怖いおじさんです!
「おい、お前ら。見ない顔ぶれだな。」
三人で申込用紙を出そうとしていたら前の人に話しかけられてしまいました。
鋭い目つき、ボロボロの装備、赤い外套、見るからに何百と冒険をしてきたって感じの人です。
「俺はレッドバナーのラッド。見ての通りの冒険者だ。」
低い声、私たちより大きな体、何にもしていないのに怒られているみたいです。これが迫力のある冒険者なのですね。
「わ…わたしは…」
「俺はエッジ!隣のがビスク、後ろのがステラだ!」
私がおどおどしているとエッジが間に入ってくれた。助かった~。
「お、俺らに何かようか!ラッド…さん!」
あ、エッジもちょっとこわいんだ。そうだよね。
「…そうか。お前らこっちにこい。」
えっ、なんで?私たち何かした?
「な、なんのよう…」
「早くこい。」
逆らっちゃダメな奴だこれ…!なんだろう、もしかして冒険者同士の争いってやつなのかな!?まだ初めての冒険もまだなのに~!
ラッドさんに呼ばれて席に着く。ステラ、エッジ、ビスクは酒場の端の席の角側。猫に追い詰められたネズミのように壁際に、ラッドは追い詰めた猫の…いや虎のように私たちの前に座っています。
悪いことをして怒られているかのようにわたしたち三人は縮こまって座っているとラッドさんが口を開き始めた。
「お前ら、今何をしようとしてた?」
や、やっぱりなんか悪いことしちゃってたの!?
「わ…わたしたち!冒険者になりたくって!」
「それで…申込用紙…を…出そうと…してました。」
「…なんかようかよ、おじさん。」
ギロッ!
「ごめんなさい!」
あ~やっぱり声が震えちゃう!こわい!ビスクが続けて言ってくれたけど顔色すっごく悪い!迫力に負けたてエッジ謝っちゃった!
「…そうか、申込もまだだったのか。」
少し考えるとラッドさんは続けた。
「言い方を変える。お前たちこれから何をしようとしていた?」
エッジもビスクも言おうとしてるみたい…けどなかなか言葉が出てこないみたい…じゃ、じゃあ私が…!
「あ、あの!ゴブリン退治をしようとしました!炭鉱の!依頼があったので!」
「装備は?役割は?リーダーは?地図はあるのか?ゴブリンにどれだけ詳しい?」
すぐにお返事来た!淡々と聞いてくるけどやっぱりこわいよ!問い詰めないでよ!
「答えられる範囲ですぐに答えろ。」
脅し…?脅しかな?変な汗出てきちゃう。泣きそう。おしっこ盛れちゃう。
エッジが目配せしてきて口を開いた。
「お、俺がリーダーです。」
ラッドさんの鋭い視線がエッジに向いて、エッジは少しひるんだけど続けました。
「装備は今は宿に置いてます。役割は僕がソードマン、ビスクがランサー、ステラが神官…です。地図は無いです。ゴブリン…は…そんなに詳しいわけじゃないけど子供でも追い払えるってくらいに思っています。」
「…なるほどな。」
エッジの言葉を聞いてラッドさんは何か考え込んでいる。答えたんだからもう逃げたいんだけど…




