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僕らの冒険2  作者: じっつぁま
闘技大会
51/61

51話



「さて、今日の情報のすり合わせをしましょう」


大会初日が終わり、みんながガイア城に帰って来た。まずはジュンイチから話し出した。


「僕は予定通り闘技大会に出場し、本選に残ったよ」


「そう、ご苦労様。そのまま出来れば最終日まで目立たず勝ち残って」


「なぜ目立ったら駄目なの?」


「観客数が増えれば、リオンの計画が早まるかも知れないからね。出来れば偶然勝ち残った様にして。じゃあ次はリョウ」


「レーコの言うとおりにしたけど、赤い石の場所は分からなかったよ?」


「そう?難しそう?駄目なら闘技場の見取り図を持ってきて。ある程度は予測がつけれるから」


「分かったー」


「ケーゴは?」


「問題ない、まだ連れてきたばかりなので明日から始める」


「よろしくね。アメは考えてあるから、使うときは教えて。ユーマは?」


「予定通り、ブラウニー城に侵入した。これからは外出出来なくなると思う」


「重要な事が分かったら連絡して。最後の日は連絡が直ぐ繋がる様にしておいてね。じゃあ最後に私からだけど、現段階で最終日に起こりうることと予測されうる行動パターンを説明しておくわ」


そして、その日は最終日にそれぞれがとる行動を聞いて、解散となった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



闘技大会2日目、この日も午前2試合午後2試合であった。2試合と言っても4つに分けられた試合場で行われるため、正確には8試合ごととなる。ジュンイチの試合はやはり午後の最後になった。


いつもの様に朝早く起きると、いつもの鍛練を行い、リョウを起こしに行った。一緒に朝食を取って、一緒に闘技場へ行こうと思っているのだ。


「こんこんこん、リョウー、朝だよー、起きてー」


「・・・」


「こんこここん、リョウー、朝だよー」


「・・うーん・・」


「こんこここんこん、ん、こんこん、リョウー、朝だy」


「うるさーい!」


不機嫌なレーコの声が響き渡った。隣の部屋だったらしい。


「・・おはよう、ジュンイチ」


「ぉはよぅ、ごはんぃこ?」


「分かった、先行っといて」


ジュンイチは、こそこそと食堂に向かった。メイドさんに朝食を2人前頼み待っていると、まだ完全に目が開いていないリョウが現れた。


「お待たせ」


「おはよ、レーコ不機嫌だね?どうしたの?」


「なんか夜中に作業しているみたいよ?」


徹夜で物作りをしているため機嫌が悪いらしい。しばらくはほっておこうと思うジュンイチであった。


朝食が済み、予定通り2人で闘技場へ向かった。近くでお菓子と飲み物を買い、観客席に移動する。午前の最初の試合が始まり、ぼーっと見学していると、兵士が1人近づいて来た。少しイケメンである。


「ジュンイチ、ちょっと行ってくるね」


「ああ、行ってら」


兵士の元へ行くリョウを、複雑な心境で見送るジュンイチであった。


結局リョウは、それから帰って来なかった。ジュンイチは1人寂しく試合を観戦し、午前最後の試合が終わるまで待っていた。それでも帰って来なかったので、ぼっち飯を食べ、午後の試合をぎりぎりまで観戦するのだった。


一応試合は真面目に見た。気になる戦士は何人かいた。決勝で当たる第1シードの魔法戦士と、準決勝で当たる第3シードのモンクはしっかりと観戦した。ただ、2試合ともあっと言う間にけりが着いてしまい、余り参考にならなかった。他の試合は似たり寄ったりで、特に目を引くこともなかった。


そうこうしている間に自分の順番が近づいて来た。ジュンイチは戦士控え室へと移動した。そこには3人の戦士が既に待機しており、一斉にジュンイチへと目線を動かした。一人「ちっ!」と舌打ちをする戦士がいたのでよく見ると、昨日ジュンイチに絡んで来た戦士であった。近寄らないようにジュンイチは入口近くで椅子に腰掛けた。


この控え室には対戦相手は来ない。反対側にある控え室にいるはずだ。この部屋の4人は目線を合わすこともなく、じっと瞑想するものと、少しずつ身体を動かす者に分かれた。30分も経った頃だろうか、兵士が入室し、移動を促した。


「これから本日第4試合を始める。各試合場へ移動せよ!」


それぞれが各試合場へ移動し、対戦相手と向き合った。ジュンイチの相手は第19シードの弓使いの、唯一の女戦士であった。遠方で倒せればよし、近寄れば風魔法で吹き飛ばす戦い方と聞いた。「始め!」の号令と共に、彼女は矢を射って来た。


ひらりひらりと回転しながら、射る矢を避けて行くジュンイチであった。そして、円を描く様に少しずつ相手に近づいて行った。


ある程度の距離になると相手も移動しながら、2本の矢を射て来た。矢筒から取り出される矢は尽きることがない。どうも魔道具の様である。もちろん矢が切れるのを待つ気はない。徐々に、徐々に、距離を詰めていく。


「くっ、ウインド!」


ある程度まで距離を詰められた女戦士は、焦ったのか風魔法を放ってきた。ジュンイチはまともに魔法を受け、宙を舞った。


宙に浮かんだジュンイチを目掛け、口元に笑みを浮かべながら、3本の矢を射る女戦士、


「ヒュン、ヒュン、ヒュン」


近距離から放たれる矢がジュンイチに近づく。


「カッカン、キーン」


偶然ジュンイチの持つダガーに3本共当たる。

そのままジュンイチは空中で女戦士に近づく。


「えっ?くっ、ウイン、きゃっ!」


魔法を詠唱しようとした右手首に、急に痛みが走った。

赤くなった右手首を左手で庇った瞬間、


「降参してください」


ジュンイチのダガーが女戦士の首に当てられたのであった・・・



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