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第壱種接近遭遇ティーカップ - 1

なにか、面白い事ないかな。

それがあの頃の、私の口癖だった。

具体性なんて無く、”なにか”に向かって行動するでもなく。

ぼんやりした願望の塊を抱えて日々を生き、折に触れて、それが口をついて出る。

今思えば、ほとんどの人は私と同じだったのだ。ありもしない奇想天外なハプニングを心の片隅で望み、しかし現実にはそんなものと出くわす事はなく、平凡に堅実に地盤を固め、それぞれの生き方を見付けていく。

見付けてしまえば、そこでおしまい。一旦固められた地盤は逆に崩されるのを恐れ、やがてはそんな願いがあった事すら忘れて、一人の大人になっていく。

けれども、私は出会ってしまった。あの日、あの時、あの街角で、出会うはずのない、まさしく奇想天外なハプニングと。

奇妙で冷たくて、おかしくて温かいひとたち。

彼らと過ごしたあの一年間を、私は、決して忘れない。


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