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僕らの冒険2  作者: じっつぁま
会合
29/61

29話



「愛してるわ、ユーマ」


「僕もだよ、ソフィア」


ここはガイア王城、ソフィアの部屋である。

真昼間から愛を育んでいた2人であった。


ここのところガイアは平和であった。

魔王の脅威もなくなり、魔物の町への襲撃もなくなったことでユーマやソフィアの仕事がとんと減ったのだった。もちろんフィールドの魔物が減少したことによって経済効果の圧迫もないことはないのであるが、ダンジョンが増えたことによる魔石の増加によって、経営は成り立っているのだ。


兵士達は職を失うこともなく、ユーマとソフィアだけ、暇な時間が増えることになったのである。そこには王の温情も加味されていた。つらい思いをした年月を癒すべく、しばらくは余裕ある生活を過ごして欲しいとの思いから、ここ数日間はべったりの生活を続けていた2人であった。


「愛してるよ、ソフィア」


「私もよ、ユーマ」


同じ事を繰り返す2人。はたから見ていると飽きないのだろうかと思う様な状況を続けているのであった。

その時、見つめ会う2人の元へ、邪魔が入るのであった。


こんこん、「ソフィア様、よろしいでしょうか?」


「・・・はい、いいですよ」


がちゃっ、「失礼致しますソフィア様、ユーマ様に伝令が参って居ります。通してもよろしいでしょうか?」


「僕に?ここで聞いてもいい内容?」


「問題ないと思います。レーコ殿からの伝令ですから」


「分かった、通してもいいかい?」


「いいですよ、どうぞ」


ソフィアの承諾の元、伝令が部屋へ入り、ユーマへ手紙を渡す。


「こ、これは」


手紙を開封し、その内容に驚きの表情を浮かべるユーマであった。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



バンダルと会合した後の動きは速かった。

まずは、”門”を作成する為にエルフの里へ向かうことになった。エルフの里は他の種族を排他する為に、結界が施されているのだ。現段階では”門”は隠されている方が都合がいいため、エルフの里の結界内部に作成することとした。


「という訳で、私と爺様、ケーゴとリョウはエルフの里に向かうわ。ジュンイチは王都に居残りね」


「いや、どういう訳か意味不明だし。なんで僕だけが居残りなんだよ」


「私と爺様は門の作成に必要だし、ケーゴも作成の素材を産出するのに必要なの。リョウはそろそろ一度向こうに帰った方がいいし、ジュンイチは居残りね」


「いや、だからどうして僕だけが居残りなんだ?」


「そりゃ金稼ぎと、王城の見張り、もし7日後の会合に私たちが間に合わなかった時の為よ」


言ってる意味は分かる気がするが、納得できないジュンイチであった。


「ジュンイチ、私が一度日本に戻って、学校の先生やジュンイチのお母様に説明しておくからね」


「・・・うん、分かった。スキル使うの?」


「学校の先生には使おうと思っているけど、お母様には使わずに説明するよ」


母親にも使っておいて欲しいなっと思いながら、リョウにうなづくジュンイチであった。


こうして、レーコ達はエルフの里へ行ってしまった。

ジュンイチはまた一人ぼっちになってしまったのである。



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



「絶好ちょー。いやあ、やはり清掃後はすがすがしい気分だよなー」


レーコ達が去ってから、ばりばりトイレ掃除を行うジュンイチであった。

翌日からの清掃件数は、1日に午前4件、午後6件をこなしていた。レベルアップしたためMP量もSP量も増えたため、今はトイレを締め切り、食器洗浄機さながらの清掃法で行っている。こだわりの部分は、洗浄する水はほぼ熱湯に近い温度とし、一旦隅々まで洗浄後、頑固な汚れだけを強圧水流で落としているのだ。この方法を編み出してから、また一段と清掃時間の短縮および綺麗度のアップが図られたのであった。


「よーし、それでは次のトイレだー。レッツゴー」


半ばやけっぱちな部分もないことはないのであるが、てきぱきとトイレ掃除を終わらせてゆくジュンイチであった。本日のトイレは大きな会社の同じ建物であるため、移動時間が短くて済む。レンガ造り3階建てで1階に4個もトイレがあるという作りになっているため、本日の作業は12個のトイレであるが、1個のトイレに付き30分で清掃が完了する為、現在正午を回ったところで半分以上が終了している。


「今日はもう少し頑張っちゃおうかなー」


鼻歌を歌いながら、清掃を続けるジュンイチであった。

今日はレーコ達と別れて5日目、明日はバンダルとの会合の日だ。予定では今日にはレーコ達が帰って来るはずであるが、”門”の作成に時間がかかったり、他の状況次第では明日ジュンイチ1人でバンダルと会うことになるかもしれない。いや、ほぼそういう状況になるだろうなと思っているジュンイチであった。情報漏洩の心配から、会合場所は前回と同じ高級料理店の個室にしたのであるが、予約は現在2人としている。もしレーコ達が帰ってきたら追加した方がキャンセルより安いと思ったのであった。


「よーし、本日の清掃終了ー」


追加で2件のトイレ清掃を終了し、清掃会社に戻るジュンイチ。現在まで50万Gを稼ぎ出しているはずだ。今日が7日間の給料日となるので、ルンルンで会社に戻った。


「ジュンイチ君、よく頑張ってくれた。評判がよくて助かっているよ。これ給料、色をつけておいたよ」


「ありがとうございます。わあ、70万Gもありますが、いいんですか?」


「非常にきれいにしてくれたおかげで仕事が増えてね、ボーナスさ。明後日からも来てくれたら助かるよ」


「前にも言いましたけれどそれは保留でお願いします。もし働くのであれば明後日早朝に出向きますので」


感謝の意を会社の社長に伝え、ジュンイチは1人で夕食を済まし、宿へ戻った。

宿の主人に鍵をもらい部屋へ帰ろうとした時、宿の食堂の隅で全身に影を伴った人影が目についた。

それは・・・立花優馬であった・・・



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