表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らの冒険2  作者: じっつぁま
最後の闘争
59/61

59話



結局丸1日掛かり、ドラゴン族の村へ帰って来たジュンイチ達であった。


「サマルカンド、僕達はこれで帰る事にするよ。休みがもう残り少ないからね。また遊びに来ることもあるかもしれないけど、その時まで元気で」


「ジュンイチ、世話になった。束の間の別れになろう。今回の礼をその内返しに行くので、それまで達者でな」


「礼なんかいいよ。それよりカムリ、これを渡して置くね」


「これは?何ですか?ジュンイチ殿」


「これは、ゴブリンの英雄の楔と武器だよ」


「これは、既にジュンイチ殿の物です。受け取れません」


「これからはカムリ達がこの世界を守らなきゃいけない。元々これは君達の世界の物だ。僕にはもう必要が無くなった。正当な持ち主の君に返すことにするよ。これを使って封印を守ってくれ」


「・・・それではしばらくお預かり致します。またいつ、何時でも、ジュンイチ殿が必要とされた場合は直ぐにお返し致します」


「うん、まあそれでいいよ。じゃあ、またね」


「あー、ジュンイチ、待ってよー、私も帰るわよー」


ジュンイチはサマルカンドやカムリに別れの挨拶をすると、リョウを連れて異世界の門をくぐった。日本へ戻るのだ。


その後、レーコ達はしばらく宴会を続けていたが、リョウが居なくなった為、数日で追い出されるように魔族の土地へ向かい、無事封印を終わらせる事ができた。封印場所は、ケーゴによって立派な建物が造られた。そことエルフ、ドワーフ、ゴブリン、ヒューマン、勿論ドラゴン族の村も魔方陣で繋げられたのであった。


さて、日本に帰って来たジュンイチ達は、残りの冬休みを膨大な宿題を片付ける事に費やした。しかし、今回は後、残り4日間ある。頑張れば徹夜をせずに乗りきれるであろう。翌日から連日、リョウの家で勉強会を行った。


ジュンイチの家で行っても良かったが、娘に飢えているジュンイチの母親のせいで直ぐにガールズトークが始まってしまい、勉強にならないため諦めたのであった。


リオンを倒した後の事は5人で相談していた。それぞれの英雄に自分達の楔を返し、武器を渡そうと決めたのだ。ジュンイチはカムリに、レーコはエルフに、ケーゴはドワーフに、そして、ユーマはヒューマンに渡したはずである。ユーマの楔はダークエルフの物であるが、もはやダークエルフはいない。そこでステファンに預けることにしたのだ。


目の前で一緒に宿題をしているリョウも、楔と武器をドラゴン族に渡したはずである。ふと、ジュンイチはリョウを見つめた。彼女にはもう心操のスキルは存在しないはずである。何故か不思議な気持ちとなり、リョウを見ていると、


「ん?」


リョウが気付き、ジュンイチを見つめ返した。


「いや、何でもないよ」


相変わらずほんわかとなり、思わず口元に笑みが浮かぶジュンイチであった。全く変わらぬ気持ちを大事にしたいなと、ジュンイチは心に誓うのであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



冬休みも終わり、また高校生活が始まった。

ジュンイチにも友人が出来、クラスに入ると数人から挨拶された。


「よっ、休み何かした?」


「俺はネット小説読みきったぜ」


「へー、どんなの?てか、宿題やった?」


「やってない。ジュンイチ貸して?」


「いいけど、さっさと写せよ」


などと話していると、


「おはよー、あっ、おはよージュンイチー」


リョウがやって来た。


「お早うリョウ」


「・・へへっ」


「?どうしたの?」


「学校で初めてリョウって、言ってくれたから」


「そうだっけ?」


ほんのり頬を染めるリョウと見つめ会うジュンイチであった。


「よーし、みんな座れー!日直、号令!」


「きりーつ、礼、ちゃくせーき」


「第3学期最初のホームルームを始める。その前に新しく君達の担任になった、神田賢だ。みんな、よろしく頼む」


座りそびれたジュンイチとリョウの前には、新しく担任となったサマルカンドがいた。彼はジュンイチ達に、にっこりと微笑むのであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



そこは、深い深い、地の底であった。

彼は指ひとつ動かすことが出来ない闇の中で、蠢いていた。


『失敗しましたー。助けてくださーい。体が溶ける、溶かされて行くー。助けてくださーい・・・』


彼は満足に動くことも、喋る事も出来ないのに、ずっと暗闇の中で祈り続けるのであった・・・



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ