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新たな収入源

 その夜、昼間に引っこ抜いてしまったイモのような根っこを父さんが持ってくる。

「キャンド。これが本当に食えるのか?」

 俺が根っこが食べれると言っていた事が気になっていたらしい。

 イモをしっかり洗って、鍋に少量の水を入れてそこにイモを入れる。しばらく火をかけてふかし芋を作ってみる。

(前世の時も大して料理はしていなかったからな、こんなもんでいいか)

 父さんは恐る恐る、ふかし芋を口へ運ぶ。

「美味い!このホクホクした根っこ。そして甘味が強い!」

 そう、見た目は丸くゴツゴツした見た目でジャガイモのようだが、味はほぼサツマイモように甘かった。父さんと母さんは甘味が久々だったらしく、泣きながらふかし芋を大事そうに食べる。

「よくやった、キャンド!これで、我が家も安泰だ!」

(いや、この村にいる限り安泰ではない)

 父さんは食卓にドンっと両手を乗せ、神妙な面持ちで目を泳がしている。

(これ、新しい特産品になるぞ!明日、貴族様が来るから勧めてみよう!いや、まず村長に相談するか!いや、独り占めしたい・・・、けど、新しい収入源だからな。村長に相談だ。)

「父さんどうしたのですか?」

「あぁ、いやいやなんでもない。早く村長に報告しないとな。明日行ってくるよ」

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