1-1:出会い
僕はいつも思う、人は何故生きているのだろうか、こんなにも息苦しい世界で、かわりばえのない毎日を生きているのだろう、と。そんな毎日をこんな事を考えながら生きてる自分は何なのか、いつも思う。
「・・・・・・い、・・・・・れい、おい、怜!!聞こえてるのか!!」
「ん、何?全然聞いてなかった。」
「ったく、お前はいつもぼーっとしてるよな!!」
キーーーン
「っつ!?・・・純、声が大きい。小さな声でしゃべって。」
僕はあまりに大きな声に頭が痛くなってきた。
「俺の声は大きくない!!」
「・・・・・ハァ〜。もういい、で、さっき何話してたの。」
「だから、・・・・・・」
さっきから、大きな声を出しているこいつは、僕の親友で、山神純也だ。僕は純って呼んでる。そして僕は、最上怜。ここは、山条市にある、私立山条第三高校。総生徒数2543人の市内でもレベルの高い進学校だ。
「お前さっきから何独り言いってんだ?」
「何でもない、気にしない、気にしない。それで、さっき何の話しをしてたんだ?」
「だから、今日これから遊びに行かないって話だよ!」
イスから乗り出しながら聞いてきた。
「別にいいけど、カラオケ??ボーリング??」
「ふ、ふ、ふ。」
笑いながらカバンを開いて、純也が目の前に何かを突き付けた。
「??何これ。」
「見て分らないか、ライブのチケットだよ。」
「なんだよ、遊びに行くって言うから、期待してたのに、やっぱり行かない。」
イスから立ち上がって帰ろうとしたら、いきなり手を掴まれた。
「ちょっと待てって、一緒に行こうぜ!!絶対楽しいから!!」
「何を根拠に言ってんの??」
純也は鼻息を荒くしながら、
「だって、クリムゾンアイのライブだぜ!!」
「クリムゾンアイ??何それ??」
「はぁ!?クリムゾンアイを知らないのか!?それでも人間か??」
ゴスッ!!
「いって〜、何すんだよ!!」
「人のこと、人外呼ばわりしておいて、何言ってんだ。分ったよ、行けばいいんだろ。」
「さすが、怜!!なんだかんだ言いながら、付き合ってくれるんだよな。」
僕はあまり乗り気じゃないが、行かざるおえなくなった。