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僕らの冒険2  作者: じっつぁま
救出作戦
39/61

39話



「レーコ、ケーゴ、ユーマ、この度は世話になった。いずれ借りは返さなければいけないが、まずは俺の話を聞いてくれ」


バンダルに呼ばれてサマルカンドの寝室に入ると、彼は語り出した。まず以前ジュンイチに話した内容と同様の、1000年前の事からだった。自分が異世界の王であったこと、ヒューマンに魔法を教えたこと、人魔大戦が起こったことを淡々と話していく。そして、自分がこの世界に送られた時の話を終え、最後に衝撃的な事を話した。


「俺をこの世界に飛ばした人物は、リオンと言う。彼は今でも生きていたんだ。あいつだけは殺さなければいけない。どうか手を貸してくれ」


魔王が皆の前で頭を垂れたのであった。


「リオンと言うのはヒューマン族に伝わる物語の英雄リオンのこと?」


「恐らくそうだろう。レーコが言っている話と俺が知っている話が同じかどうか知らないが、ヒューマン族にある時から伝わった物語の英雄はリオンという。その人物は実在し、俺をこの世界に飛ばした張本人だ」


「物語では、リオンは悪い魔族の王を討伐した後、5人のしもべも倒したことになっているわ」


「その話は知らない。後で付けられた話かもしれない。とにかく奴は危険だ。それ以上に自分個人のうらみがある。あいつを倒すのに力を貸してくれないか?」


「力を貸すのはいいけど、まずは情報集めね。気になるのはなぜ1000年も生きているかということね」


「俺が捕まっている間にやつから聞いた話では、俺の真似をしたそうだ」


「ということは、サマルカンド様の様に不老不死になったってことかしら?」


「真似をしたと言っていたが、完全に俺と同じ状態になった訳ではないと思う。今回俺が捕まったのは、俺と同じになりたかったのかもしれない。奴は赤い石を持っている。非常に力のある石だ。あれは危険だ。奴を倒し、石を破壊しなければ、あの世界は破滅してしまうと思う」


「・・・いずれにしても、もう少し情報が必要ね。ジュンイチやリョウの力も借りないといけないだろうけど、しばらくは彼らも忙しそうだし。私たちで情報集めをしようかしら」


「頼む」


こうして、打倒リオンに向けて、新たな作戦がスタートするのであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



「ジュンイチくーん、ノート見せてー」


「ジュンイチ、遊ぼうぜー」


「もう、ジュンイチ、もてもてじゃない」


「・・・これって、リョウのせいだろ?」


ジュンイチの再びの高校生活は、慣れないもて期のせいで、ぎくしゃくしたものとなった。こんな状況は今までなかったため、どのような態度をとれば分からないのである。ひくつく笑顔を張り着かせ、周囲に生返事をしながら、隣の席のリョウに愚痴を言うのであった。

ともかく、再度の高校生活は順調に過ごすことができた。身体は以前より動くようになり、周囲の視線も柔らかくなり、親しいリョウと過ごす時間は貴重なものとなった。


ただ、問題が3つあった。1つはステータスが上がり過ぎた事である。通常、ものを持つときには力をセーブすることが出来たのであるが、ノートを書くときに筆圧が強くなりすぎたのだ。シャーペンでは芯がぽきぽきと折れ、ノートを取ることが出来なくなった為、今は鉛筆を使っているが、非常に濃い文字しか書けない。リョウの時、綺麗なノートを貸してもらっていた周囲の人は、突然のジュンイチノートの不調により、借りる人が少なくなった。それはいいことであったが、以前よりノートを取ることが困難になったことは、勉強の妨げとなった。仕方がないので、リョウのノートを後でコピーすることとした。


もう1つもステータス上昇の理由で、体育の時間が問題であった。以前の自分の実力が分からなくなった為、どの位の力ですればいいか分からなくなったのだ。ある時にはふと、宙に浮きそうになり、慌てて転んだ振りをしてごまかしたほどだ。この世界に適応できるステータスの変更が必要と思われたので、今度レーコと相談してみようと思うジュンイチであった。


最後の問題は、


「おー、佐藤、つらかせやー」


DQN3人組であった。

毎日毎日絡んでくる。とにかくしつこい。

以前のことがあるので、暴力に訴えることはなくなったが、帰宅部のジュンイチの時間を把握しているようで、暇なのかいつもいつも校門で待ち伏せしているのだ。力で来られても、もはや敵ではないのだが、はっきり言ってうざい。今日はどうにかしようと思って、いつもは回り道をするのをやめ、話し合いをしようと思っている。


「あー、ワタル君だったよね。行くのはいいんだけど、ちょっと話があるんだ」


「なんじゃぁ、つまらん話しだったらしばくぞ」


「変な話をワタル君にするんじゃないぞ」


「そうだそうだ」


「いや、結局ワタル君たちは綾波様の応援団だよね?」


「・・・アヤナミグループだからそうだ」


「それなら、やっぱり応援をしないといけないよね?」


「そりゃそうだ」


「だったら、応援しに行こうか」


「「「・・・」」」


「ほら、うちの学校って応援団がないじゃん。今綾波様はフェンシング部で頑張っているから、応援団作ろうよ。きっと喜ぶよ」


「おう、そうだな」


「それもそうだ」


「そうだそうだ」


「ということで、応援団に必要な物品を考えてきたんで、渡しておくね」


そういうと、ジュンイチはワタル達に1冊のノートを渡した。中には、アヤナミ様応援団必須条件と銘打った、漢心を揺さぶる文言が書き連ねてあった。


「応援団設立の為に教師のところに行くときには力になるからねー」


そう言って、ノートをのぞき込む3人を放置して、ジュンイチは帰路に着くのであった・・・



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