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茨木さんとお昼

こんにちは、前回名前がやっと判明した望月です。


あの委員会後なにか変わったかといえばそういったこともなくいたって平和な毎日が続いる。


委員会の後、次の日絶対にいじめられると確信した私はスポーツ用品店に駆け込み、

購入したバットで夜までスイング練習をしていた。

翌日バットを担ぎながら登校してみたらなんということでしょう、クラスメイト達はいつも通りではありませんか。むしろバットを持っていた私が変な人扱いされてしまった。やだー


なぜ皆が普通だったかというと彼女らと彼らの中で茨木さんと東野くんが付き合っているということで落ち着いたからということだった。


え、昨日の話まだ続いているの?とおもった私だけど口には出さない。

皆も神々しい人達に話しかけられないという理由で、確認はしないが確信はあるそうだ。

私的には助かるけどそれって思い込みっていうやつじゃないかと思ったけど口にはださない(本日2度目)


もちろん私も本人達に報告など出来る筈もなく。真実は謎のままである。

その後しいてなにか変わったかといえば茨木さんと東野君がおはようと言ってくれるようになったことである。


朝たまたま同時に教室に入ってきた2人から挨拶されたその瞬間四方八方から飛んでくる殺気。


私の4,000円のバットを使う時が来たと身構えた瞬間茨木さんの無表情ながらに感情を如実に表現してくる瞳と東野くんの無敵スマイルにやられたクラスメイト達は一瞬にして顔を赤くしてその殺気をしずめた。


正常な判断ができる委員長の戸田君及び他何名かは呆れたようにクラスメイト達を見つめている。私と一番浅いながらに仲がいい香穂ちゃんも呆れている側である。


そんなこんなでお昼。

私は普段教室で香穂ちゃんとお昼を食べている。

国宝級はどうしているかって。



茨木さんは教室で1人お昼を食べている。

早食いなのか茨木さんはお弁当を食べるのがわりと早い。

その後は図書館に行ったり、その場で読書をしていることが多い。

その際に茨木さんをひと目でも見ようと大勢の男女が教室の周りにおしよせるようにお思いだろう。

だけど大丈夫!うちの学校には鉄の掟が存在するからだ。

{他のクラスの者たちは正当な理由がない限り2-bの教室及びその半径5M以内に立ち止まることべからず}



茨木さんと東野くんのファンクラブが出したこの掟。

わかりやすく言うと、茨木さんと東野君が見たいからって教室おしかけんじゃねーぞコラ、である。

ファンクラブは入会しているものしか情報を明け渡さないため人数、活動内容ほとんどが秘密である。

ただクラスメイトのレスリング部のマッチョ石田君曰く茨木さんの健やかな成長のためにかんばっているらしい。たぶん悪質な人やものから守るって意味だと思うけど、言い方が気持ち悪い。


茨木さんの情報は知りたいがなんか入りづらいなと思った。


ちなみに東野くんは学食である。


この人凄いんだぜ、お昼の時間になり東野くんが席を立った瞬間にクラスの女子の半分が一緒にたちあがり。まるでお付の人のように一緒にお昼に行く。

1回だけ香穂ちゃんとあとを追いかけたことがあるけど2階から1階に降りるたびお付の人が増えていく光景は圧巻だったといわざるをえない。正直笑える。



さぁ食べようとお弁当を出した所で香穂ちゃんがあっと声を上げた。

これからは彼氏とご飯を食べる約束をしていたらしい。


すまなそうに謝る香穂ちゃんにいいよいいよと返事をし、

香穂ちゃんが教室を出て行くまで手をふってお見送りした。


うーん困った、これからはご飯独りなのか。学食に行けば友達居るけど騒がしいし、それだったらいっそ図書館に行こうかな。とりあえず今日は独りで食べようと思ったときにその声はかけられた。


淑やかでいて美しいソプラノボイス、私が知っている中では1人しかいない。


その名は



「望月さん、そのよかったら一緒にお昼食べない?」



茨木さんだー!!!!!


「も、もちろん!」


ありがとう神様!まさか茨木さんからお昼に誘ってもらえるなんて誰が想像しよう。

あまりにも勢いよく食いつきすぎた私に少し茨木さんは引いたものの嬉しそうにお弁当を片手に今まで香穂ちゃんが座っていた席に座った。


「よかった。今まで独りでご飯食べてから嬉しい。」

「茨木さんでも寂しいって思うの?」

「それは思うわ。でも声をかけてみるとひえーとかぎゃーとか言って皆逃げちゃうから嫌われていると思ってなかなか声かけられなくて。」

ほんと私なにかしたかしらって言いながらどんどん落ち込んでいく茨木さん。

でも箸と口でもくもくとお弁当を消化していく。落ち込んでも食欲は衰えないタイプなんだね茨木さん。


「そっか、じゃあ私茨木さんと始めてご飯食べた人なんだね」

「ふふ。ええ、そうね」


華がほころぶように笑った茨木さん

それはまさしく乙女ゲームならスチルのしかも一番絵師さんが力を入れていたであろう笑顔だった。

例え方がおかしくてすまない、私は乙女ゲームが好きなのだ。


やばい、ギネス認定されるぞこの笑顔

内容は世界で一番綺麗に笑える人だ。

それほど破壊力のある笑顔に私は女ながらに顔を真っ赤にしてしまった。

それでも私の手は休むまもなく口にお弁当を運ぶ。あ、これ私も同じタイプだ。



10分たってお弁当を食べ終わった私たちはそのままおしゃべりをした。

内容は漫画である。

好きなジャンルが一緒だったため今度貸し借りしようという話になった。

漫画の話になった瞬間嬉しそうな顔をした茨木さんかわええー


さっきの笑顔をたまたま見てしまった人は未だに顔を真っ赤にしている。

流石に長すぎじゃないかな?


ガタタ!!


教室の机が動いた音がした

どうしたと顔を音の発信地に向けてみると東野君がおばけでも見たような顔をして私と茨木さんを凝視していた。



茨木さんを見るとうざそうな目つきで東野君を見ていた。


私なにかしたっけと思い返すが記憶にない。

茨木さんとご飯食べたらいけなかったんだろうか。



「い、いばらきお前まさか」

「ええ、見てのとおり望月さんとお昼を一緒に食べましたがなにか?」

「誘えよ、望月さん俺も明日から一緒にお昼食べていいかな?」

「あ、それはちょっと困ります」

最初はややぎこちない様子だった東野君は態勢を整え私に同席の許可を求めた。

そんなに同じ委員会同士でなかよくしたいんだろうか。

しかし許可するはずがない。

茨木さんは女の子だからまだいい、だが東野君、きみはだめだ。


私はまだ死にたくない。


「あなたは大勢の女性と食べてればいいじゃない。ねぇ望月さん御手洗い行こう」

茨木さんは、うちひしがれる東野くんをさりげなく女子という名のハイエナのほうに押し出しトイレに向かった。


ちょっと申し訳なかったかなと思ったが茨木さんは気にしなくていいと言ったので気にしないことにする。


ご閲覧ありがとうございました。

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