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無意識
無意識
月がまぶしければ寝なくてもいいよ
私のとなりの女性がポツリ、
近いような遠いような
あいだをおいて言いました
こうして見てると、
昔に戻りたくなるんだよな
私のとなりの木色のベンチ
公園を見ながら人差し指を
鼻の下にあてて男性がボソリ、
つらいときはひっそり、旅に出たらいいよ
私の目前の老人が
静かにほころびて
つらい私のこころをコンコン、と、ノック
人と人とが関わるとき
その距離とか仕草とか表情の一つ一つが
なんとなく、嬉しい
話をしているとき
こころの中でうなずいているのはそんななんとなくな動きが
とても愛おしいからです
無表情で話しても、
気をつけして話しても、
遠すぎても近すぎても、
愛おしく感じられないこのこころは
無意識でしょうか？
ええ、きっと
