プロローグ
「駄賃はやるからこの街からとっとと失せろ。」
ギルドの酒場でレッドバナーのリーダーのラッドは金貨袋をテーブルに置いて冷たく言い放った。
追放されると思われる冒険者も食い下がらない。
「な、なんでだよ!俺は必死でやってきた!大変なことがあったって頑張ってきた!俺はみんなの役に立てるはずだ!なのになんでだよ!」
涙目で大声を上げる彼はきっと相当頑張ってきたんだろう。はたから見るとそういう風に見えた。
しかし、彼の声を聴いたリーダーの顔は更に険しいものとなる。男の決断は変わらないようだった。
「…いいから失せろ。大声をあげると迷惑だろ。」
「ちくしょう…ちくしょうー!」
追放される冒険者は肩を震わせてその場にいるのが耐えられないかのように金貨袋を持って、泣きながら酒場を飛び出していった。
大声を上げた冒険者に驚いたように酒場は一度静かになるもすぐに活気を取り戻す。
うなだれたようにしているラッドは我慢できなかったかのようにそっと声を漏らす。
「すまないな…こんな弱小パーティにいたらお前は死んじまう…」
ラッドの本音は酒場の喧騒の中に消えていった。




