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僕らの冒険2  作者: じっつぁま
襲撃
44/61

44話



ジュンイチの朝は早い。


特に今日は作戦当日である。夜明け前に目を覚まし、固まった体を解きほぐす。疲れを残さぬよう軽く鍛錬を行った後、顔を洗い、簡単な朝食を取った。そして、レーコの隣でぐーすかぴーと寝ているじじいを背負い、ケーゴの作った洞窟まで空を飛んで行くのであった。


旧ダークエルフの居住区は、3方を急峻な山に囲まれた自然の要塞である。そして1方は、迷路の様な森の中に隠された交通路が存在した。他の出入り口はない。その為、森の出入り口さえ固めてしまえば、1国を攻め落とすような大軍でもない限り攻め入ることは困難である。収容施設はその居住区の中央に作られたのであった。


守りは堅く、出入り口は精鋭の兵士で固めてある。宙を飛んで来ようとも、それが多くの軍勢でもない限りは守りを崩すことはできそうもなかった。その為レーコはケーゴに頼み、数日前から収容所の真下まで、山の向こう側からトンネルを作成してもらったのであった。土魔法を得意とするケーゴでも1日やそこらでは、そこまでトンネルを作ることはできない。数日前から20Kmのトンネルを作っていたのであった。


「・・・待っていたよジュンイチ。ここが収容所の真下になる。後もう少しだけで収容所の床にたどり着くと思うよ。魔法陣はもう少し戻ったところに広間があるから、そこで作成してくれ」


「お疲れケーゴ。じゃあ、ケーゴは次の作戦場に向かってくれ。あっ、ちょっと待って、これ差し入れ。ドラゴン族のみんなからもらって来たから移動の時食べなよ」


「ありがとう・・・」


そう言ってケーゴは自動車に乗り込み、つぎの場所まで移動するのであった。


「はい、爺様、そろそろ起きろよ。仕事だよ」


「んー、飲み過ぎたわい。毒消しないかの~ジュンイチ」


「あーはいはい、言うと思って持ってきたから、これ飲んで頑張って」


「いつもすまないのー、ジュンイチ」


ジュンイチは肩からじじいを下ろすと、自分のポーチから毒消しを出し、2日酔いのじじいに飲ませるのであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



ユーマは森の入口、木の陰に昨晩から隠れていた。

息をひそめその時が来るのを待つ。もうすぐ向こうから護送集団がやってくるはずだ。

打ち合わせ通りならば、もう仲間は近くに来ているはずだ。しかし、もし間に合わなくても自分一人で仕掛けるつもりであった。


そこへ、護送軍団が姿を見せた。この道は1本道であり、幅が余りない。長い隊列を組み少しずつ近づいてくる。先頭は騎馬隊である。2列縦隊で整列された兵士は、みな金属鎧を装着し、身を固めている。柄の長い槍はお金がかかっているようで、するどい切っ先が光り輝いていた。


騎馬隊がユーマの前を通り過ぎる。そして、次に重歩兵が通り過ぎる。更に護送車を守っている歩兵も見送り、護送車でさえ通り過ぎて行った。ユーマはその時を待っているのであった。


そして、その時はやってきた。


「バリケード!」


高らかなケーゴの声が響き渡る。

続いて、どどどどどっという轟音が響いたかと思うと、重歩兵と護衛兵を分断するがごとく”山”が出現した。土が盛り上がり、大きな壁を成し、完全に騎馬隊、重歩兵と護送車は分断された格好となった。


「スモーク!」


今がその時、ユーマは闇魔法を唱える。周囲に黒い霧が立ち籠り、あたりは真っ暗となった。


「ムラサキライキリ丸!」


また少し呼び名が変わった刀の名前を叫びながら、ユーマは周囲の兵士を次々と切って行った。


「うおっ」


「ぐぷっ」


「ああー」


人数で言えばまだ100人程度はいたであろう護衛兵を次々と倒してゆくユーマであった。

そして、最後の一人が倒れた。


「ふっ、安心してください。峰打ちです」


ぷしゃーと言う音と共に護衛兵が倒れると


「ぱんぱかぱーん、ぱんぱんぱん、ぱんぱかぱーん・・・」


ユーマのカウンターが鳴り響いた。


「ん?あっ、峰と刃の向きを間違えた・・・。まあ、いいか」


所詮悪党の集団である。いずれ倒さなければならない。間違って殺生してしまったが、心の中で言い訳をするユーマであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



ジュンイチはカウンターでレーコの指示を待ち、ゴーサインを受け取ると、収容施設の床を目指しトンネル終点の天井を崩していった。頑丈な両手剣を作り出し、ざくざくと天井を崩すと、直ぐに床が現れた。耳を澄まし近くに誰もいないことを確認して、今度はのこぎり状に刃を変更し、床をくりぬいた。


くりぬいた穴から首だけ出すと、幸運なことにそこは物置部屋の様であった。音を立てないように宙を移動し、敵を探す。現在敵は見回りや森の守衛、護送車の護衛に大部分が配備されているので、収容所にいる兵士は少ないはずであった。それでも見つかり、騒がれると厄介である。慎重に施設内部を見て回るジュンイチであった。すると、ある部屋から物音が聞こえた。数人の兵士がおしゃべりしている様だ。部屋には休憩室と書いてあるようだ。少しずつ隙間を広げ、中の様子を確認する。


「リオン様も慎重だよな。この収容施設だったら、どんな軍勢が来ようと負けるわけがないのに」


「いや、慎重なのがすごいところさ。どんなに頑丈に作り上げようが、万が一にも破られないように考慮されているんだ」


少しの間しゃべっている内容を聞いていたが、あまり大した情報はなかった。予定通りの行動をとることにしたジュンイチであった。すーっと扉を開けて行き、


「フリーズ」


小さめの声でつぶやくと、ジュンイチは両手から冷気を放出した。

そして、部屋中の兵士を氷漬けにしたのであった・・・




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