小話1 犯人は大体東野
茨木さん雨の日アゲイン
俺の名前は矢島弘、前回玄関で茨木さんに逃げられた、いち男子高校生である。
だが天は味方した!放課後、雨の日の玄関、佇む杏さん。
またこのシチュエーションが再現されているのだ!また走り出そうとしている彼女に声をかけなければと、俺ははやぶさが餌を掴むかの如く声をかけた。
「い、茨木!今から帰るのか?」
「?、去年同じクラスだった矢島くんだっけ?そうだけど」
「傘もってないのか。よければ俺の傘に」
「持っているけど?」
「えっ?」
「えっ、何か問題でもあった?」
「ないけど。じゃあ、なんで今雨の中走ろうとしたんだ?」
「そんなの、雨の日に走るのが気持ちいいからに決まっているじゃない。」
よどみのない綺麗な瞳で言われた俺はそのまま彼女が走っていくのを見送ってしまった。
後から考えてみて、雨に浮かれて喜ぶ小学生か!とツッコミたくなった。
折り畳み傘は登校用らしい。
補足*茨木ファンクラブは危険がない限り他者の行動を規制したりはしません。ただ逐一報告はされています。
矢島君はつっこみ気質。おそらく暫くは登場しない。
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委員会決定後
東野の家にて
「なんで杏、お前まで図書委員なんだよ。空気を読めよ。」
「読んだ結果の行動ですがなにか?似非王子さん。あとあなたの部屋、日に日に望月さんの写真で埋まっていって怖いっておばさんが言っていたわよ。」
「しょうがないだろ望月さんが可愛いのだから。ああ、出来るなら俺の腕の中で正常な判断が出来なくなるまで甘やかして監き「お死になさい」んしたい!」
「遮ったのだから最後まで言わないでよ!望月さんが18歳になるまではR18の展開にはさせないからね。」
「その後はいいのか。お前はほんと中途半端に論点ずれるよな。」
彼氏どころか友達がいたことない茨木、幼馴染である東野が異常なのはなんとなく分かるが、比較対象がいないため、どの程度危険なのかが把握しきれていないため、何気に望月の用心棒には向いていない。
ちなみに東野は自分が異常なことも全部分かった上で自重していない。半面、本人がいなくても未だに望月の名前が恥ずかしくて呼べない一面もあり。
補足*学校では苗字呼び、家では名前呼びである。
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一緒にお弁当後
茨木宅にて
「俺は今ほどお前を殺したいと思ったことはない。」
「来て早々なんなの?あなたの王子様気取りがアダになったわね。望月さんがあなたのファンのこと気にしない筈がないでしょう。」
「ああ今回のことで身に染みた、もう捨てる。」
「なにを?」
「群がる女。役に立つかと思ったけど邪魔だ。」
「ほんとうに救いようがないわね。ふふ、明日からずっと望月さんとお弁当ふへへへへへ。」
「その顔でその笑い方はやめろ。きもい」
浮かれていて大事な話を適当に流す茨木。
2人の会話ではよくあることらしい。
補足*2人の家は隣同士なので簡単に行き来できる。
本人達も友達というより兄妹の感覚。
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ある日の図書当番(3人Ver)
「茨木さんと東野くんって付き合っているの?」
「ないわ。あんなヤバイ男は好きにならない」
「うんない。たとえ世界で2人になったとしても絶っ対に手は出さない自信がある。」
「あ、そっすか(まじでないんだな。)」
恋愛感情はないようだ
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3話より
石田を脅した東野、今後また望月さんと触れ合うようならお前のあることないこと茨木に言うぞ、なんて内容で脅した。暴力は後が残るから基本しないらしい。
その後、事態を把握した茨木が東野に送ったメール
『望月さんが石田君について心配している。望月さんを不用意に傷つけるようならあんたの悪行全部ばらす。あと楓の部屋の写メ望月さんに見せるから。』
東野の部屋は一面中望月の写真とグッズで溢れている。
慌てて石田に電話で、会話するぐらいならいいと連絡。
脅し方がさすが幼馴染、そっくりである。
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1年生の夏休み前
東野に呼び出された石田
「石田君いまちょっといいかな?」
「ああ、別にいいけど。」
「石田君の事前からいいやつだなって思っていてさ。君、茨木のこと好きだろ?
応援したいと思ってね。」
「ほ、ほんとか!?でも俺茨木さんの事ちゃんと見られないんだ・・・」
「大丈夫だよ、ようは慣れなんじゃないかな?それでね、茨木は筋肉がある人が好きだっていっていたんだ。石田君は今のままだと到底足りないね。筋肉を付けたいならレスリング部がお勧め。」
「そうなのか!ありがとう東野!!さっそく入部してくる。東野っていい奴なんだな。」
喜びながら走り去った石田が見えなくなると王子スマイルが一転、鼻で笑う東野
「ちょろい。精々筋肉だるまにでもなって望月さんに嫌われろ。」
しかし想像と違ってマッチョになってからの方が親しみやすいと仲良くなってしまった望月と石田に地団駄を踏むはめになった東野、それ以来石田が目障り。
でも基本石田の単純馬鹿のところは嫌いじゃないため、望月が関わらないなら友達になってやってもいいと、エベレスト級の上から目線。
なんとなくダシに使われていたことは当時から気付いていた茨木。
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5話後の東野と石田の携帯での会話。
「お前嘘ついたな!茨木さんマッチョなんて特別好きじゃねーつってたぞ!!あとお前のファン怖い!なんか誓約書を書かされた!」
「お前が勝手に勘違いしてただけだろうが。第一、俺は一言もあいつがマッチョ好きとは言ってない。」
「!!!!!・・・そういえばそうかも。」
「それに本当にあいつ筋肉あるやつの方が好きって前言っていた。」
「ごめん俺勝手に勘違いして疑って」
「別にいいよ。(ちょろい)」
もはや石田には本性を隠していない東野。
そして石田は相変わらずちょろい。
また話が進むにつれ小話を挟みたいと思います。
会話だけで話作るの難しい・・・
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