキャラは復活しない。


◆成長システム

 ステータスとスキル制

 ・ステータスについて 

  各種ステータスは自分の行動によって上昇していく

   例 ずっと筋トレしてたら筋力値がアップ

     ひたすらジャンプしてたらジャンプ力アップ 等

  その為、一切戦闘を行わなくても力に特化したムキムキキャラ作成可能。(β版で実際にいたらしい)

 ・スキルについて

  スキルとは、様々な行動に対する補助を行ったり自身の能力をアップさせたりするもの

  スキルを身に付けるには一定の行動を繰り返し行う

   例 剣術スキル → 剣に分類される武器を使用する際に補助が掛かるスキル

             剣を使用し戦闘、又はそれに準じた訓練を行うことで会得

     鍛冶スキル → 鍛冶を行う際に補助が掛かるスキル

             実際に鍛冶を経験する、教えてもらう 等で会得

  スキルの習得率は個人差有り。(β版にて、剣道部所属のプレイヤーは剣術スキルの習得が早かった)

  スキルには夫々レベルがあり、各スキルに準じた行動を行うとレベルが上がっていく

  スキルレベルが一定まで上がれば各スキルに応じた特技アーツが使用可能になる

  スキルレベルには夫々上限があり上限まで達したスキルはより上位のスキルに進化させることができる

  2つ以上のスキルより、新スキルが派生することもある


◆世界について

 Another Life Online、略してALOアロー

 ゲーム内の世界もアローと呼ばれている

 アローは非常に広大で、未だに人類未踏の地が非常に多く存在している

 プレイヤーはそんな大地の開拓者としてアロー中を冒険していく

 特に目的は提示されてはいないが、あえて言うとするならば未開の地の開拓である

 未開の地に立派な街を作る等、偉業を達成したプレイヤーは表彰され、良いことがあるとのこと

 アローは生命力に満ちており、薬草や鉱石等を採取しても短時間で復活する

 但し取りすぎてしまうと復活までに時間がかかる。又その状態が続くと採取不可能な地になる場合もある

 

 …等々



用は、人との関わりや基本的なルールは現実世界と変わらず、能力も同じく鍛えれば鍛えた分成長する。といったところか。そこにファンタジーな魔法要素が加わる、と。

生産関係についても、β版で自分が利益を得るために木を根こそぎ切り倒したプレイヤーがおり、はげ山がいくつか出来上がったらしい。

結果、木材・木製品の物価は高くなり、山から得られていた自然の恵みもなくなり、生態系も変わり強力な魔物が町の近くまでやってきたりと、アローの世界に大打撃を与えた。

勿論そのプレイヤーは他のプレイヤーからもNPCからも総スカンを食らい、プレイを続けることができなくなったそうだ。


ゲームのデータと思わずに、異世界に来たつもりで節度をもって楽しみましょう。ということだな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ