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僕らの冒険2  作者: じっつぁま
蠢き出す
21/61

21話



「サマルカンド様が、捕まったってー?」


「はい、どうも王都から追っ手が来ていた様で、まだ元の力を取り戻せていないサマルカンド様や、私の実力では太刀打ちできませんでした」


追っ手は気配を消すことが秀逸なもの達で、気付いたときには取り囲まれていたらしい。バンダルが気付いた時には最早、サマルカンドは護送車に閉じ込められており、王都まで追ってきたらしい。


「サマルカンド様は、王城に幽閉されている様です。私は助け出す為に、ハンターライセンスを取ることにしたのです」


「ん?何で?」


「ハンターライセンスの特権には、様々なものがあるのですが、その1つに王城登城の権利があるのです」


ハンターライセンスを取得できれば王城に入ることも、王城勤務の兵士になることもできるらしい。可能ならば王城勤務兵となり、期を見て救い出そうと思ったそうだ。


「サマルカンド様が捕らえられた理由は、今は定かではありませんが、よくない雰囲気があります。そうでなくても、私はサマルカンド様を助け出したいと思っています。つきましては、誠に身勝手ではありますが、ジュンイチ様達にも手伝って頂けたらと思うのですが」


「どうする?」


「いいんじゃない?」


「分かった、手伝うよ」


非常に軽いのりのジュンイチ達であった。


「でも、どうすればいいのか分かんないよねー」


「まずは私が王城で情報を集めますから、サマルカンド様奪還の方法はその後にご検討させて頂けたらと思っています」


「そうねー、その内にレーコ達も来るから、一緒に検討すればいいよねー」


「そうだね、ケーゴやじじいも来るだろうし、ユーマもつれてくれば何とかなるだろうし」


「逃げ切れなかったら、いったんガイアまで逃げてもいいしねー」


「ありがとうございます。また、しばらくしてから連絡させて頂きますので。お礼も必ずさせて頂きます」


食事が済み、バンダルと別れて宿に戻ったジュンイチ達であった。

翌日は、ハンターライセンス試験最終日であった。

最終日まで残った人数はそれでも80人程度おり、ジュンイチ達は口頭諮問までの間別の部屋で待たされることになった。軽食や飲み物はバイキング形式で勝手に取ることが出来るようになっており、それぞれが適当な席に座って飲み食いしながら時間を潰していた。


ジュンイチはリョウと共に1つの席を占領し、軽い飲み物を飲みながら順番を大人しく待っていた。

ここまで来るとほとんどの人が礼儀正しいもの達の様で、大人数にも関わらず部屋は図書館の様に静まりかえっていたのだが、


「おいおい!いつまで待たせる気だい!こっちは忙しい身分なんだよ、早くしてくれー!」


クレーマーはどこにも存在する様だ。

静けさを打ち破る発言に、皆が一斉に振り向いた。

一気に注目の的になったクレーマーは調子づき、ますます大声で怒鳴り出す。


「ここまで来たら、通ったと同じことだろう?時間がもったいないじゃないか。さっさと俺の番にしろよ!」


他の受講生の対応は様々だった。明らかに無視を決め込むもの、何かあれば対処しようと身構えるもの、諭そうとして立ち上がるものなど。そして、ジュンイチはこちらに害があれば対応しようと身構えていたのだが、


「あの人試験官だよー」


リョウが大きな声で話し出した。


「試験官なのにあんなこと言うなんて、変だよねー」


「・・いや、俺は試験官なんかじゃないぞ。ハンターライセンス受験生だぞ!」


「だって見たもん。確か予備試験の時、会長とか他の試験官と一緒にいたよね?私人の顔を覚えるのは得意なんだよー」


なんてことでしょう!

口頭試問とは名ばかりで、これが最終試験だったようだ。クレイマーに対する対応によって、最終試験を行うつもりであった様だ。看破された試験官はまだ四の五の言っていたが、もはや相手にする者はいなくなってしまった。ついに、その人はこの部屋から出て行ってしまった。


「すごいねリョウ、よく分かったね?」


「ああいう、悪口を言う人には無意識にスキルが働いちゃうんだよ。でもあの人からは悪意を感じなかったから、悪口を言いたくて言っているわけじゃないってことが分かったの。それで、顔を思い出したんだー」


その後は特に雑音もなくなり、静けさの中で口頭試問を待つ受験生だけとなった・・・



*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*:;:*



「会長、どうしましょう?失敗してしまいました」


「ふーむ、他の先生方はどうおもわれますか?」


「追加の試験も日程的に難しいですし、ここまで通過した受験生は皆合格とするしかないと思いますが」


「私もそう思います」


隣の部屋では試験官が集まって、合否の判定をしていた。その部屋では隠しモニターの画面が移っており、音声も拾っていた。

結局ここまで残った受験生80数名は全員合格となったのである。



「それでは、ハンター試験合格の皆様にライセンスの贈与と、ハンターとしての権利・義務についての講習を始めます。ライセンス贈与は講習終了後に順番に行いますので、講習が終了しても呼ばれるまではこの部屋で待っていてください」


全員合格の報告が最終試験官から言い渡された後、一番最初に司会として話した協会組員の方から説明が始まった。

ハンターの権利とは多岐に渡るが、そこまですごい権利を持つものではなく、ジュンイチ達の世界で言えば運転免許証の様なものであった。例えば貴族とのいざこざがあった場合、ライセンスがなければ一方的に負けることがあるが、ある場合は正当防衛としての権利が行使できるとか、ビーストを狩った場合、その剥ぎ取り証明や素材を引き取ってくれるなど、ガイアの世界の冒険者プレートと同じ様なものであった。


違いは、王城への登城許可証の代わりになったり、王様への謁見許可が下りやすいなどが挙げられた。また、金融機関でローンを組むこともできるそうだ。その代わり、王都へのビースト攻撃など有事の際には招集義務が生じるらしい。詳しくはマニュアルを参照してくださいと締め括り、講習は終了した。


ジュンイチ達はその後、初のハンターライセンスを手にすることとなったのである・・・



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