総長戦記 0026話 輸出
【筆者からの一言】
甘粕正彦再び……
1939年 『満洲 新京』
ある一室に4人の男が集っていた。
その全員が満洲国と蒙彊聯合自治政府領内における芥子栽培から阿片、モルヒネ、ヘロインの精製とその流通及び販売に関わっている者達だ。
その集った男達のリーダー役をつとめる甘粕正彦が口を開く。
「あの方から来た指示ですが準備は出来ていますか?」
「ええ、既に準備はできています。それにしても、この大量のヘロインをどこに送るのでしょうか?」
忙しい甘粕正彦に代わり麻薬を実質的に取り仕切っている満洲国総務庁の古海忠之が返答しつつ疑問を呈した。
「ちょっとヘロインを積む予定の第一海竜丸を探ってみたのですが、大連を出港した後は、どうやら南米に向かうようですね」
そう言ったのは満洲国産業部の椎名悦三郎だ。産業部内外で仕事のできるやり手の男という評判をとっている。
「南米ですか? 南米でヘロインを売り捌くと?」
驚きを露に念押しで聞いて来たのはの満洲国経済部の青木実だ。こちらも経済部で有能な官僚として名を馳せている。
「さぁ、それはわかりません。南米が最終目的地とは限りませんし、これまでのあの方の手法を見ていると南米は通過点か、輸送ルートの隠蔽工作のために船を向かわせる可能性も高いと思いますが」
肩をすくめて椎名が返答する。
「しかし、我々にも秘密とは……」
古海が首を振りつつ我々は信頼して貰えないのかと、暗に嘆くような口調で呟いた。
「まぁ、物が物ですし、どこの国でも禁止されている物なのですから仕方がないでしょう」
古海の言葉に諦観とも言える口調で椎名が宥めるように言葉をかける。
そこで今までの遣り取りを黙って聞いていた甘粕が、重々しく口を開いた。
「秘密を知る者が少ない方が、秘密の漏れる可能性も低いというものです。皆さん、わかっていますね。あの方のする事はくれぐれも秘密です。この秘密は我々が墓場まで持って行かなくてはなりません。他言無用ですよ」
「わかりました」
「わかっています」
「承知しています」
それぞれが居住まいを正し返事をする。
その返答に甘粕は満足そうに頷いた。
この後、予定通り大量のヘロインが大連港から船積みされ、どこかへ運ばれて行く。
その最終目的地を知る者はごく僅かだった……
【to be continued】
【筆者からの一言】
ヘロインの行き先は……
【筆者からのちょっと一言】
続きを書かなくちゃだめだ、書かなくちゃだめだ、書かなくちゃだめだ、
と、思いつつ5月13日午前4時現在、日テレプラ◯で午前0時より一挙放送しているソード・アート・オンライ◯を見ています。
これまで何度も見たけれど、何度見ても面白い!
ソード・アート・オンライ◯一挙放送が始まる前までは、数時間で3話を書き上げ更新予約も済ませたほど筆がのっていたのに、そこからは一文字も進んでいません。
もう諦めました。
やっぱりソード・アート・オンライ◯は面白すぎる! ふっ罪な作品だぜ。
だが、しかし! キリ◯とアス◯をモデルに新たなIF戦記を書こうと決心しました。
2次創作ではありません。
あくまでモデルです。
元々、総長戦記の別ルートのアイデアがあったのですが、それに2人をモデルにした人物を出そうと。
恐らく性格や容姿は影も形もなくなっているでしょうが。
でも、いつ書き始める事ができるのやら……




