表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

(6)

 努力をして結果が伴わないのなら、認められないことは仕方がない。

 私がそうなのだから。


 でも、努力をして結果が伴っているのに、努力を見ずに認められないことが、どうしていけないのだろうか。


 高校生活全てを部活に捧げてきていると、部長をリレーのメンバーにしたい子たちは言っていた。

 彼氏と一緒に帰っていた部長のことを知りながら。


 確かに部活をしていた時間で言えば、部長のほうが長いのは事実だろう。

 だけどだからといって、彼女の努力を知らないままにそれを言うのは、あまりにも酷いのではないだろうか?


 努力していることを示すのが下手な子が損をする世界なのは知っている。

 でもそれが見えないからと言って、伴った結果までも目をつむるなんてことは……してはいけないはずだ。




 それなのに、心優しい彼女は……自分の努力が無いもののように扱われても、笑顔で、部長にリレーの座を譲っていた。




 さっきも言った通り、彼女本人にリレーの思い入れなんてない。

 だからきっと、周りが彼女の努力を分かった上で説得していれば、私だって納得できただろう。


 思い出づくりでも何でも良い。

 どうせ地方大会ですら勝てる実力があるかどうか怪しい、どこにでもある公立校の女子陸上部だ。

 そこまで本気になってメンバーを選出する必要もない。


 ……だからこそ余計に、楽しむ場での努力を、認めてあげて欲しくて……。




 それがされないのならと、私は大会を前に、部活動を辞めていた。

 こんなところで実らぬ努力を続ける理由なんて、なくなってしまったから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ