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僕らの冒険2  作者: じっつぁま
再会
17/61

17話



「よっほーい」


ジュンイチは空を飛ぶ。

希望を胸に空を飛ぶ。

現在ジュンイチは、王都に向けて移動中である。ステータスアップのお陰で15分程度は空中移動ができるようになった。SP枯渇前には地上に降り、そのまま道を突っ走った。馬車に乗るより速い移動方法であるが、それでも10日程度はかかるであろう。ハンター試験予備審査日までぎりぎりと思われる。


結局ジュンイチはレベル20となった。

レベル13となった次の日はビースト2匹、その次の日は4匹、その次の日は8匹でレベルアップできた。上がって来るステータスのお陰と戦闘における慣れで、徐々にビーストとの戦いは楽になってきたが、その分レベルアップまで数を稼がなくてはならなくなった。最終250匹を倒したあたりで包丁の8本目が折れ、レベル20で王都を目指すこととした。森に来てから10日目のことである。


予備審査日まで残り13日位、受験申し込みの手続きや宿の手配、お金も心もとないので数日のアルバイトなどを考えるとぎりぎりのところではあるが、まあ、受けれなければ受けれないであまり気にならない。ハンターライセンスのメリットを知らないので、ハンターにならなくてもいいやと思うことであろう。それよりも王都とはどんなところなのか、おいしいものはあるんだろうかという期待感の方がジュンイチの心を占めていた。


「ほっほーい」


何度目かの跳躍の後、さすがにくたびれて休憩を挟むことにした。


「はっはっはっ、ちょっと調子に乗り過ぎたかな?息切れがする。少しきゅうけーい」


革の水筒に水を作成し、一気にあおる。


「ぷはー!生き返るねー」


じじくさいジュンイチであった。

本日の天候は晴れ、すがすがしい秋晴れである。王都に続く道はある程度整備されており、時々馬車などを見かける。現在ジュンイチは道から外れた小高い丘に座って、時折通る馬車を眺めたり、近くを流れる川に目を向けたりして、秋の気配を満喫しているのだった。


「さて、飛ぶか!」


休憩を終了し、再び空中に身を投げ出すジュンイチであった。


王都までの道のりでは、馬車でほぼ2日に1回宿泊できるように町や村が点在する。ジュンイチは馬車の約1.5倍程度のスピードで移動しているので、町で宿泊できる機会が余りない。実際は2回程度町に泊まれるのだが、お金も心もとなかったので携帯食だけ購入し、やはり野宿をした。風呂などは水魔法でシャワーを浴びることで凌いでいた。


そして、最後の野宿を終え、目の前に王都が見えてきた。


「・・・これが王都かー」


ガイアの王都は魔王襲撃に備える為、高い防壁が周りを囲っており、中世の雰囲気が漂っていたが、サマルカンドの王都は地球の都会に雰囲気が似ていた。特に防壁はなく、衛兵も警察の様ないで立ちで、拳銃の代わりにバスターソードを携えていると言った感じであった。高層ビルは流石に見当たらないが、それなりに高い建物が立ち並び、立派な街道は馬車が4列は並んで走れるくらいの幅があった。街路樹が植えてあり、理路整然とした街並みが見渡せた。そして遠くの方にひときわ目立つ王城が存在した。


「さて、どうしよう?」


旅と野宿の影響で埃まみれとなった自分の身体を見渡し、お巡りさんに話しかけるのもためらわれたジュンイチは、お上りさんの雰囲気で道の端を歩いて行った。


「何はともあれ、おいしいご飯だよな」


安くて、汚くて、ジュンイチが入れる店で、おいしそうな食事処を探しながら歩いていく。ふと目に着いた屋台からいい匂いがしてきた。屋台であれば断らないだろうと思い、近寄ってゆく。時刻は昼前に差し掛かかったところで、まだ食べている人はいない様であった。


「こんにちは、やってますか?」


「へいらっしゃい、食べて行くかい?」


「何があるんですか?」


「初めての人かい?この店では小麦焼きを出しているよ。好きなトッピングを言ってくれたら、乗せてあげるよ」


お好み焼きの様だ。日本と同じ味かどうか分からないが、香ばしいソースの匂いがする。


「値段はいくらですか?」


「だいたい1個500から1000Gだよ。トッピングによって値段が変わるけどね。今はいかが安いから600Gでいか乗せができるよ」


「じゃあ、それ1個下さい」


「あいよー、ちょっと待ってなよー」


気のいい屋台のおっちゃんだった。まあ屋台のおっちゃんてどこも気がよくなければ務まらないのかも知れないのだが。ついでにハンター試験の場所を教えてもらいながら小麦焼きを実食した。ピリ辛ソースで日本のものとさほど違いはなく、久しぶりに故郷のうまい食事を堪能したジュンイチであった。


「また寄っておくれー」


これなら毎日でも食べれるなと思いながら、試験場に向かうジュンイチであった。

また、道の隅をこそこそと歩いていると、横を大きな馬車が通り過ぎた。と思ったら、少し進んで止まった。中から出てきた人物は・・・


「ジュンイチー、会いたかったー」


リョウであった・・・



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