55話
「さて、そろそろあなたの出番よ」
「待ちわびたぞ、レーコ」
闘技大会会場脱出から翌日、ガイア城で話すレーコとサマルカンドであった。
「うわー、あなたがサマルカンド様ですか?」
何故かそこにはステファン王子もいた。伝説の不死王と一目会いたいと無理言って着いてきたのであった。
「そなたは誰だ?」
「私はステファン・オリオン・ブラウニーと言います。現ブラウニー王国の第1王子です。どうかお見知りおきを」
「ふむ、ヒューマン族の跡継ぎか」
「我々ヒューマンが魔族を滅ぼした歴史は知っています」
「その様な事はもはや遺恨に思っておらん。仲良くできればいいな?」
「もちろんです。私はサマルカンド様と仲違いをしたくありません。我々の罪を償い、王の位を返上したく存じます」
「後の事は、全てが終わってからとしよう。もしかすれば私は命を失う事に成るやも知れんし」
「そんなことにはならないわよー。私の計画は完璧よ」
「ふむ、期待しよう」
そうして、最後の闘争が始まるのであった。
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「リオン様、ドワーフ達を捕まえました」
「石はどうなった!」
「石は持ってませんでしたが、石のありかをしゃべりました」
「どこじゃ!」
「ドラゴン族の村です、すぐに衛士達を向かわせました」
「よし、わしも行くぞ!」
「捕まえた者はどうしましょう?」
「一緒に連れていけ。何かの人質になるかもしれん」
ブラウニー城で休んでいたリオンへ報告が入った。馬車で逃げたカムリ達は捕まった様だ。そして、ジュンイチ達が帰ったドラゴン族の村の場所が、リオンに伝わった様だ。
リオンは衛士及び王城兵士全てを引き連れて、ドラゴン族の村へ向かうのであった。
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ジュンイチはリョウとケーゴの3人でドラゴン族の村にいた。赤い石を守っているのだ。さすがにサマルカンドの世界の魔石をガイアの世界に持ち込む訳にはいかなかった。そこで、ドラゴン族の村で石を守ることにしたのだ。そこへユーマがやって来た。
「城から軍隊がやってくるぞ」
「ようやくか、割りと時間がかかったな」
「じゃあ、そろそろ準備しなきゃいけない?」
「いや、軍隊が到着するにはまだ数日掛かるよ」
「その前に斥候がやって来るから、それを片付けないとな」
「その役目は我らに任せてください」
ジュンイチ達が話していると、ドラゴン族の兵士達がいつの間にか近くまで来ていた。
「リョウ様達は少しお休みください。斥候は我々が始末致します」
「いやいや、そんなわけには・・・」
「ほーっほっほっほー、じゃあ、お任せするわねー?」
ジュンイチが固持しようとするのを、いつの間にかやって来たレーコが遮った。
「さあ、リョウ、行くわよー?」
「えっ?どこに?」
「決まってるわよ、村長の屋敷で宴会よー」
どこまでもぶれないレーコであった。リョウを連れていくレーコをジュンイチ、ケーゴ、ユーマ、今ついたサマルカンド、バンダル、ステファン、及びドラゴン族の兵士達は目線だけで見送るのであった・・・
「ほーっほっほっほー、料理が足りないわよー」
「ほっほっほっほ、そうじゃそうじゃ」
「酒も足りないんだぜぇー」
ドラゴン族村長の屋敷で宴会が始まった。
「スターは分かるが、爺様はどこから湧いて来たんだ?」
「何でもレーコが呼んだそうだよ?」
「宴会になったらどこでも現れるからなぁ」
「まああの3人は放って置こう。それで計画はどうなっているんだ?」
「ここに来るまでにレーコから渡されたメモだ。これに段取りが書いてあるそうだ」
サマルカンドが取り出したのはメモと言うより、書類位の厚さの資料であった。表紙には『リオン撲滅計画書』と書いてあった。それをジュンイチ達は見て行くのであった。
宴会は3日3晩続いた。ジュンイチ達は早々に引き上げ、付き合っていたドラゴン族達も徐々に数を減らしていった。レーコ達が食っちゃ寝を繰り返している間、ケーゴとジュンイチはドラゴン族の村周辺を整備していった。
ドラゴン族は1人1人が精鋭である。その為、村の周囲には特に防護壁等は存在しない。以前ヒューマン族に攻められた時も、その体格を生かした個人戦を展開し、結局数に負けてしまった。
今回も見た目はさほど変える計画はない。ケーゴは村の入口の木々を倒し、大きな広場を作成した。ジュンイチは治水を担当した。ユーマはドラゴン族と共に斥候が村に近づくのを牽制し、サマルカンドは斥候の前に姿を見せることで、既に囮としての役割を演じていた。
そして、リョウは、
「「「リョウ様ー」」」
別室で、神として奉られていた。
「ささ、リョウ様、お飲み物です」
「さあ、リョウ様、こちらのお菓子をどうぞ」
「リョウ様、記念にシェイクハンドなるものをお願いします」
「「「あー、ずるいぞお前、抜け駆けだぞ!」」」
「う~ん、リョウ、困っちゃうー」
「はあはあ、リョウ様ー」
宴はまだまだ続くのであった・・・




