表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/30

第6話 優しさのレーベン


「ど。。。どういうことだよ!殺害対象って」

「あの竜族の女。。。。ユリアヌス・レグルスは女のくせして男性しかなれないと言われていた軍隊になってその上その実力を認められて軍隊の一番偉い役職までついた」

「すげぇ人じゃねえか」

「shut up!女なんて男に守られていればいい、大人しく男に仕えて男のために働き家事をやればいいものの。。。。。ユリアヌス。。。。あいつのせいで馬鹿な女どもが前線にしゃしゃりでてくるようになった!!!」

「。。。。おめぇ、そんな女性蔑視思考だから里から追い出されたんじゃねえのか?」

「アレクさん、これはチャンスです。。。。僕があの女を殺し首を里に持って行くことでやっぱり女は男には勝てないと再認識させるんです!」


高笑いする竜族の男を尻目に

アレクは冷めた目で見ていた

しかしそんなアレクの足にカストルが

ひっついていた


「。。。。。犯人」

「え?」

「。。。。犯人いた!!!!」


大声で叫ぶカストルを抱き抱え

アレクは一心不乱に走って逃げた

-----------------

---------

「さっきカストルの声がしたと思うんだけど」

「そんなはずはないです、カストル君は部屋で待機させてますから」

「優里、さっきカストルが施設から出て行ってしまったぞ」


渚の言葉に

一同はパニックになり

向日葵と優里二手に分かれて探そうとした


「まって、さっきから変な殺気を感じる。。。。。。そこ!!」

ヒュンッ

「いっ!?」


ミナがヘアピンを変形させた槍を投げると

いたそうな声が聞こえてき

先程まで高笑いをしていた男が出てきた


「。。。。。。僕の体に傷をつけたやつは誰だ?そこのクソ雌か?」

「あたしよ、貴方ここで何をしているの?」

「あ!シチューのお鍋が!!!」


向日葵の悲鳴に

ミナはその男を睨んだ


「貴方を然るべきところへ連行します」

「僕を連れて行くのはいいんですが。。。。。いいんですか?貴方らの大事な子供が危険な目に遭っても」

「。。。。カストルがどこにいるか知ってるの?」

「ええ、知ってますよ、僕を見逃してくれたら教えてあげます」


ミナは落ちたヘアピンをもう一度

槍に変形させたが

その瞬間男が指を鳴らすと

後ろで爆発音がした


「なっ!?。。。。。。もしもし!?繋がらないっ!!!」

「ふふふふ!!!さぁどうしますか!?このまま僕を見逃して被害を抑えますか?それとも僕に構って被害を拡大させますか?貴方がそれを望むのであれば僕は2個目の爆弾を爆発させることもできます」

「2個目って。。。。」

「アレクさんとここに逃げてきた時にいくつか爆弾を設置しました、設置場所は言わないですよ?当たり前じゃないですか」


ミナは悩み後ろを振り返えり優里を見た

優里はバレないように静かに頭を縦に振った

それを見たミナは急いで山を降りて行った


「。。。。。最初から僕の狙いはお前だった、ユリアヌス・レグルス」

「私の名前をしってるのか?」

「えぇ、知ってますよ女のくせに軍隊に入隊。。。男を魅了するほどの実力で最高階級の将官の大将まで上り詰めた」

「な。。。そんなに褒めなくても」

「無謀なクソ雌」

「くそめ。。。。。なんだとぉ!?」

「お前のせいで里中の女が軍隊に申し込むようになり男の立てる顔がなくなった。。。。女なんて男の3歩後ろを歩き男の顔を立て

男のために尽くすだけでいいのに!!!その常識を貴様は破った!!!」

「そんな常識どこにあんだよ、そんなくだらない妄想話をしにきたのか?」

「お前を殺して首を里に持っていく。。。。ちょうどそこに麒麟族の女もいるし里にはお前に憧れた哀れな女もいるからな」


優里は向日葵に手で帰れと指示したが

向日葵は麒麟の力を解放して優里のそばに立った


「飼い犬は飼い主に似るというが。。。。まさかそこまでとはな、女はお淑やかに過ごし男の顔を立てればよかったもののお前みたいな異端な雌が出てきてしまったから世の理が狂ってしまった」

「そんな理はねぇよ!」

「そうだよ!女性だって男性と同じ仕事ができるし、女性にもいろんな生き方がある!」


向日葵と優里の言葉に怒りを覚えた男は

自身の手だけを竜の爪に変形させて

風を起こした


「なっ。。。。あれは軍隊に入らないと手に入らない能力!!」

「驚いただろ!?お前が大将になるまで得られなかった能力を僕はエルフの森で修行して得た!!!僕の方が男のほうが上だ!」

「優里ちゃん!!!!」

-------------------

--------------

「渚!どこに行くの!?」

「カストルを連れ去ったやつの足取りを掴むんだ!」

「だからって地面に鼻を擦り付けてそんな。。。。。」

「あの男から微かに感じた匂いがするんだ、このまま進んでいけば」


優里と向日葵が

戦闘してる間

渚はひっそりと施設を飛び出して

カストルを探していた

そんな渚を心配して江真も同行していた


「江真、ストップ静かに」

「。。。。。あれは、かすとるっていう男の子とツノが生えた男の人?」


渚と江真が物陰から確認すると

蔓に絡まれたカストルと

カストルを監視しながら

小刻みに震えているアレクの姿があった

カストルは何かを話しているようだった


「聞こえねえなぁ。。。。。っと」

ヒュンッ

「ちょっと、何投げたの?」

「大丈夫だ、音は出てねぇし今投げたのは無線機だ」


渚は片方の無線機の音量を上げた

ジジ。。。ジジ

無線機は音を立て両方の声を拾った


『殺される。。。殺さないでくれ。。。頼むここを見つけないでくれ。。。。』

『きいて おなか へった』

『殺さないで殺さないで。。。。。』

『おなか へった』


「なんだ?あの男よほど怯えてるようだな、これはすぐに終わるか?」

「待って、あの人がどんな力を持ってるかわからない。。。。地球人じゃないでしょあの人」

「確かに。。。。。でも早めに行ってやらねえと」

『おなか へった たべもの』

「カストルが可哀想だぞ、俺らも昼飯を食われて腹減ってるのに」


渚はもどかしさを感じながら

江真と一緒に作戦を練った

その作戦通りにそれぞれは動くことに

しかし、その瞬間男が耳に手を当て始めた


「止まって!」

「。。。。。んだよ」

『トゥール。。。。。そんなことしたら水害が。。。。。でもよ、そりゃ。。。。わかったよ」


アレクはゆっくりと立ち上がり

自分の涙腺を爪で引っ掻き血を出し

その血を指に付着させた


「ブルー・オーガ・ティアーズ!!!!」

ドバァァァァァァァ!!!!!!

「うわぁぁ!?なんだ!?」

「渚!こっちに!!」


江真が渚を引っ張り

離れたところへ連れていった

しかし水は勢いを増し流れてきた


「どうすんだよ!?この後ろって。。。。マサキらがいる街だぞ!?水没。。。どころのさわぎじゃねえよ!?」

「落ち着いて、水の流れるスピードは遅い。。。。。街に到達するまでになんとかしたら」

「なんとかって。。。。。お?」


渚は地面を踏んづけ

ニヤリと笑った


「地盤が緩んでる。。。。ということは俺らが来る少し前に大雨が降ったということだ」

「地盤が緩むこととこれとどういう関係が?」

「こういうことだよ!!」


渚は近くにあった大樹を助走をつけ

足蹴りをした

ドゴォォォォォォォ

その瞬間大樹は大きな音を立てて崩れた


「な。。。。なにやってんの!?」

「あん?これで水を堰き止められんだろ」

「バレたら怒られるんだけど!?。。。。。。。でも水は止まってるから別にいい。。。か?」


しかし水の勢いは止まらず

大樹は段々とひび割れてきた


「やべぇ。。。。。なんとかしねえと、江真!ちょっちまってろ!!」

「な。。。えぇ!?」


渚は考えがあるようで

港にある小屋に駆け込んだ


「丸太を貸してくれ!」

「何ですかあなたは。。。。丸太は大事な資源なのでかせま」

「里が水没してもいいのか!?」


ビーバーは渚の言葉に急いで渚と一緒に丸太を持って山奥まできた

そこにはもう割れそうな大樹とそれを頑張って堰き止めてる江真の姿があった


「これは。。。。。!」

「江馬!」

「は。。。はやく。。。。」

ピュー

ドドドドドドド


ビーバーが長く口笛を吹くと

他の作業ビーバーが集まってきた


「ありったけの丸太をこの大樹の前に置くのです!早く!!!!貴方!この水の流れをとめることはできますか!?」

「無理だ!この水を流してるのは俺らの昼飯を盗んだ泥棒だからだ」

「あの水を掻き分けて上にいく。。。。ビーバーには無理そうです」

「早くしないとかすとる君が!」

「人質がいるんですか!?」


ビーバーが頭を抑えて考え込む

しかしその後ろから愛美が走ってきた


「泳ぎなら任せてください!渚さん、ちょっと服を持っててください」

「え、あ愛美!?」


渚が理解する前に愛美は大樹を飛び越え

水の中に潜った

------------------

----------

-------

「あはははは!!!どうした?さっきまでの威勢は!!」

「っ。。。。。あいつに近づけねぇ」

「やっぱり女は体力もないし力もない、大人しく飯炊きだけしとくんだったな!」

「うるっせぇ!!!」

「優里ちゃん、どいて!」


向日葵が麒麟の力を最大限開放して

トゥールに突っ込んでいき

トゥールは向日葵ごと壁に激突した


「うぐぇ!?」

「向日葵ナイス!」

「は。。。。離せ!麒麟のクソ雌がぁ!!!!!!」

「優里ちゃんを。。。。殺させはしない!!!」


トゥールはもがいていたが

向日葵の麒麟の力による握力で動けずにいた

その間に優里は応援を呼ぼうと向日葵のそばから離れようとしたがその時


「ぅ。。。。おぎゃーおぎゃー!!!」

「。。。。は?」

「。。。。は?」


優里が向日葵から目を離そうとした瞬間

向日葵の体は小さく縮み

赤ん坊になった

目の前で起こっている事が理解できない

優里とトゥールは思考が停止していたが

先に動いたのは優里だった

優里は地面を蹴るように走り

トゥールのそばにいた  

向日葵を抱き抱え距離をとった


「これはなにかのドッキリか?ギャグか?僕をおちょくるのも大概にしろよ雌龍が」

「なんでこんなことに。。。。。」

「あだ」


向日葵が手をトゥールに向けたが

トゥールは衝撃を羽根で受け止めた


「どうした?2度目の攻撃は効かないぞ?」

「あぅぅ。。。。。。」

「くそ。。。。どうすれば!!!」


優里が向日葵を抱えて逃げ続けているが

体力に限界がきたのか

段々とスピードが落ちていった


「もうここでおしまいにしよう」

「もう。。。。。。」


シャキン


「。。。。。。。なんだ?」

「間に合ったでござる、大丈夫か!?」

「だ。。。。だれだ?」

「拙者は愛美殿のパートナー精霊、シノブ。。。。。。まずはこいつを!」


シノブは優里を安全な場所まで連れていくと

トゥールの腕を刀で切りつけた


「ぐぁぁぁぁ!?」

「貴様のやったことは盗みに傷害。。。。。あとは拉致もそうでござったな」

「拉致はアレクさんですよ!!!くそ!!!」


トゥールは羽根をやられたのかその場にへたりこんだところを

シノブが上に乗り手を拘束した

-----------------

--------

-----

「もうどうなってもいい!!!ここが水没しようが!!!もう!!!」

パシ

「だめ」


暴走するアレクにカストルは鶴を引きちぎり

アレクの手を握った

その瞬間勢いよく出ていた水が

少しずつ減っていった


「な。。。なんで!?」

「だめ みんな おぼれる」

「そんな。。。。。違う。。。。お前は」

..................

..............

..........


「なーお前のさぁ能力ってなんだ?俺は自分の血液を水に変えて洪水を起こすことができる」

「僕。。。。ですか?僕は。。。。へへ、あまり実用性のない能力ですね」

「なんだよ教えてくれよぉ、同じ寮に住む仲間だろぉ?」

「僕の能力は。。。。。。。。」

..........

.....

...

「ザイン・アビリティ・ラディーレン。。。。。相手の能力を打ち消す能力。。。。お前の能力がなんでこいつに。。。。まさか?そうなのか?いや。。。違うお前は。。。。お前は。。。。。」

...............

...........

.......

「。。。。だめ。。。だろ、こんな。。。とこにきたら。。。。」

「おい!しっかりしろ!」

「アレクさん。。。。僕の妹。。。安全なところに。。。。お願いします」

「。。。。。。おい。。。おい!!!」

...............

..........

......

「いるわけないんだ。。。生きてるわけないんだ。。。。だってお前は!!!お前は、妹を庇って戦死したじゃないか!だから俺もお前の死を受け入れて受け入れて前に進もうとしているのにお前はまだ俺に希望を。。。。みせるのか?」

「。。。。。?」

「いました!!!カストルさんを返して貰います!」

「あぁ。。。お前の名前カストルっていうのか?俺の親友と同じ名前だな。。。。。もういいよどこへでも連れて行け」


アレクは観念して愛美の元へ行き

手を差し出した

その後

アレク・トゥールをミナの元へ引き渡した


「そんなことが。。。。それよりもそっちは大丈夫ですか?」

「向日葵のことなら赤子の姿になってるだけで意思疎通はできているので大丈夫です」

「そう、また何かあったらいつでも言ってください。。。。それではこちらの者をつれていきます」


トゥールは酷く暴れ

アレクは渚達の方をじっと見た

その目線はカストルに向いていた

カストルは気づいたのか

ゆっくり手を振っていた

-----------------

-------------

---------

「地下室の鍵。。。。。」

「シルフィアさん、何をしているのですか?」

「あ。。。。アナトーリ様、実はこの者達を地下牢に連れていく予定で」

「私が行きます、シルフィアさんは他の仕事に当たってください」


ミナは若干不満そうな顔をしたが

アナトーリにアレクとトゥール

と2人に関する資料を渡し

ミナは自身の部屋へと戻っていった

姿が見えなくなったのを確認して

アナトーリは2人の資料を見て

トゥールの能力が目につき

ニヤリと笑った

---------------

--------

「さて、トゥールさん貴方は助けて上げます」

「どういうことですか?」

「貴方の能力は私達の計画を順調に進めてくれる。。。。。。私と一緒に来てください」

「俺は。。。。なんで?」

「貴方の能力に魅力を感じなかっただけです」


アナトーリは

アレクをゴミを見るような目で見て言い放ち

ブラックホールを出しトゥールを連れて行こうとした


「待てよ!トゥールは俺の大事な仲間なん」

「生きようとしない腰抜けの貴方と一緒にいるぐらいならこの女の仲間になったほうがマシです」


アレクはトゥールの言葉に

心を砕かれ膝から崩れ落ちた

どんだけ時間が経ったのだろうか

アレクは歌声を聞いた


「〜♪」

「。。。。。誰だ?」

「お兄ちゃん。。。。誰?」

「俺はアレク。。。アレク・プロメスだ」

「ナパはナパイアっていうの!」

「ナパイアちゃん。。。。どこにいるんだ?」

「お兄ちゃんの目の前だよ」


アレクが目を前に向けると

耳の尖った小さな女の子が

鎖に繋がれて体育座りをしていた


「エ。。。エル!?」

「うんナパはエルフだよ、あのねここに閉じ込められてるの」

「アナトーリってやつにか?」

「うん、あの女の人は悪魔だよ!エルフの森を枯らそうとしている!。。。。。そしてねナパを食べようとしているの」


アレクは驚きナパイアから詳しいことを聞いた

ナパイアはエルフの森第5000代目第一王女

アナトーリに幽閉されたのは一年前

ご飯はちゃんともらえてるけどどれも冷めたご飯

2ヶ月後に来る変幻族のイベントで食べられてしまうこと


「食べられてって。。。。。(まずいんじゃね?だってこの王女様が食べられたって知られたらエルフの森に住む兵士がここを攻め込んで戦争になるそうなったら。。。。。俺ら召集されちまう!?)あ。。。あのさ、ナパイアちゃん」

「なに?」

「俺にいい考えがあるんだけどさ?」


ナパイア→歌を愛する精霊の名前

トゥール→トール→トゥール


トゥールの思想強すぎワロタ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ