ep.7 選択授業
顔合わせが終わった翌日、授業初日が始まった。
少し早めに寮を出て、何か問題がないかを確認しながら教室へ向かうと既に人影があった。
中には、レイアス殿下とメルレス、貴族科特別生のクリネッタがいた。
それぞれが本を読んでいたり、書類を書いたりして過ごしていて、互いに干渉しない様にする為か角の席に座っていた。
ユフィーアも最後に余っていた角の席に座り、古めかしい本を開いた。
表紙には、共存の世界と書いてあった。
文字は掠れ、紙も擦り切れているその本は何度も何度も読み返された本であることは一目瞭然であるほど、ボロボロだった。
目次には魔物とは魔界とは何か、共存とは何か、と書かれている。
その本を見るユフィーアの目は楽しそうでどこか切なかった。
そんなユフィーアの表情と本を対角線上に座っていたメルレスが見ていたのは誰も知らない。
時間が経つと、どんどん人が増えていき賑やかになっていった。
声がどんどん大きくなってく最中にユフィーアは本をしまい、目を閉じた。
視界の情報が無くなったお陰で生徒達の魔力が感じやすくなった。
改めて分かったのは魔力量、操作技術共にメルレスがずば抜けている事だ。
教師と比べても劣らない、人によっては超えているかもしれない洗練された魔力。
長い間魔法を使い続けた人間の魔力だ。
ユフィーアが十五そこらの子が持つ魔力ではないと感心するほど洗練されている。上級攻撃魔法も四発程度なら簡単に使えるだろう。
他にも何人か上級攻撃魔法を使えそうな生徒も居たがせいぜい一、二回程度だろう。
メルレスの様に目を見張る程ではない。
生徒の程度を確認しているとマイヤー教諭が教室へ入ってきた。
マイヤー教諭は教鞭を取っている事もあり、上級攻撃魔法を九発使える位の魔力と技術がある。
他の教師でも七発が限度だろう。他の教員と比べて頭一つ分抜けている。流石Sクラスを担当するだけある。
呑気にそんな事を思っていると、あっという間にホームルームが終わり、授業が始まった。
最初は学園の制度について軽い説明から始まった。
「エルダリア学園のクラスはSクラスからCクラスまである。
Cクラスは基礎の確認、Bクラスは基礎の復習、初級魔法と武術、Aクラスは基礎、初級、中級魔法と武術、Sクラスは基礎と魔法、武術を。
基礎は主に貴族について作法や政治、歴史などを学ぶ。魔法と武術は選択する事ができる。片方だけを学ぶも良し、両方学ぶも良し。ただし、日程的に多くても六科目の制限を設けます。
詳しくは後ほど配る紙を確認してください。
一年間の成績によってクラスが変動する事もあるので、勉強は怠らないよう頑張って欲しい。
何か質問がある者は私の元へ来るように。他の生徒は紙に選択授業のどれを取るか記入しておくように。」
配られた紙には選択授業の項目が書いてあった。
ー 貴族科 ー
経済 □ 歴史 □ 語学 □
作法 □ チェス □ 乗馬 □
ー 武術科 ー
剣術 □ 槍術 □ 組手 □
狩猟 □ 戦術 □
ー 魔法科 ー
一般魔法 □ 魔法薬 □ 座学 □
元素魔法 火 □ 水 □ 風 □ 土 □
希少属性 光 □ 闇 □
ー 芸術科 ー
音楽 □ 絵画 □ 歴史 □
「私は魔法科全て⋯⋯あ、六科目超えちゃうな⋯⋯なら、座学と希少属性はいいや!」
ユフィーアがそんな呑気な事を言ってる間に闇は既に動き出していた。




