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エルフ、ゴーレムの改修をする

……ちゃぷ……


朝の浴室……私は強ばった身体をほぐす様に、お湯の中で手を動かす。

お湯にぷかぷかと浮かぶ精霊……お湯の精霊達が、手足を動かすこと無くスイスイと私の手を避けていく。


これは泳ぐと言うか……航行?……潜ったりもするし……潜航?


お湯の精霊はお風呂が好きで、そこにいるだけでお湯を浄化しながら温度も保ってくれる。

普通のお湯も彼らがいると、温泉の様な成分になる……浸かっていると、疲れた身体が癒されていくのがわかる……


身体に力が入り過ぎていたのか、あちこちギクシャクした感じがする。


……武光……昨日もさぁ……激しかったから……


アラサーのくせに……覚えたての中学生みたいに……何度も……何度も……気を失いかけたよ……もぉ……

しかも元男の友人相手だよ……


「ふぅ……」


ため息をつく私の耳に、誰かが……浴室に入ってくる音……1人しかいないけど……がしてきた……

チラッと見ると、当然武光……前を隠さずに……ぶらぶらさせながらコッチに歩いてくる。


武光を見ると……猛烈に羞恥心が湧いてきて、目を逸らしてしまう。

男だった時に何度も見た……変な意味ではなくて……気にする様なものでは無いはずの物を、意識してしまって落ち着かない……


意味も無くバシャバシャとお湯を掻き回すと、精霊達が迷惑そうに離れていく。

身体を軽く洗った武光が隣に来る……ゆっくりお湯に浸かりながらこっちを見て……


「おはよう……リンド……今日も可愛いな」

「はう……おふぁ……おは……よ」


この後、お湯を汚して精霊達に顰蹙を買った……








ーーーーーーーーーーーーーーー







「んー♪」


鼻歌モドキの音を立てながら私は中に浮かぶゴーレム……半分解体状態のソレに潜り込むようにして内部のチェックをしていく。


以前、子供達に搭乗型のゴーレムを見せた時に……武光がちょっとだけ羨ましそうな顔をしていたので、専用の機体でも用意してやろうかと思ったのだ。


まぁ、前に作りかけたヤツを完成させるだけだけど……

200年くらい前に骨格とか作ったのだし、古くなったトコとか交換して……などと思っていたら……ついついかなりの所までバラシちゃって、ほとんどつくりかえた方が早いんじゃないかってくらいに手を入れ出してしまった。


外した部品なんかは精霊達に手を借りて浮かせておけるので、重いユニットも簡単に移動できるし……部品そのものも魔法でモーフィングの様に形状を変えられる……そのせいで余計に止まらなくなってる……


ちなみに今の服装は……引っ掛かったりしないように、上はスポーツブラ……下はショートパンツ……ドルフィンパンツとか言うらしい……の動き易い格好だ。


「ふん♡……ふん♡……ふふっ♡」


放置していたせいで……こういうのは時々動かしてやらないと……魔力が循環していないと、傷むのは早い……ダメになっていくので、変えられる部品は交換していく。


変えた部品も後で再生するので、捨てたりはしない。


「複座にしちゃおうかな……」


搭乗者は1人いれば……1人もいなくても動けるけど……いいんだけど……武光以外に……私の席も……あってもいいかなぁ……って……ちょっと思っちゃう……


とは言え……その場合……レイアウトとかどうしようかな……

うーん、横に並ぶ?……前後……武光が前でその後ろが私……上下……肩車みたいになっちゃうな……


「どうした?……リンド……」

「武光……」


考えこんでいたら、武光が来た。……上下スウェットのラフな格好だ。

チラッと私を見て……一瞬であちこち見てきた……なんか頷いている。


「その格好も良いな」

「はぅ……」


武光はいつでも私のスキをついてくる。








ーーーーーーーーーーーーーーー









自重した武光は、お腹や剥き出しの脚に視線を這わしているけど……凄い舐め回す様に見てくるけど……寝室に『お持ち帰り』される事も無く……でも……凄い見てくる……


一応武光にもわかる様に、空中に3D風に目の前のゴーレムを縮小した像……映像とは違って、触れるし……像を手で変形させると実物のゴーレムもソレに合わせて形を変える……モノが浮かべてある。


精霊達が補助をしてくれているので、こんなことも出来る……いや、頑張れば出来なくも……マルチタスク以上の思考を要求されるか……ムリだな……


いやいや武光……ゴーレムを私の身体の形にしないで……乗り込めないくらい細いから……胸……もう少し盛ってもいいんですよ?……いや、そうじゃなくて……


ぺしんと武光の手を叩いてやめさせると、改めてゴーレムを複座にするか迷っている事を伝える。

武光は急にキリリと真剣な顔になって、レイアウトを考え始めた……


「シートが1つしかないな……1人乗りにするのか?」

「リンドは俺の膝の上だ……俺がリンドのシートで安全ベルト」

「却下」


何考えてるんだ……そんな事になったら……その……触ったり……お、押し付けたり……するんだろう……操縦者を飾りにできるゴーレムとは言え、中でそんな事されたら……こ、困る……


と……私と武光の攻防中に……メイドゴーレムが、私にスマホを渡してきた。

連絡してきたのは例の若手官僚……以前、保育園見学の企画を出してきた彼だ。


ぼちぼち次の顔見せ……学生勇者達から目を逸らすアレ……をしませんか?というヤツだった。


学生達も少しずつ普通の青年に近い能力になってきて……『上忍』の彼……藤間くんはエルフの彼女と『島』で『世界樹の子』に会いに来ているので、とんでもないスペックのままだけど……もう少ししたら家に帰す事が出来ると思う。


ただまぁ……最近は私と武光が普通に出かけたり、旅行したりするので……ソレを良く見られるので……特別に企画を立てる必要は無い気がしている。


若手官僚にしたら……成功体験?が忘れられないのか、上から言われているからか、やりたがっているので……強く反対する理由も無いし……まぁ、いいかと……そういう事になった。


通話を終了して振り返ると……武光がレイアウトの変更を終了していた……終了……していた……

終了……つまり状態を固定してしまっていた……いや、無理すれば変えられると思うが……少しめんどくさい。


新しいレイアウトは……複座……一応……複座と言ってもいい……かもしれない……

まず武光が普通の……ロボットアニメのパイロットみたいに、シートに座る様な形……脚をグッと開いてどっしりと座っている様な姿勢になる様だ。


問題は私の姿勢で……バイクに跨る様な形だ……それ自体は……まぁ……おかしくないのだが……位置が……その……随分と武光に近くて……武光の脚の間にお尻が挟まっているみたいで……お尻が……武光の股間に当たりそうなんだけど……いや、これ……まずくない?


どういう事なのかと聞いてみると……2人が乗っている状態で、なるべく胴体のサイズを小さくしようとして色々試しているウチに、つい……ふざけてこの形にしたらしい……


お前は中学生か……


その後戻そうとしたら操作を受け付けなくなっていて……焦っている時に私が振り向いたのだそう……

ジロっと精霊達を睨むと……私の視界から……すぅ……と逃げていく……コイツら……武光の悪ふざけに便乗したな……?


そうなると……作り直す以外に無いんだけど……精霊達が従ってくれるか……私と武光の子供を産ませたがっている精霊達は、私と武光が接触するチャンスをこれでもかと押し付けてくる。


……いやじゃないけど……


などと考えている内に……精霊達によって、ゴーレムは完成した……してしまった……

微妙に目を逸らす武光を軽く睨みながら、ゴーレムの胴体……ハッチにあたる所を開く……


試しに乗ってみる?……そういう顔で武光を見ると、満面の笑み……

いや、うん……試すのは必要だから……仕方ない……そう……仕方ないからね……


……まぁ……像の通りの形に仕上がった内部。

とりあえず武光を促して、シートに座らせる……それから私が……やっぱり当たるじゃないか……


かなり微妙な部分が当たって……ん……


「武光……押し付けるな……」




この後……たっぷりと……シートのテストをする事になった……


最初に書いていたモノがあまりにもしっくり来なくて、書き直したりしていたら間が開いてしまいました……

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― 新着の感想 ―
[一言] ロボット物でたまに見るスケベコックピットだ
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