第二十七話 五年前(Side????)
主人公とは別の人物視点のお話です。ちょっと短めです。すんません。
真っ暗な視界に突然光が差し込んできた。
いきなりのことだったのでかなりびっくりしてしまった。
しばらくたってようやく光に慣れてきたが、目があかないため周りがどうなっているのか把握することができない。
う~ん……、ここは?
私は一体どうなったんだろう……。
確か怖い人間に追われて、追い詰められたと思ったはずなのに……。
いくら考えてもその先が思い出せない。
私をかばってくれたパパとママはどうなったの? 無事でいてほしいな……。
それとなんで目があかないの?
状況が全然わからなくて、余計に混乱するばかりだ。
「コォーン」
突然、近くから声が聞こえてきた。
それは、とてもきれいでやさしい声だった。
それと、その声からうれしそうな感情が伝わってきた。
その声を聴いたら、なぜかは分からないけど心が落ち着いて安心感に包まれていくのを感じた。
どうしてなんだろう? 今までこんな声を聞いたことなんてなかったのに……。
ああ……思い出した。
いつも優しく見守ってくれてたママの声に雰囲気が似てるんだ……。
ものすごく……。
昔のことを思い出したら、急に悲しさがこみあげてきた。
我慢できずに泣いてしまったが、先ほどの声の主が優しく寄り添ってくれた。
心配するようかけてくれる声がものすごく心地いい。
安心感に包まれて、不安や悲しみといった感情が薄れていくのを感じる……。
不思議と温かいぬくもりに包まれて安心したのか、いつの間にか声の主に寄り添って眠ってしまっていた。
◇◇◇◇
目が覚めたあの日から一週間が過ぎた。
今日になってやっと目をひらけるようになった。
段々慣れてきて周りの景色が目に映る。
私は洞窟の中にいたみたいだ。
次に足元を見る。
洞窟の中にいるわりには地面が柔らかいと思ったが、私の足元には芝生が生えた柔らかい土が敷かれていた。
次に前を見ると、白い毛が美しくなびいているキツネが立っていた。
すごく優しい目で、私を見ている。
とても美人さんだ。
次に自分の体を見てみる。
目の前の美人さんと同じように、真っ白い毛で覆われていた。
体も記憶にあるより少し小さくなっている。
多分だけど、私は死んじゃったのかな……。
最後に覚えてるところまでの記憶だと、私の毛は黒に近かったはずだもん。
多分生まれ変わったのかな。
それだったら、体が前より小さくなっているのと目の前の美人さんがママと雰囲気がそっくりなのにも説明がつくから……。
でも、それだとパパとママも死んじゃったことになってしまう……。
パパとママは一番に私をかばってくれたから、その私が死んでるってことは恐らくそういうことなんだろう……。
パパとママもどこかで私みたいに生まれ変わっててほしいな……。
パパとママのことを考えていたら、また涙があふれてきた……。
新しいママなんだろう美人さんは、急に泣き出した私を見てアワアワしていた。
最初はアワアワしてたけど、すぐに寄り添ってくれた。
今はこの温もりが、とても心にしみる。
しばらく新しいママの胸の中で泣かせてもらった。
でも、そのおかげでいろいろと心の整理ができた。
私が大好きだったパパとママはもういない。
でも私は生まれ変わったんだから、パパとママもどこかで生まれ変わってると思う。
今私ができるのは、パパとママが生まれ変わって幸せになるのを祈ることだけだ。
パパ、ママ。今までありがとう。ずっと大事にしてもらえて私は幸せだったよ。
もしも生まれ変わってるのなら、今度はもっと幸せになってください。
私は生まれ変わって優しいママに大事にされているので、心配しないでください。
急にインターネットがつながらなくなったから焦った。
あと主人公とは別視点で書くのが初めてだったので、書くのに結構時間がかかりました。
今回出てきた人物はのちに、メインストーリーに大きくかかわってきます。
当分先の話ですが。
うれしいことに最近感想をちょくちょくいただくようになりました。
この作品を面白くしていくための参考にするので、気づいたことなんかがあればぜひ教えてください。
あとは作者が明日から大学生活が始まります。忙しかったりして更新頻度が下がるかもしれませんが、できるだけ早く投稿するようにはします。
明日は大学の入学式が午前中にあるだけなので投稿できます。





