25話
「こっちの世界って、なんかきな臭いのよねー」
結局レーコ達が来たのは3日後の朝であった。
カウンターで連絡した後、直ぐ出発したそうだ。しかし、ジュンイチは追い出されたんだなっと思った。
「だから、繋ぐ門を目立つ場所に作るわけにもいかなくて、悩んでるのよー」
ケーゴは目をそらし、じじーは話に参加していなかった。
レーコの話は正しいと思うのだが、それだけが理由という訳でもなさそうだ。
「それで、どうするの?」
「うん、まずはいつも通り情報のすり合わせからしようか。そっちの情報も教えてくれる?こっちも少ないながら情報と、考察を述べるわ」
「分かった。まずはやっぱり僕の話からだよね」
ジュンイチは門をくぐってからの話をかいつまんで話していった。ところどころレーコの質問が飛んで来たので、そこは詳しく説明した。ゴブリンの娘を助けたことから始まり、シュリの町に行ったこと。そこで下水道作業をしながら、ゴブリンの現場監督に英雄の魔道具を指摘されたこと。それからお金稼ぎをしながらレベルアップをして王都に行き、リョウに再開したことを話した。
「レベルアップすると翌朝ひどい筋肉痛になるんだけど、どうしてかな?」
「あー、それはカウンターのせいね。寝ている間に強制的にカウンターからステータス増強の作用が出るから、身体に影響が出ちゃうのよ。それで、この世界に来てから新しいのを作ったわ。これに交換して」
「これに変えるとレベルアップ痛にならないの?」
「少しずつ、ステータス増強作用を流すようにしたから、以前よりひどくないはずよ。それに私の”癒しの風”の効果を混ぜておいたから、ポーションを使わなくても大丈夫なはずよ。しかも、レベルアップ時には派手なファンファーレが流れるようにしておいたわ」
「いや、最後のははずせよ!」
流石レーコである。無駄に高い知性で、無駄なことに力を注ぐところは変わってない様だ。しぶしぶ、ファンファーレの機能だけは外すことを了承したレーコであった。
「じゃあ、改良の代金は500万Gでいいわ。リョウのと合わせて1000万Gね」
「いや!高いよ。なんでそんなにするんだよ」
「だって、それ位かかったんだもん」
「本当か?ケーゴ?」
目をそらすケーゴであった。
「そ、それにジュンイチにはワイバーンの貸し賃がまだ残っているはずよ。それも合わせてその値段でいいわよ!」
「・・・前にいたところで、飲み食いしすぎて借金でもしたんじゃないのか?」
「ぎくっ。そんなことはないわよ。ただ、少し長老に泣かれただけよ・・・」
「はぁ、分かった。明日からみんなで狩りだな。レーコ達もレベル上げするんだろ?」
「いや、わしはせんぞ。わしはしてもレベルが上がらないしのぅ。のんびりこの町で門の作成の構想でもねるわい」
「私もしないわよ。なんと!そのカウンターにはパーティーモードを付けたの。ジュンイチ達が経験値を稼げば、私たちもレベルが上がるのよー」
「なんじゃ、そりゃー」
だがしかし、なんだかんだと結局押し切られるジュンイチであった。
「あぁ、分かった、分かった。僕とリョウで狩りを続けるよ。その間に情報収集を頼むね。それから話の続きだけど、この世界でサマルカンド、魔王に会ったんだ。サマルカンドは今王城に捕らわれているそうで、バンダルが助ける為情報を収集しているんだ。その内僕らに助けを求めてくることになっている」
「・・・ふーん、そぅ?少し厄介なことになっているようね。その件についてはちょっと考えさせてね。もう少し情報が欲しいわ」
という訳で、ジュンイチはリョウと再びトロール狩りを続けることになったのである。
ケーゴは連れて行くと機動力が落ちるので、レーコ達の護衛を名目に残すこととした。
この日までにこつこつとためたお金が、2人して150万Gとなっていた。しかし、レーコの借金を返済するためには後850万G足りない。思い切って100万Gの報奨があるクエストを受けることとした。
「という訳で、モーリンさん。高値のクエストを受けたいんですが」
「なにがそういう訳か知りませんが、高額のクエストは今のランクでは受けれませんよ?」
「やっぱりAランクにならないとだめですか?」
「ええ、しかもジュンイチさんたちはついこの間Bランクになったばかりなので、しばらくは無理でしょうね」
「ちなみに高額のクエストって何ですか?」
「トロールの王、トロールキングの討伐です。周りにはジェネラル、ナイト、メイジに囲まれており、難易度は一気にAランクまで上がります。ただ一度討伐されると数年は大人しくなりますので、上からの依頼度も高いのが現状です」
「もし、僕らがふと討伐しちゃったら、どうなるんですか?」
「・・・Aランク以外が討伐した場合、それが偶然であればちゃんとクエスト報酬が出されます」
「そうですか。偶然キングに出くわしたら、討伐してもしょうがないですよねー」
「・・・そういうことですね。職員にはクエスト受注はAランクからということしかお達しがありませんので、”偶然”討伐された場合は、きちんとした報酬を差し上げます」
「分かりました。ありがとうございました」
「くれぐれも無理をしないように気を付けてください。なお討伐証明は、それぞれによって部位が違いますから、パンフレットをよく読んでおいてください」
そういうとモーリンはパンフレットを一部ジュンイチに差し出すのであった・・・




