表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
問題の六人  作者: soulcrea
13/21

第十二話 最適化された不幸

病院の大会議室。ホワイトボードには、急角度で右肩上がりに伸びる赤いグラフが一本描かれていた。「作戦成功率」と「クリアタイム短縮」を示す線だった。

「完璧だ」

チェ・ジニョク局長がレーザーポインターでグラフの頂点を指しながら言った。その表情は、首席入学した息子を見る父親のように満足げだった。

テーブルの向こうには、包帯をぐるぐると巻いた六人の子どもたちが座っていた。チョン・ノア(防御型)は両腕に分厚いギプスをしていた。ハン・ソリン(リーダー)は毒素解毒のための黄色い点滴を腕に刺していた。残りの子どもたちも無傷な箇所がなかった。

「……何が完璧なんですか?」

ユン・セリン(計算型)がかすれた声で問いかけた。

「チョン・ノアは両腕の骨が砕けて、ハン・ソリンは内臓に永久損傷を負うところだった。それが完璧なんですか?」

「でも誰も死ななかった」

チェ・ジニョクは眉一つ動かさずに答えた。

「それにソウル市民三十万人を救った。君たちが怪我をした対価でね。コスパで言えば最高の結果だ」

彼はリモコンを押して画面を切り替えた。今回の戦闘のハイライト映像が再生された。チョン・ノアが人間の楔となって悲鳴を上げ、ハン・ソリンがモンスターの喉をかき回す、凄惨な場面。

「分析チームの結論だ。これが君たちの『必勝パターン』だ」

チェ・ジニョクの声は、残酷なほど落ち着いていた。

「チョン・ノアの耐久力は、Sランクモンスターの握力をちょうど〇・八秒間耐えられる。そしてハン・ソリンの突破力は、その〇・八秒以内に核を破壊できる」

「……それで?」

「これからもこうやって戦え。これが最も効率的だ」

子どもたちの表情が固まった。偶然生まれた、生き延びるためにやむなくやらかしたあの狂気を、「正式な戦術」として使えということだった。

「ちょっと待ってください。じゃあノア先輩は毎回腕を折らなきゃいけないってことじゃないですか!」

チャ・ルナ(狂戦士)が包帯を巻いた手で机を叩きながら立ち上がった。

「あいつが何の消耗品ですか? 治せばそれでいいってこと? あいつだって人間なのに!」

「消耗品で合ってる」

チェ・ジニョクは冷たく言い切った。

「国家が君たちに数千億をかける理由は何だ? 体が丈夫だからだ。折れたら治してやる。最高級の再生液で、いつでも。だから君たちは折れることを恐れるな」

彼はハン・ソリンをまっすぐ見据えた。

「リーダー。お前が決めろ。安全に戦って全滅するか? それとも誰か一人を壊して確実に勝つか?」

ハン・ソリンは点滴のチューブを指でいじった。彼女の頭の中でも、ユン・セリンの計算と同じ答えが出ていた。

『まともな方法では……勝てない』

彼らは若く、経験が足りない。技術も未熟だ。持っているのは国家が改造した、再生力が異常なほど高い若い体だけ。Sランクモンスターを倒すには、肉を差し出して骨を削るしかない。

チョン・ノアの怯えた目線が感じられた。「まさかやるの?」という表情だった。しかしハン・ソリンは口を開いた。

「……やります」

「ソ、ソリン!?」

子どもたちが愕然とした。しかしハン・ソリンの目はチェ・ジニョクに向いていた。

「その代わり」

彼女の目つきが冷たく光った。

「精算の割合を変えてください。今後発生するすべての治療費は、原因を問わず国家が全額負担で」

「ほう」

「私たちの体を部品として使うなら、維持管理費は持ち主が払うべきでしょう。違いますか?」

沈黙が流れた。チェ・ジニョクの口の端がわずかに上がった。それは商人が満足のいく取引をした時に浮かべる笑みだった。

「合理的だ。承認する」

取引は成立した。ハン・ソリンは顔を向けてチョン・ノアを見た。チョン・ノアは泣きそうな表情でうなだれた。裏切られた気持ちなのか、それとも自分の運命を予感した恐怖なのか。

「ごめん」

ハン・ソリンが小さく囁いた。

「でも借金は返さないといけない。私たちにはお金がないから」

子どもたちは何も言えなかった。それは敗北感だった。怪物には勝ったが、システムには完膚なきまでに負けた。

その日以降、「問題の六人」の戦闘スタイルは確定した。最も残酷で、最も凄惨で、見る者でさえ眉をひそめさせる、自傷脅迫型レイド。

人々は彼らを見て熱狂した。その血まみれの勝利が、ただ若い英雄たちの血気盛んなショーマンシップだと思って。

包帯の下に隠されたものが、栄光の傷ではなく、**「助けてください」**という悲鳴だと知る者は、誰一人いなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ