ep.5 生徒会I
寮を出て渋々校舎に向かったユフィーアは、とある致命的なミスを犯した。
「生徒会室がわからないっ!」
普段なら立体製図魔法で学園を立体地図化させるが白昼堂々と立体製図魔法を使う訳にはいかない。
いくら高等科一年の次席とは言え、一般魔法の上級をすらっと使ってしまえば目をつけられてしまう可能性が高まる。
ここは誰かに聞いてみようと思ったが今日は休校日。
このままだと、生徒会の顔合わせに遅れてしまうかもしれない。
魔力探索魔法を使うが周辺に人の反応は無い⋯⋯はずだった。
「おい、お前どうしたんだ。」
突然、声をかけられた。
(えっ⋯⋯!魔力探索に引っかからなかった。この人魔力が全く無い?いや、そんな人、数千年に一人生まれるか生まれないか位の確率⋯⋯でも、そうじゃないと私の魔力探索を掻い潜るのは⋯⋯)
頭をフル回転させつつ、声のする方を向くと炎の様な煌めいたアプリコットの髪の青年がいた。
その青年を直接見て分かった。この人には魔力が全くない。体の中を巡る魔力も纏う魔力も一切感じない。
驚きを隠せないまま固まっていると、
「びっくりさせちまったか?俺は元々全く魔力がねぇんだ。魔法の得意な奴は魔力で探ることが多いだろ?だから、最初は全員に驚かれんだ。」
アハハと陽気に笑いながら説明してくれた青年の名は
ヴェニクスと言うらしい。
どこかで見た名前だなと思いつつ話を聞いていたら、
「それで?なんか困ってるように見えたがどうしたんだ?俺に出来ることなら手伝うぞ。」
「えっと、生徒会室に行かないと行けないんですけど場所が分からなくて⋯⋯」
「案内図は見なかったのか?」
「えっと⋯⋯案内図見ても分からないので⋯⋯」
ユフィーアが日頃から立体製図魔法を多様する。理由はそう、極度の方向音痴だからだ。
立体製図魔法は、今自分のいる場所も示してくれる便利な魔法だ。その分複雑な魔法式になってしまうせいで上級魔法に指定されているのだが。
そんな方向音痴のユフィーアには、平面地図なんて何年経っても使える代物ではなかった。
自分の位置を示してくれない紙の地図なんて尚更だ。
そんなユフィーアにヴェニクスは、俺も生徒会室に行くから一緒行こうぜ。と言ってくれた。
そんなこんなで生徒会室まで一緒に向かう事になった二人は自己紹介をしたり、軽く雑談をしたりして無事生徒会室に着いたのだった。
コンコン
「1-S、次席のユフィーア・エスプリアです。」
「1-A、武術特別生のヴェニクス・ドラ・ゾルピレムです。」
「どうぞ」
入室の許可を貰ったので一際大きく豪華な扉を開けると中には既に、九名の生徒が揃っていた。
扉から離れた奥の席に座っている人物が二人に座るよう諭すと椅子から立ち上がった。
「全員揃った所で、これから顔合わせを開始する。最初は自己紹介から。まずは、私。
私は三年首席、生徒会長のユリウス・シン・ロベリアだ。
セリントル王国第二の王都と言われているスウィルタルを治めているロベリア公爵家の嫡男だ。よろしく頼む。」
生徒会の自己紹介が終わると三年生から順に自己紹介をして行った。
「私は三年武術科特別生、副会長のライア・ウィベッチ・ベルドーン、侯爵家の三女よ。どうぞよろしく。」
「俺は三年次席、総務のカイゼル・トロイ・ドレイクだ。北の山脈付近のディスタールと言う領地を治めている男爵家の次男だ。」
「私は二年首席、書記のフィマイア・ディン・ライザットです。父は陛下の秘書官をしておりますわ。どうぞよろしく。」
「僕は二年貴族科特別生、総務のライル・ビレッジ・ヤード。伯爵家の出です。貴族の紋章や血縁者などは全て記憶しているので、困った事があれば遠慮なく聞いてください。よろしくお願いします。」
「私は二年魔法科特別生、会計のアレシオ・トライスです。父と母は魔法騎士兵の第二部隊団長、副団長をしています。平民ですがどうぞよろしくお願いします。」
「現生徒会の自己紹介はこれで終わりだ。次は一年生の自己紹介を頼む。」
ユリウス会長がそう言うと、まずは自分がと言いレイアス殿下が自己紹介を始めた。
一話で登場人物を一気に紹介してしまってすみません。
最初のうちは名前+役職で基本は書いていくのでよろしくお願いします。
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