これは当然の罰、罪を犯した私への罰。
ここは灼熱地獄、歩いても歩いても何も見えない。
水が欲しい、もう歩けない、砂に足を救われて先に進めない。もう体力の限界かも。
御姉様には素敵な王子様が助けに来たけど、
罪人の私には助けは来ない。
後悔してももう遅いのに後悔している自分がいる。さようならキリウス様愛してました。
「アリーナ御姉様の婚約者素敵ね、私キリウス様と結婚したい、お父様にお願いしようかしら」
「リーシャ何を言っているの?キリウス様とは幼い時から私の婚約者と決まっているのです。それにあなたは王女になれる器ではないわ」
「何よ、これから勉強すれば大丈夫よ、お父様にお願いして来るから」
アリーナは困っていた。
妹のリーシャは我が儘で欲しい物はお父様に頼み込んで手に入れるのだ。
しかし、今回だけはお父様にお願いしても無理だろう。
しかし、まさかリーシャが強硬手段に出るとはこの時は思っていなかったのだ。
数日後リーシャが私に話掛けて来た。
「御姉様が結婚する前に旅行に行かない?結婚したら忙しくなって私と旅行なんて出来ないでしょう?私キリウス様の事諦めたから」
私は正直驚いたけど、リーシャの言葉が嬉しくて旅行に行く事にしたのだ。
そして、馬車に乗ってリーシャが飲み物をくれたので飲んだら、急に眠気に襲われた。
気が付くとやけに体が熱いのだ。
熱さで目を覚ますと回りは砂だらけで砂漠地帯だったのだ。
そして、私の手には手紙が握らされていた。
手紙を開くとそこには妹の字で、
「御姉様、私がキリウス様と結婚するから御姉様は砂漠で干からびて人生終えてね、さようなら」と書いて合ったのだ。
私は震える手で手紙を閉じると、立ち上がり何とか歩き出した。
でも、歩いても歩いても何も見えない。
水もなく灼熱地獄で意識が朦朧として来て、
その場に倒れてしまった。もう駄目キリウス様もう一度会いたい。
そして、私の意識は薄れて行った。
ふと、目が覚めるとそこはフカフカのベッドの上だった。
そして、私の顔を心配そうに覗き込んでるのはキリウス様だったのだ。
私は夢を見ているのだろうかとボーっとしながら考えていると「アリーナ大丈夫か」とキリウス様が声を掛けて来たのだ。
「私は確か砂漠に…」私は思い出して涙が出て来た。
「もう、大丈夫だ、リーシャと旅行に出掛けると聞いていたが、その後君が帰って来ないからリーシャを問い質したのだ、そうしたら砂漠に置き去りにして来たと聞いて、迎えが遅くなって申し訳ない」
「リーシャはどうなったのですか」
「リーシャは罪人だ、罪人にはそれに相応しい罪を与えておいた」
「キリウス様、助けて頂いて有難う御座います」
「当然だ、君は私の妻になるのだから、愛しているよ」
「私も愛しています」
そして、キリウスとアリーナは結婚をした。
そして、リーシャは灼熱地獄をさ迷い続け命を落とした。