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第六十八話 異常事態(笑)

 川に沿って北上し、ガーがいた池の手前あたりからは森の中を歩いていく。

 三時間ほどかけて、レビア草が生えている可能性が高いエリアまで来ることができた。


 このあたりからはCランク台のやつが出てくる可能性が高いから、前から俺、リア、アリスの順で並んで行動している。

 事前に話し合ったパーティーの役割決めで、俺が前衛、リアが中衛、アリスが後衛に決まったのでこの陣形で行動している。

 リアが索敵し(もちろん俺とアリスも警戒は怠らないが、リアの索敵能力が一番優れているので任せている)、敵が出たら俺が前で引きつけながら攻撃し、アリスは後ろから魔法で攻撃する。

 リアは状況によって攪乱や援護に回ったりするというのが、今回の俺たちの戦い方だ。


 リアは索敵に集中しているので、俺とアリスでレビア草を探すが一向に見つからない。

 地面に生えている草を片っ端から【鑑定】していくが、全部雑草としか表示されない。

 そろそろ見つかってくんねえかな。


「ッ! 近くに何かいる!」

「どんな奴?」


 リアの【気配察知】に、何かが引っかかったようだ。

 どんな奴なのか情報を聞こう。


「多分、二メートルくらいある。それでこちらに向かってきている。友好的ではなさそうだから気をつけて。強さは多分、私より少し強いくらいだと思う」

「ありがと」

「ピュ!」


 強さ的には、リアと同等かちょっと強いくらいか。

 こちらは三人いるので、多分倒せるだろう。


「こちらは三人だから戦っても問題ないと思うわ。リアはどう思う?」

「戦うのには賛成。倒せたら経験値がおいしいと思う」

「すーちゃんは戦うの大丈夫?」

「ピュイ!」


 敵はかなり強いだろうが、こちらは三人いる訳だから戦っても大丈夫だと思う。

 それに、倒すことができれば経験値的にかなりおいしいだろうからな。


「じゃあ、戦うという方針で行きましょ」

「わかった」

「ピュイ!」


 俺たちが話し終わるタイミングで、ソイツは現れた。

 茂みの向こうから現れたのは、全身が水色で透き通っている粘体生物、スライムだった。

 ただし、大きさはこれまでに俺が見たどのスライムよりも大きい。

 軽くニメートルを超えている。


「これは倒せるのかしら?」

「可能性はあるけど、かなり時間がかかりそう」


 スライムの耐性や再生能力は厄介だ。

 それに、目の前のスライムには核らしきものが見当たらない。

 倒すのは骨が折れるだろうな。


------------------------


種族:ギガンティックスライム Lv50

名前:なし

状態異常:なし


体力 :1206/1242

魔力 :322/322

攻撃力:339

防御力:522

魔法力:235

素早さ:178

ランク:C


固有スキル

【過食再生】【触手鞭Lv5】【分裂Lv3】【体内収容】


スキル

【捕食Lv9】【受け流しLv5】【消化Lv6】【再生Lv4】【吸収Lv5】【体力自動回復Lv1】


耐性スキル

【物理耐性Lv4】【魔法耐性Lv4】【水属性耐性Lv3】【氷属性耐性Lv2】【毒耐性Lv2】


称号

【暴食】【触手プレイヤー】


------------------------


 種族はギガンティックスライムか。

 見た目通りの種族名だな。


 ステータスは体力と防御が特に高くて、ほかはそこまで高くない。

 攻撃面は、触手を使う以外に相手を体内に取り込んで消化するというのがある。

 【体内収容】されると容易に出れないみたいなので、接近戦をする俺は特に気をつけないといけないだろう。


 コイツのステータスで一番気になるのが、称号のところにある【触手プレイヤー】だ。

 これを見た瞬間、アリスとリアはこいつに近づけてはいけないと俺は確信した。

 接近戦でスライムの気を引くのは、最初の予定通り俺がひとりで頑張ろう。


「事前に決めた通り、すーちゃんは前で気を引きながら攻撃を加えていって!」

「ピュイ!」

「私は魔法で後ろから攻撃するわ。アリスも風魔法で後ろから攻撃お願い!」

「わかった」


 アリスの指示が終わると同時に、地面を強く蹴って飛び出す。

 そのままスライムのほうへと一気に迫っていく。


 スライムは俺のことを敵と認識したらしく、触手を構えた。

 スライムの触手は丸太ほどの太さがあり、長さのほうは三メートルほどもある。

 あれで打たれると結構なダメージになりそうだ。


 俺がスライムの攻撃範囲内に入ると同時に、触手が鞭のようにしなりながら高速で横なぎに迫ってきた。

 上昇することで触手の軌道からずれ、その攻撃を躱す。

 振るわれた触手は、空ぶった勢いのまま近くの木にブチ当たった。

 真っ二つにへし折られた木が、ドシーンという大きな音を立てて倒れる。

 威力が半端ないな……。


 スライムは素の攻撃力はそこまで高くないが、触手を鞭のように振るうことで衝撃を利用してステータス以上の打点を出しているみたいだ。

 俺の防御力はスライムの攻撃力より高いが、あれを喰らえば間違いなくかなりのダメージを負うことになるだろう。

 何としてでもあの攻撃だけは避けないといけない。


「「いけ! 【エアカッター】!」」


 俺が触手をよけたあとに、アリスとリアがすかさず魔法を放ってくれた。

 風の刃がたくさん飛んできて、すべてスライムに命中する。

 しかし、大したダメージにはなっていないようだ。


 スライムのヘイトがふたりのほうへ向きそうになったので、その隙に多めに魔力を込めた【ファイアーボール】を十個ほど放った。

 全てスライムに命中したが、やはり大したダメージにはなっていないようだ。

 が、ヘイトを稼ぐことはできたようで、スライムはまたこちらに狙いを定めてきた。


 この状態を維持して確実にダメージを稼いでいけば、こいつを倒すことができるかもしれない。



次回の投稿は、おそらく火曜日になると思います。

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