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エルフ、わからされる

国会議事堂の本会議場……あるいは議場と呼ばれる場所……国会中継とかで見る場所だ。

議員が居眠りとかしてるアレ……ただ、今は全員起きて私を見ている。珍しいのがいるからね。


どうも、珍獣リンドです♡


手でも振ろうかと思ったけど、一応現時点では唯一の異世界からの来訪者……ホントは学生勇者達がいるけど……まぁ、彼等は正しくは帰還者……キリッとしつつ、神秘的な雰囲気で軽く会釈をしておく。


ちなみに異世界(あっち)にカーテシーは無かった。

広めても良かったけど……一瞬ならともかく、上の人間の許しが出るまであの姿勢はキツイから無し。


それにしてもさこういうフリをしていると、やたらと地球(こっち)のジャンクなものを食べたくなる。

異世界にいた時も、やたらと食べたくなって困っていたけど……今は食べれるからちょっとマシだね。


きっとキチッとする反動なんだろうなぁ……


指定された席に座っても、視線は私に向いている。

『この為に』集まったんだから、当然と言えるけど……


議長の宣言の後、紹介を受けて立ち上がって挨拶をする……『日本語』で。

異世界(あっち)の言葉でも良かったんだけど、通訳できる人が1人として存在しないから……


それっぽい演出をするなら、最初の挨拶を日本語で……あとの受け答えを通訳込みでする……となるのが普通だけど、無理だからね……


まぁこっちで用意すればできるけど、結局どうやって言葉を知ったんだ……って事になるからねぇ……

日本語覚えてて良かったよ……帰ってからも武光のおかげで結構日本語使ったし……アレだよ田舎帰ると方言出ちゃう感じだよ。


たくさん喋ったからな……あ〜、寝室とかでも……いや……アレはちゃんと言葉になって無かった……んっ……

いやいや……ちゃんとそれ以外の所でも……膝の上とか……ゲフンゲフン。


武光の膝の上……すっぽり収まる感じがすごい安心……


「あー、失礼?」


おおぅ……みんなこっち見てる……


急に身体をくねらせた私をおじさん、おじいさん達が……女性もいる……おかしなモノを見る目で見ていた。

付き合い始めとかさ……こう……ニヨニヨしちゃう事あるじゃん……しょうがないじゃん……


まぁ……元男だから、その事考えるとアレだけど……

数百年女だったからある意味自然なんだけど……武光と顔を合わせると……昔の感覚とか蘇ったりして……モニョモニョしたりすることもある……


でもさぁ……武光に見つめられて……可愛い可愛いとか言われるとさぁ……こうさぁ……きゅんきゅんって……アレだよ……わかるでしょ……ほら……


「あの……」


また飛んじゃってた……







ーーーーーーーーーーーーーーー







質疑応答とか色々されて……野党からなんの目的でやってきたか、結構キツく聞かれた。

目的など無いっ!!……ホントはあるけど……勇者達を送ってきて、力が弱まるの待ってるだけだけど……


侵略とか疑われたみたいだけど……メリット無いんだよねえ……動力とかコッチは完全無公害だし……

昔は、染物の水質とか鉱山からの鉱毒はあったんだけど……その辺もとっくに解決した。


私に知識があるし、魔法も……それを元にした魔道具もあるし……自然は向こうの方がいっぱいだし……労働力は、ほとんど経費の掛からないゴーレムあるし……


そんな事をやんわりと伝えたんだけど……侵略者に屈しない我が党!!……という妄想に酔っているのか、なかなかわかって貰えない。


御舞議員のいる与党には話が通っているので、あーあ……という感じでその議員を見ているし、普段は一緒になって与党に噛み付く他の党も若干冷ややかにその議員を見ている。


冷静な人は薄々、私が『日本語で話している』意味に気付いているようだ。

ただ……この議場という場所で『異世界転生ですよね!』と言う言葉を発する度胸が無いだけだ。


ラノベ……特に異世界転生・転移で俺TUEEEE!知識チートでウハウハ!というイメージが強くて……今はそういうの少ないと思うんだけど……言い出しにくいようだ。


正直、侵略ネタの方がはるかに古いけど。


この議員はラノベ読まない人なんだろう。

実際はラノベのテンプレ満載人生(エルフ生)だったから……ハーレムとか無かったけど……この前まで……処女……だったし……食チートとか、やったよ。


なんだか目の前の議員以外にはわかって貰った。

なんか時間切れみたいで……その議員は下がらされて、異世界(むこう)での生活などの話になった。


拾った子供が王になって、数百年……今では暇を持て余して魔法の理論の構築、実験……魔法薬などに手を出している事を言う。


勇者達の事はもちろん言わないよ。


魔法薬の話になって……毛生え薬や……肌や髪がトゥルントゥルンになる薬の話になった時、議員達の目がギラっと光った。


議員達……毛髪の……残機が心許無い人が多いからね……

何故か前からより、天辺からお亡くなりになっている人が多い気がする……なんでだ?……まぁ……いいか……


空間収納から、コトリコトリと今まで作った魔法薬の小瓶を取り出して、並べて見せるけど……コレが危険物だっていう可能性がある以上、議員達に試してみますか?と聞く訳にもいかない。


それ以前にこうやって私が武器や爆発物、毒ガスなんかをいくらでも取り出せる……という事に初めて気が付いた人達が青ざめる。


私も今気付いた……そういや、そうだなと……


不審に思わせてすいませんと……空間収納にしまう時、視線が小瓶に絡み付いて……怖……

おじさん、おじいさん議員もだけど……女性議員の視線……怖すぎる……


効果に関しては間違いないんだけど……考えたら日本じゃ使えないんじゃないかな……薬事法とかさ……よく知らんけど……


基本手のひらで塗るヤツだから、化粧品扱いとかならいけるのかな?

練習でたくさん作ったから……配ってもいいんだよね……トン単位であるから……


異世界(あっち)の貴族とかに配ったりしてたよ……思いっ切り貴重品のフリで……恩着せがましくくれたやった。


いや……周りがそうしろって言うから……おかげで在庫がはけなくて困ってるんだよ。

寿命が伸びたりする訳でもないから、私としてはそれ程の価値は無いんだよね……ホントに練習だったから……









ーーーーーーーーーーーーーーー





控え室として用意された部屋に入った。


毛生え薬とかのおかげで色々ごまかせた気が……する?……まぁ、注目を集める事は出来たと思う……多分……

議員達からの『個人的』な会談の申し込みとか……たくさん来たけど、どうしたらいいかよくわからんね。


あと、製薬会社とかからの申し込みもあった。

魔法薬を調べてみたいんだろう……「ウチで販売させてやってもいい」みたいな内容の手紙が控え室へ届いた……コッチがスマホ持ってるとか知られたら……恐ろしい事になりそう……


まぁ……調べても地球(こっち)には無い素材と、水と、彼らには検出できない魔力で出来ているから、サンプルとして渡してもいいけど……『よくわからん草の汁と水』としか分からないだろうなぁ……


あの女……とんだ嘘つきだ!とかになりそう……


最悪勇者達が、元の生活に戻れるまで時間が稼げればいいんだけどね……

効果を試してから検査すれば、『検査能力の不足』だって判断してもらえるか……


まぁ……いいや。


その辺、政府で相談でもなんでもしてくれればいいや……










ーーーーーーーーーーーーーーー








『島』に帰ってきて……武光にお詫びタイムが始まった。

まずは濃厚な……ちゅー……腰が抜けて……ふにゃふにゃになった私は、服を脱がされて……お風呂に入れられた。


もちろん武光も一緒に……


ねっとり、たっぷり……武光の手で『綺麗にされて』……武光の膝の上……膝……うん……まぁ……その……アレ……の上……で抱えられながら……当たってる……浴槽で温まった……


さっきまでよりも、ふにゃふにゃになってしまう……


お風呂から上がったら、やっぱり武光の手でバスタオルで拭かれて……そのまま寝室……もう?

と、思ったら普段なら絶対着ない……武光がどうしてもって言ったら……着るけど……フリフリのピンク色の部屋着を着せられて……たくさん写真を撮られた。


服は次々替えられて……なぜ武光が持っているのか、地球(こっち)の基準だとサンバ衣装にしか見えない例のアレ……魔石で出来た『服』でも撮影された……


ミニスカメイドとか……スポーツウェアとか……武光……お前……変態さんだったのか……

学生服……しかも『俺』と武光が通っていた学校の女子の当時の制服とか……確か卒業後にデザイン変わっているはずだから……わざわざ?……あと……男子の制服?……武光ぅ……


最終的にはスケスケセクシーベビードールで……朝まで……








ーーーーーーーーーーーーーーー








「今回……武光の知るべきでは無い一面を知ってしまった……」

「……お前にだけだ……」

「うーん……」


一夜明けて、ベッドの中で変態な武光に……された事思い出しちゃうと……武光……あんな事までするなんて……私……いや……その……嫌じゃ……無かったけど……

もう……普通に……戻れないよぉ……元オトコな時点で、『普通』とはなんぞや……だけどさ……


今も、武光の腕の中でぶつぶつ言ってる……顔マトモに見れないし……


これがさぁ……まだ帰ってきてからそんなに経ってないんだよねぇ……

私からすれば、あっという間に絡め取られたみたいで……いや、納得はしてるんだけど……


武光も……友人が……男の友人が、亡くなった次の日に異世界から女になって……しかもエルフになりました……って状況で、なんて言うか……手を……出すとか……無いよね……


まぁ……私も流されちゃったけど……武光以外のオトコに身も心も許す気無いけど……

今まで数百年……『女』だって言ってたけど……コレは『性別女性』なだけだったって自覚しちゃった……


わからせられちゃった……とはこの事か……


モニョモニョする気持ちを、武光の胸板に頭をぐりぐりする事で表すと……他の動きは出来ないので……

私に回されていた腕が……私をギュッてしてきて……


「あっ……ん……武光ぅ……」


朝からたっぷり……わからされちゃった……


















武光君は『竜胆優也』とマジックで書かれた、学生時代の割れたマグカップも保管してる。

???「ふふふっ……男とか……些細な事だよ……」

友情が壊れたら嫌だったから、手を出さなかっただけ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ヒャッハー新作だぁ [一言] これは夜の珍獣ハントですね
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