ep.9 友人
遂にこの日がやってきた!
ここ一週間以上攻撃魔法が使えなかったから少し退屈してた中で、ここぞというタイミングで火属性魔法の実践演習がやってきたのだ!
前のめりに進んでいく弾んだ心を落ち着かせ、早速集合場所の第三魔法学室に向かう。
第三魔法学室の中には既に多くの生徒が集まっており、教師が来るのを待っている所だった。
ユフィーアが部屋に入って周りを見回していると窓際に見知った顔が居た。
ユフィーアの視線に気づいたのか杖をついている青年はユフィーアの所へ歩き出した。
「やぁ、こんにちは。僕はメルレス・ラン・ドライブ。魔法科特別生だよ。エスプリア嬢とこうして話すのは始めてだね。」
顔見知りとはメルレスの事だ。
"白銀の魔女"として会話をした事はあるが、1-Sに在籍しているユフィーア・エスプリアとして会話をした事は無い。
時々お互いの魔力を感じてる程度の浅い関係だ。
しかし、目の見えないメルレスは常に魔力を感じて生活をしている。
そんなメルレスだからこそ、ユフィーアの魔力が恐ろしく洗練されている事の凄さが分かるのだろう。
魔法が好きなメルレスは魔力の洗練さからユフィーアに目をつけていた。
たまたま、同じ科目を取っていた今だからこそ話しかけてきたのだろう。
「こんにちは、メルレス様。ユフィーア・エスプリアと申します。平民の出ですので、是非、ユフィーアと。」
「では、遠慮なくユフィーアと呼ばせてもらうね。
ユフィーアの洗練された魔力を初めて教室で感じた時からずっと話してみたいと思っていたんだ。
僕は土魔法以外の魔法科の科目を取っているから同じ科目があればよろしくね。」
「私もメルレス様の魔力を感じた時からお話を出来ればと思っていました。
私は座学以外を取っているので同じ授業の時はどうぞよろしくお願いします。」
「⋯⋯ユフィーア、あまり堅い喋り方じゃなくて大丈夫だよ?同じ生徒会でもある訳だし、敬語は無し!」
話をしていて思ったことがある。
思ってたより明るい人なんだな、と。
貴族は身分を気にする人が多く、敬語を使わないなんて言語道断。と言う人がほとんどだ。
そんな中、メルレスやヴェニクスの様に敬語はいらないと言う貴族は稀だ。
ユフィーアとしても慣れない敬語を使うのは苦なので一応断りを入れてそれでもダメならしょうがない!と自分にとってもいい解釈をした。
「私は平民の出ですので⋯⋯」
「この学園は身分よりも実力主義な所があるからね、身分関係なく仲良くして欲しいと求めるのは酷だったかな?」
「じゃあ、対等な関係としてよろ、しく⋯⋯?」
「うん、僕からもよろしく、ユフィーア!」
対等な友人となったユフィーアとメルレスは、教師が来るまで魔法について話し合い仲が深まった。
そんな中、裏側の闇では着々と準備が進んでいる事は誰も知らない。




