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エルフ、分からせられる

学生達を日本政府にお願いしつつ……精霊達をこっそりつけてあげることにして、これでなんとかなるといいなぁ……と思う。


帰した学生達は、今のうちは軽くスーパーマンっぽい状態なんだけど、そのうち普通の人に近くなっていくから……その間の見張りだけちゃんとしとかないと……


肉体強化系とかは、大地の精霊とかに重力操作してもらって身体重くして貰うか?……いや、高地トレーニングみたいになっちゃうか?解除した時にすごい速度で動き出しちゃうかな?


うーん……余計な事した国のせいで面倒な事になってるよなあ……やっぱり精神操作とかになるのか……

これもちょっと不安と言えば不安。


とは言え……こんな事経験なんてあるわけないし、やってみるしかないんだよねぇ……

暴走と悪用に気を付けておくしかないね。もしもの時は……精霊から連絡して貰おう。







ーーーーーーーーーーーーーーー








さて、しばらくは待機状態という事になるんだけど……どうしようかね……

いや、世間を騒がせたお詫びと、ご挨拶を兼ねた記者会見的なモノをする事は決まってるんだけど……


……あぁ、その為用の服を作らなきゃ……また太田さんにお願いだね。

ちゃんとオーダーしないと……


うーん、こうなると……こっちでの連絡手段とか欲しいね。

『島』とやりとりする時みたいに、『……今、あなたの頭の中に直接話しかけています……』とかになるのはマズそう。


多分。


「優也……なにか悩んでいるのか?」


無言で考え込んでいた私を、武光と太田さんが見ている。

なにか重大な事でも考えていると思われたのか、2人とも心配そうな顔で私を見ていた。


「ん?コッチでの連絡手段を確保したいな〜ってね」

「あぁ……スマホは壊されていたんだったな……」

「そうそう」

「エルフがスマホ使うって……不思議な感じですね……」

「使ってた時はエルフじゃなかったんで……」

「あ……すいません……」






ーーーーーーーーーーーーーーー







という事で、携帯ショップに来たよ。

身分証明とか無いのにどうすんの?と思ってたが、武光が買って使わせてくれるらしい。


ドレスという訳にはいかないので、元々着ていたパーカー姿でフードで耳を隠した。

やっぱり……パーカー楽……だぶだぶたから動きやすいし……


なんでも好きな機種を選んでくれていい……などと言われて、コッチで暮らしていた時の憧れの高級品を熱く見てしまったけど……いやいや……人の金でダメだって……うん……おぉ……画面綺麗だな……いえ……見てるだけですから……動作速っ…………ぬぅ……いやいやリンドよ……欲にかられてはいけません……あぁ……向こうで人間相手によく同じような事言ってたわ……


『気に入ったのか?』

「あ〜、いやいやいやいや……ちょ……ちょっとだけ見てただけだ〜ょ」

「ふむ……それ、良いじゃないか。それにしよう……俺と揃いだしな……」


武光はさっさとスタッフに声を掛けてしまう。

そして後から小さい声で何かを言ったが、また前に何回かあったようによく聞こえなかった……


オタオタしているうちに、話がどんどん進んでいって……

色とかよく分からない流れで、いつの間にか決めていた。


料金プランとかの話になって、家族なんちゃらとか言うヤツで……と言われて……?ってなったけど、家族って事にするのが早いからなって言われて一応納得した。


『家族……』


武光がなんかニヤってしてたけど、明らかに私は日本人じゃないから……義理の妹とかって事にするのかな?

新たな家族……と紹介されたスタッフさんからは、何故か……おめでとうございます♡とか言われてたけど。


めでたい……のか?






ーーーーーーーーーーーーーーー







やっぱり新しい機種はいいなぁ♡

1式入ったショップの袋を手渡された時、思わず武光に抱きついちゃったよ。


驚きで固まっちゃった武光には悪い事しちゃったね。もうしないって心に誓うよ。

ショップのスタッフさんにも『あらあら♡』って顔されちゃったし、恥ずかし〜……自重大事。


この身体になって数百年なのに、ついついはしゃいじゃうのとかダメだよねえ……

武光もなんかブツブツ言ってたし……『また……ノーブ……柔らか……』まぁ例よってよく聞こえないんだけど。


きっと呆れてたんだな……エルフなんだしノーブルな感じでいろよとか、年齢相応な柔らかい物腰を心がけろ……とかそんな感じだよね。


心はジェントルメーン!……ではくてはな!

とか思ってはいても、新しいスマホをいじりながらニヤニヤしてしまう。いやみんなするよね?


元々使ってたのはショップでも安いやつで良いですって言って買ったやつだったから、今のはなんかこう……ソワソワ……ワクワクしちゃうな。


いやネットはタブレット使ってたから、通話とメール用くらいのつもりだったし……まぁ良いかなって思ってたからなぁ……


友達少なかったし……


そういう意味だと、今だってこんないいヤツ要らないんだけど……まぁ良いか!開き直ってありがたく使おう!

でもアドレス登録する様な知り合い、ほぼいないぜ!1度死んでるからね!HAHAHA!


私達は、ショップから対策本部がある建物に戻って来て、部屋でスマホをオモチャにして遊んでいる。

武光は大量の書類とにらめっこで、構って欲しいがそんな感じでは無い……太田さんは創作意欲がMAX状態だそうで、家に送って来たのでここにはいない。


一応念の為ドレスは置いていって貰っている……何かあればまた着ないと……


それはそれとして……今はスマホいじるしかやる事ないんだよね。


カメラの性能もすごいいいなぁ……ついつい調子に乗ってパシャパシャ撮影しまくる。……うわぁ……綺麗すぎる……


……ぁ


私はスマホを持った手をスっと下にさげて、太ももの間……パーカーの奥にレンズを向けて、シャッターのボタンを押す。


男だったら1度くらい自分のチ〇コ撮影した事あるよね?無い?……いやいや……あるでしょ?


スマホの画面を確認……うわぉ……そう言えば私、今は女だったよ。

……んぅ……なんという鮮明画像……パーカーで陰になってるのに、キレイなモノだなあ。


パッと見肌色の皿の上の生肉……その正体は……おっとこれ以上はいけねぇ……


私はチラッと武光の方を見る……まだ書類を見ていた。

練習を兼ねてスマホを操作すると、武光のスマホが震え出した。


書類を見るのをやめた武光が、コーヒーを片手にスマホを手に取る。


「ぶぁっ?!」

「驚いたか!」

「当たり前だ!……しかもまた……ノーパ……んっ!ゴホン!」


今撮影していたウチの、最後の画像を添付したメールを武光に送りつけてやったよ(笑)

メールを確認した武光が吹き出した……お前既に一度見てるだろ……そんなに驚くか?……いや……自分が男だった時に……いきなりこんなの送ってくる女がいたら……おかしくなったと……思うなぁ……いやコレ……変態じゃない?!


「いや、優也だって最初は恥ずかしがっていただろう……」

「武光だったら大丈夫な気がした!……でもやっぱ恥ずかしくなってきたから……消して」

「…………………………………………………………………………ああ、わかった」

「え……?いや、消せよ?」

「………………………………………………………うむ」

「親友に対して、にわかに湧き起こる不信感」

「大丈夫だ、大丈夫……」


なんかスマホを、ほにゃほにゃ〜って操作する様な動きをする武光。ソレホントに消してるの?ホントに?


「武光、ちょっとスマホ貸してみろ」

「大丈夫だ、消えてるから大丈夫だ」

「大丈夫なら見せてみろ、ちゃんと見せてみろ……ん?」


誰かが廊下を歩いて来るのを、精霊が教えてくれる。この部屋に用事がある……ぽい


廊下を近づいて来る気配が、ドアの前に止まる。

続くノックの音に武光がどうぞと答えると、ドアが開いて前に私達を呼びに来た女性が入ってくる。


「1時間後に記者会け……ん……失礼しましたっ!!」


いきなり慌てだす女性に、何事かと思った私達が目を見合わせると……スマホを取り上げようとした私が……取られまいとソファの上で横倒しになりながらも、手を私から離そうとしている武光にのしかかっている……そんな状況……ちなみに……私お尻丸出し。


華奢になってしまった私より……随分と広い胸板の上で手を伸ばしていたせいで、ぴったり身体をつけていて……その体温を感じている。


武光が背中をぽんぽんと叩くまで、私はそうしていた様だ。

はっとなって横目で女性を見ると、目を丸くしている……


私はもそもそと武光の上から降りて……ソファに膝を揃えて座り直した。

顔が……熱いっ……恥ずかしくて……死ぬる……こんな……子供みたいな事してるの……見られてしまった……


「えっと……あっ!……誰にもっ!……誰にも言いませんっ!!」

「頼むね」


落ち着きのない所を見られ……はしゃいでいた事を女性は黙っていてくれるらしい。

心遣いが……胸をえぐる……そして……サラッと対応する武光は憎たらしい。


くそ……コイツ抱きつかれたりとか……慣れてやがるのか?……ん?

今なんか……モヤっとした……なんか……うん……なんか……やな気分がした。


コイツが……女の子に抱き着かれるの慣れてるんだって思ったら……なんか……嫌だな……

なんだコレ……ん……あぁ……少ない友達が取られちゃう気分になるからかな……うん、多分そんな感じだ……


いやいや……私子供か。


「時間になったらさっきの場所に行けばいいのかな?」

「あ……いえっ!……別の部屋を記者会見用に用意しました。開始15分前に迎えに参ります。」

「わかりました」


女性が会釈して部屋を出ていってからも、しばらく私はそのままの姿勢でいた。

ちらりちらりと武光を見ると、ソファに座り直して余裕の表情でコーヒーを飲んでいる。


私が子供みたいな行動のせいで恥ずかしい思いをしているのに、この男……

ムギ〜!と睨んでやったら……ふっ……って笑いやんの!


一言言おうと立ち上がって武光の前まで行くと、ひょいって持ち上げられて……武光の脚の間に座らされる。

腕も身体に回されて、動けない。


後ろから包み込まれるようにがっちり抱えられて……え?……


「ちょ……」

「優也…………」


低くて……優しい声が……耳からだけではなくて、密着した身体を通して……振動としても伝わる。


「ほぁっ?!……な、ななななななっ……なにっ?!」


何ナニなに?!……何が起きてるの?

いやおかしいって!……武光……なんか声……え?……ちょっと待って……なんでドキドキするの?……か……顔熱いんですけどっ……ぅぅぅぅ動けなぁい……


「あんまり無防備な所見せられちゃうと……」

「み、見せちゃうと?」

「我慢するの……やめちゃうよ?」

「ふあああああああああぁぁぁっ!」


きゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!ってなんか身体の奥で変な感じしたっ!


我慢って……なんの?とか言ったらダメなヤツぅぅぅぅ

微妙にわかってないけど、危険なヤツだ!底なし沼にはまるヤツだ!


「わかった?」

「ほわぁ……わかった!わかりましたっ!」


なんかわからされたっ!


「どうしましたっ!………………失礼しましたっ!!!」


大きな声を出したせいで、女性が戻って来てドアを開けたけど……凄い勢いで閉められた。

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