ep.4 悲痛な現実
教室に戻った生徒達はそれぞれの席に座った。
教師が状況を整理してくると言い教室を出ると、生徒達は次々に口を開き始めた。
話題はもちろん"白銀の魔女"だ。
魔法を語り合っている者もいれば、過去の実績を語り合っている者もいる。
そんな会話を教室の端で聞いていたユフィーアは、歯がゆいと思いながらも悪い気はしない、と口の端を持ち上げていた。
少ししてから教師が戻ってきて、皆を危険に晒してしまって申し訳無かったと、頭を下げ謝罪の言葉を述べてきた。
頭をあげた教師は今後の予定を話し始めた。
今日は寮に帰宅。明日は一日休みを取り明後日から授業を開始する事。用事がない限り寮からは出ない事。等を説明された。
最後に、
「私の名はカイラ・ウィル・マイヤーだ。マイヤー教諭と呼ぶように。それでは全員解散。」
と言われた。
まだ話し足りなさそうな生徒も居たがあんな事が合ったのでさっさと寮へ帰っていった。
ユフィーアも他の生徒にならい、大人しく帰ろうとするとマイヤー教諭に呼び止められた。
一瞬ビクッと肩を震わせ、バレていないよね?と焦るが平然を装い、「はい」と返事をして教壇まで足を運んだ。
「エスプリア君は合格発表の時に渡すはずだった寮の鍵とバッチを渡していないとの事で、今渡しておく。寮は二階の一番端の部屋だ。君は次席だからから一人部屋だ。首席、次席、三席の三人は何かと優遇されることが多い。その分、この学年の代表だと思い行動する様に。
それと、首席、次席、三席は生徒会に入らないといけないからよろしく頼む。
このバッチは生徒会の印だ。毎日胸元につけておいてくれ。
それに伴い明日の昼に生徒会顔合わせがあるので参加する様に。では、気おつけて帰ってくれ。」
そう言い、鍵と金色に輝くバッチを渡されマイヤー教諭は教室を出て行った。
寮へ向かっている間ユフィーアは生徒会について考えていた。
生徒会の主なやる事は二つ。
学園の運営と取り締まりだ。
学園の運営は、予算管理、校則の改定、行事の進行、搬入の指示、授業で使う武器の管理。
取り締まりは、生徒同士の問題の解決、学園行事の警備だ。
生徒会は生徒の中で唯一、武器の所持と許可無しでの魔法の使用が認められている。
基本的には対話での解決を求められているが、それが難しい状況であれば、武力行使での鎮圧が認められている。
内心、生徒会に入る事で護衛がしやすくなるのは嬉しいと思いながらも、裏腹に面倒臭いという気持ちもある。
そんな事を考えていると部屋に着いた。
部屋の中は、流石国内最高峰の貴族学園と思えるほど豪華だった。
シルクのベッドや絨毯、金細工の大きな鏡など豪華だが品がある部屋だ。
荷物は既に部屋に送り届けられていたので、荷物の整理をしていると、扉がノックされた。
はーい、と返事をし扉を開けると、そこには沢山の食事を乗せたカートを引く給仕の女性がいた。
「今日は、トラブルがあったのでお部屋の方までお食事をお持ちしました。お食事が終わりましたら扉の前へ置いておいてください。」
そう言い、パンとスープ、サラダを置いて隣の部屋へサッサと移動して行った。
受け取った食事を済まし、再び荷物の整理をしていると、底に手紙が入っていた。
手紙には、
"白銀の魔女"殿
エルダリア学園の生徒会には優秀な者が多い。
優秀な者ほどプライドが高く自分の実力に見合った立場であろうとする。
今の生徒会は計六名。魔女殿の代も含めたら十名程になると思われる。
レイアス殿下やシャルロッテ嬢に害をなす者は外部の人間だけでは無いはずだ。
充分警戒して欲しい。
この手紙は国王陛下直々のお言葉である。
と、書かれていた。
予定と違う。生徒会なんて知らない。なんでこうも面倒事が舞い込んでくるの。もうやだ辞めたい。現実は残酷だ。そこで思考が停止した。ユフィーアはベッドに寝転がり、考える事を放棄しそのまま寝た。
翌朝に起きたユフィーアは面倒臭いと思いながらも準備をしイヤイヤ部屋の扉に鍵をかけ、校舎に向かった。




