48話
「俺っておじさんかなぁ?」
「当たり前じゃない、高校卒業すればみんなおじさん、おばさんよ。私は永遠のお姉様だけどねー」
ガイア城に集合し、今は報告会である。ちなみにジュンイチは寝ている。皆が揃う前、ユーマが愚痴を言うのをレーコがあっさり流したところであった。
「そんな当たり前のことは置いといて、さっさと報告して」
英知のスキルを持っているので人の心の機微にもさといはずだが、レーコは冷たかった。遅い時間なので少しいらいらしているのかも知れない。実はこの会合はユーマが持ちかけたものなのだ。
「ああ、愚痴を言って済まない。集まってくれてありがとう。今夜急遽集まってもらったのは、明日から重要な事が起こるからなんだ」
「闘技大会のことなら知っているわよ?」
「そう、その闘技大会のことと、もう1つは王族の事だ」
「国王が宰相に操られていることも知っているわよ?」
「それに関する事なんだが、実は今日第1王子に会ったんだ」
そして、ユーマはステファンに会ったことを話すのであった。
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「おじさん、助けてください!」
「分かったから、おじさんは止めてくれ。俺はユーマだ」
「ユーマさん、助けてください、お願いします」
「とりあえず座って話を聞かせてくれ」
ユーマは突然現れた少年を落ち着かせると、聞く体勢をとった。おじさんを連呼されたダメージは、少し目元に表れていた。
少年はステファンと名乗った。この国の第1王子だそうだ。ステファンは自分の事を幼少期から今日のことまで包み隠さず話し出した。
「父王がおかしいのです。あれは最早父ではありません。祖父も亡くなるまではそうだったと聞いてます。次は僕の番です。僕は恐ろしい。あんな風に成りたくない。助けてください、おじさん!」
「・・・だから、俺はユーマだって。今度おじさんって言ったら承知しないからな!」
「分かりました、おじ、ユーマさん」
「・・・はぁ、それでどうするつもりだ?」
「分かりません。まだ何も。ただ、僕には仲間がいないんです。頼れる部下も。おじ、ユーマさんに仲間になって欲しいのです」
「俺は城へは行けないぞ?この間、城の兵士をやっつけたばかりだしな」
「そうなんですか・・・」
明らかにしょんぼりとしたステファンを見て、ユーマは続けた。
「また明日やってこい。おじさんにも仲間がいるから相談してみるよ」
「ありがとー、おじさん!」
つい、自分をおじさんと言ってしまったユーマであった。
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「という事があってな、しばらくステファンについてやりたいんだが、どうにかできないか?」
回想シーンが長かった為、ケーゴとリョウは船を漕ぎ始め、レーコも大あくびをしていた。
「あふ、分かったわ、おじさん。明日までに認識障害の魔道具を作って置くから取りに来て。でもそうすると、闘技場の方をどう振るかだけど、ジュンイチとリョウに行って貰うことになるわね。頼める?リョウ?」
聞いているかどうか分からないが、大きく頷くリョウであった。
「ふう、取り合えず今晩は解散しましょう」
そう言って、三々五々解散した勇者一向であった。
翌日ジュンイチが爽やかに目を覚ますと、目の下に隈を作ったレーコが目の前に座っていた。
「ふう、やっと出来た。ジュンイチ起きたの?だったら私は寝るから、後の事をこの紙に書いておいたから、やっといてね」
そう言うとレーコは部屋を出て行った。衝撃的な顔を見たジュンイチは、しばらく固まるのであった。
レーコメモは走り書きをした様にかすれていたが、元々綺麗な字なので読むのは簡単だった。急いで書いた割には多くのするべきことが書いてあった。その為、以降ジュンイチは指示をこなすのに忙しくなってしまった。
「ああ、ユーマおはよう。レーコから魔道具を預かっているよ。使い方はつければ発動するらしいから」
「おはようケーゴ。レーコからの指示で、スター・ライトセイバーを捕まえて、スライムをテイムして」
「リョウ、おはよう。今日から闘技場の見張りをして。なるべく早く行かないと入れないみたいだよ」
矢継ぎ早にレーコの指示を3人に伝えるジュンイチであった。
「ジュンイチはどうするの?」
「僕は、これからハンター協会に行かないといけないみたい。後はレーコのメモを読んどいてー」
3人にレーコメモを渡すと、そのまま部屋を出てゆくジュンイチであった。
「・・・なになに?ユーマは魔道具を装着し、ステファンの執事になりなさい。王城の中を探り、情報を得ること。ケーゴはスター・ライトセイバーをとっ捕まえて、言うこと聞かすこと。スライム60匹全てテイムさせて置くこと。リョウは闘技場に見物者として入り、闘技場の建物内部を探ること。数人の兵士を幻惑させて、特に赤い石が置いてないかを確認すること。情報が集まり次第、レーコに連絡すること。みんなへの連絡はレーコから行う。ジュンイチは・・・闘技大会に参加することー?」
ジュンイチは獅子身中の虫になれと、レーコは指令を出したようであった・・・




