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僕らの冒険2  作者: じっつぁま
蠢き出す
27/61

27話



「そうだ!お城へ行こう!」


「急に何言い出すの?ジュンイチ」


「そうじゃそうじゃ」


「いや、そろそろ王城に行く頃かなと」


「もう少しのんびりしましょうよ。この町の居心地もいいし」


「そうじゃそうじゃ」


「いやだって、トロールキングを倒したら獲物が少ないじゃん。お金も若干足りないし」


そろそろバンダルからも連絡があるころだろう。トロールキングを討伐して、若干足りないが懐も温まったジュンイチは、レルネの町を離れることを相談した。しかし、レーコとじじいはなぜかこの町を気に入ったようで、動きたがらなかった。


「じゃあ、僕とリョウだけ行くことにするよ。レーコ達はこの町にいてもいいから」


「じゃあお金は置いて行ってね」


「全部渡すと僕らの生活費がなくなるから、700万だけ渡すよ。きちんと借金は返せよ」


「ぎくっ、いやねー、ジュンイチ。そこらへんはきちんとするわよー」


「・・・借金を踏み倒してガイアに戻ろうとしないようにね」


「ぎくっぎくっ、いやーねー、そんなことはしないわよー」


「おお、そうじゃそうじゃ」


「やっぱり信用できないから、ケーゴに渡すよ」


「えー、だったら一緒に王都へ行くわー」


こうしてジュンイチ達は、しばらく滞在したレルネの町を離れることになった。

その日は世話になったモーリンやオッズ、カリムに別れの挨拶をして、数日の食材を購入した。翌日の朝王都に向け出発となったのだが、


「僕たちは飛んで行ってもいいけど、レーコ達はどうするの?っていうか、どうやって来たの?」


「じゃんじゃじゃーん・・・、爺様あれ出して」


効果音をつけるなら前もって出しておけよっと心の中で突っ込みを入れた。


「ほっほっほっほ、そりゃ出すぞ、しゅわっちゃわーっ」


変な効果音と共にじじいが出したものは・・・



車であった。


「どうしたの?これ?この世界には車があるの?」


「そうなのよ、まだ王族や高位の貴族しか持ってなくて、しかも性能がいまいちだったから実は作ったの。すごい凝ったのよー、これ。ほらこの世界って舗装技術は進んでないでしょ?普通の車なら振動が激しくてスピードも出せないけれど、サスペンションに風魔法を付与して乗り心地は最高だし、私たちの世界の車でもまだ搭載されていない自動運転装置もつけたのよー。エネルギーは魔石を使用しているんだけど、なんと自動MP吸収装置もつけたから、ほぼ永久的に動くわよ。ふふーん」


「・・・それで、いくらかかったの?これ?」


「えっ・・・、いやそんなに・・・」


「ざっと900万Gじゃ。やすかろう」


一瞬ぎくっとなったレーコの隣で、一緒に作ったと思われるじじいが胸を張った。

これが借金の理由であったらしい。恐らく素材なんかも買いたたき、相当無理を言って作ったことが予想される。スポンサーとなった人々に、憐憫の情を感じるジュンイチであった。


「・・・はぁ、分かった。じゃあみんなでこれに乗って行けばいいね」


「えっ、駄目よ。これ4人乗りだから、ジュンイチは無理よ」


「なんでだよ!僕一人で別行動させようっての?」


「ジュンイチは飛んでいけばいいじゃない。疲れたら、この車の上で休んでもいいわよ」


車はワンボックスカーで、空間魔法などは付与できなかったようだ。昔の軽自動車程度の大きさなので4人乗ってもぎゅうぎゅう詰めの様だ。ジュンイチは仕方なく、車の屋根に座布団を固定し、時折車の屋根で休むこととした。


車は走る、運転者もいないのに。

魔石にプログラミングを行い、風魔法の自動検知システムを搭載させ、目的地を入力させれば自動走行する様だ。レーコは自動操縦に切り替えると座席を後ろに回し、リョウや爺様、ケーゴと飲み物片手に雑談を始めた。


ジュンイチは見晴らしのいい時は屋根に座り、森などに入った時には宙を飛んだ。

SPの量はもはや2時間程度の飛行は可能となっているので、休憩もほぼいらないのだ。この辺りでははぐれビーストが出るくらいで、ほぼ敵との遭遇もない。天候は晴れ、初秋の空も飛ぶには最適であった。


「おーい、ジュンイチー、氷がないぞー」


「飲み水が少なくなったわよージュンイチ。さぼらないでねー」


「うるせぇ!何贅沢言ってんだ。人を使ってんじゃないぞ!」


「ごめんねジュンイチ。疲れてない?」


「ああ、リョウ、水筒出して。氷水入れとくね」


明らかな区別をするジュンイチであった。差別ではない、区別である。


「差別じゃ差別じゃー、ジュンイチわしにも氷をくれー」


文句をいうじじいとレーコを無視して、窓から水筒をリョウに手渡すジュンイチであった・・・


流石にレーコ作の自動車であり、ほんの数日で王都に着いた。

王都は以前と変わり映えもなく、多くの人々が行き交っていた。車で移動すると非常に目立つので、歩いて移動することとした。楽な自動車でも流石に疲れたらしく、レーコやじじいは宿に行きたがったが、まずはハンター協会へクエストや最近の状況の確認をしに行くジュンイチ達であった。見慣れた雑貨屋を曲がり、ハンター協会本部へ着く。現在は昼過ぎで、ちょうど混み合ってない時間帯の様だ。受付嬢は3人いたが、1人は空いておりそこへジュンイチは進んだ。


「あの、ジュンイチと言いますが、最近のクエストなんかの質問したいのですが」


「ライセンスの提示ありがとうございます。ジュンイチ様ですね、ちょっと待ってください、ジュンイチ様宛に言伝があります。見覚えはありますでしょうか?」


ライセンスを提示しながら質問したジュンイチに、バンダルから連絡が来ていた様だ。


「ああ、知り合いです。ありがとうございます」


手紙をしまい、数回の質問をし、教会を後にした。

宿を取り、みんなの前で手紙を開封し、中身を確認すると、


「サマルカンドの居場所が分かったらしい」


そこにはガイアの文字で、サマルカンドの状況を書き連ねてあり、一度直接会って欲しいというバンダルの依頼があったのだった・・・



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