45話
ジュンイチは休憩室の兵士から、鍵束を取ると次の行動に移った。この収容施設の制圧である。
あまり時間を掛けられない。床上数cmのところを飛びながら、足音をさせないようにして索敵する。
出会った敵は、気づかれないうちに”凍らせて”いった。
収容施設は1万人を収納する位であり、端から端までかなりの距離があった。しかし、予想通り護衛する兵士は少ない様である。すっすっと飛び回りながら、接敵した兵士をどんどん凍らせていった。
そしてようやく収容施設唯一の出入り口に着いた。
獲得した鍵を用いて入口を閉める。更に
「フローズン!」
両手から冷気を出し、入口周囲を氷漬けにして人が出入りできないようにしたのであった。
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「なんだこのバリケードは!分断されてしまったぞ。ちくしょう、おい騎馬隊、貴様らは収容施設に行け!リオン様に報告するのだ。重歩兵はバリケードを崩せ!」
分断された護衛集団は、パニックになりながらも隊長の号令の元再び動き出すのであった。
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『おーいユーマ、手伝ってくれー。さすがに広すぎて無理だー』
「了解、今行く」
ジュンイチからの救援依頼がカウンターから響く。ユーマ達は自動車と護送車を連結し、現在トンネルを逆行している最中である。入って来た入口は既に壊してある。追って来るにも時間がかかるだろう。
「ケーゴ、ジュンイチからの要請があったから、先に行くよ」
「分かった、気をつけて」
「「「おじちゃん、ありがとー」」」
護送車からゴブリンの子供達の感謝の言葉が飛ぶ。もうおじちゃんと呼ばれるようになったのかと、少し寂しい笑みを浮かべて子供達に手を振り、闇に消えるユーマであった。
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「なんじゃと、収容施設が襲われたじゃと!分かった、直ぐ行く。まずいぞ、あの石を壊されたらわしは破滅じゃ」
収容施設襲撃の報告を受けたリオンは、明らかに取り乱していた。取るものもとりあえず、収容施設へと急ぐのであった。
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「ジュンイチ、お待たせ、向こうの方は確認したけど誰もいなかったよ」
「分かった、ありがと、じゃあユーマは捕まっている子供達の部屋の鍵を壊してくれ。僕は誘導するよ」
「了解、ムラサキシキライキリ丸!」
カチャンカチャンと部屋の鍵を壊して行くユーマ。
「「「おじちゃん、ありがとー」」」
「ふっ」
寂しい笑みを浮かべ、次々と鍵を壊して行くユーマであった。
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「あー、遅くなっちゃった。何とか間に合ったわね。あそこが収容施設ね?ふーん、頑丈そうだけど、何とかなりそうね。リョウ、予定通り私が防御するから言った場所を攻撃していって」
「分かったー、どーん」
レーコはリョウを運びながら、宙を飛んで、収容施設の上空までやって来た。
「あそこに人がいるぞ、弓隊、魔法職、攻撃しろー」
「無駄無駄無駄無駄ー!ウインドシールド!」
レーコはいつもの風魔法の防御壁を作成し、地上からの弓矢や火魔法攻撃を逸らしていった。リョウはレーコに指示された場所をファイアーボールで数ヵ所攻撃した。
「これで外壁は崩れるわ。ジュンイチ、そっちの状況は?」
『子供は全員避難した。後、ユーマが帰ってくれば『終わったよ、ジュンイチ』あー、今帰って来た。いいぞレーコ』
「了解、避難しといて。じゃあ、リョウ、やっておしまいなさい」
「わかったー、炎ちゃん出番ー」
『承知したー』
そして、収容施設は周りの兵士もろとも炎竜に飲み込まれながら、崩れ落ちるのであった。
収容施設が瓦礫となり、燃え落ちた後、カウンターから連絡が入った。
『レーコ、ケーゴが金剛棒で入口を示すから、入って来て』
「分かったわ、あれね?じゃあトルネード!」
瓦礫を取り除くと、トンネルへの入口が露出した。レーコとリョウは、そこへ赴くのであった。
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「遅かったか、おい、お前達、瓦礫を取り除くのじゃ!」
リオンが到着した時には、既に収容施設は全壊していた。
「リオン様、こっちに穴があります。氷浸けになっていて、入れません」
「今は置いておけ!それよりもこっちの瓦礫を取り除くのじゃ!」
若干焦りを滲ませながら、リオンは叫んだのだった。
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「レーコ、入口は閉じてきたよ。ユーマ、それ何だ?」
「施設を調べていた時見つけたんだ。レーコ、お前に渡しておく」
「リオンの赤い石ね、預かって調べて見るわ。じゃあジュンイチ以外は魔方陣に入って。後はジュンイチ、魔方陣を消しておいてね?」
「予定通りとは言え、その言い方なんかムカつくよなあ」
皆が魔方陣で消え去った後、魔方陣を破壊し、ジュンイチは最初に入って来た入口へと飛び去るのであった。
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「リオン様、地下金庫が見つかりました」
「おお、それでは皆少し離れておけ。おお、石は無事だったか。これさえ有れば何とでもなる」
「リオン様、小さな赤石が無くなっているようですが」
「衛士Aか、衝撃で壊れたか。まあ、こっちの石さえ無事ならばよい。とりあえずここを捜索しておけ。わしは石を安全な場所へ移動する」
「御意に。ところでこの後は如何致しますか?」
「ふむ、奥の手を使うしかあるまいな」
「最終計画ですね?」
「そうじゃ」
そうして赤い石を仕舞い込むと、リオンは王城へと帰って行くのであった・・・




