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魔女の実力

 

「魔女の鉄槌が下ることを覚悟せよ」


  ユフィーアがそう高らかと宣言すると、襲撃者の一部は上階にいるリーダーと思われる男を見ていた。

 普段ならそのまま続行するが、今日は違う。

 何故なら、目の前にいるのはセリントル王国の色彩の魔女の一人、"白銀の魔女(はくぎんのまじょ)"なんだから。




 多くの部下からの視線を感じた男は全員に目配せをし、ユフィーアの方を見た。



「我が名はリヒドール、帝国の者だ。其方等の名は我らが帝国でも聞き及んでいる。セリントル王国の色彩の魔女は恐ろしく膨大な魔力と技術、知恵を持っている実力者とな。」


「ならば、ここで引け。帝国の為にも我ら⋯⋯」


「しかし、ここで引くわけにはいかん⋯⋯、!」


 張った声でユフィーアの言葉を遮りながらリヒドールは言った。


「我らは任務を放棄してまで命が惜しいとは思わん、帝国の未来のためにならこの命捧げて見せよう、!」


 リヒドールの言葉は味方の士気を底上げさせた。

 そこら中からうおぉー!とやる気に満ちた声が聞こえてくる。

 ユフィーアは、帝国兵達の説得は難しいと判断した。

 そこからの行動は、早かった。

 見えない風の刃で、舞台で殿下達を押さえつけている襲撃者達の足を切り、奥へと吹き飛ばして一掃し、殿下達に結界を張る。

 即座に火属性魔法を放ち窓を突き破り、異変が起こっていることを外部に知らせ、生徒や教師達の逃げ道を作った。

 阻害魔法で五感を阻害し土属性魔法で鋼鉄を生成、襲撃者を逃さないよう足元を固定する。

 この全ての行動が終わるまで約三十秒。

 七十人近くいた襲撃者は即座に戦闘不能に陥った。

 魔法の発動速度、精度、知識、どれをとってもこの場で敵う者はいない。

 これが、セリントル王国の色彩の魔女の一人"白銀の魔女"の力だ。


「ここまで力の差があるとは⋯⋯、我らでは敵わん、だが、あの方なら⋯⋯、!」


 リヒドールは力なく言った。最後の言葉意外。

 事実、圧倒的だった。赤子を片手で捻るかのように簡単に。抵抗する暇もなかった。

 リヒドールの言葉に疑問を持ちながらも襲撃者が自害できないよう口に石を噛ませ捕縛し、風の刃で教師達の拘束を解いた。

 少ししてから、異変に気づいた警備員が魔法騎士兵を連れてやって来た。


「何の騒ぎだ。」


 魔法騎士兵の団長と思わしき人物がホール内へ入って来て教師に問い、周りを見回す。

 全体をくるりと見ると、少し目を見開いた顔をしたが、すぐユフィーアに気づき左胸に手を当て膝をついた。


「お初にお目にかかります。"白銀の魔女"様。私は魔法騎士兵団、第三部隊隊長のエリックです。この度の件、鎮圧にご助力頂きありがとうございます。心より感謝を。魔女様がいらっしゃら無ければ生徒達にも被害が出ていたことでしょう。この場を代表し重ねてお礼申し上げます。」


 そう言い、エリックは深く頭を下げた。

 ユフィーアはそんなエリックの元に降り、


「よく来た。襲撃者達を捕縛している魔法を解く。拘束し連行しろ。」


「お任せを。」


 そんな会話をし、連行準備が出来た所から魔法を解いていった。

 三台の護送馬車が詰所に向かうと事情を聞くために残った隊長と複数の小隊が、教師達に事情を聞いている。

 事情聴取中に生徒の中に紛れようと思っていたユフィーアは一度場を離れようと透過魔法を使おうとした。が、後ろから声をかけられた。

 深く帽子をかぶり直し、振り向くとそこにはレイアス殿下を軸とした生徒達がいた。


「"白銀の魔女"殿、この度は誠にありがとう。この場に魔女殿がいなかったら私の命は無かっただろう。」


 レイアス殿下がそう言うと、他の生徒も口々に感謝の言葉を述べてきた。

 一通り感謝を伝え終わると、目を瞑った一人の生徒が前に出てきた。


「お初にお目にかかります。"白銀の魔女"様。僕は、ドライブ侯爵家の四男、メルレス・ラン・ドライブでございます。魔女様の魔法についていくつかお伺いしたいことがあるのですが⋯⋯」


 と、メルレスが言うと陛下が無礼だろうと止めるがユフィーアは何も言わず制止し、一つ一つ丁寧に質問を返答していった。次第にメルレス以外からも質問が飛んできた。中には聴取の終わった教師までもいた。


「どうしたらあれほどのスピードで魔法を出せるんですか?」


「発動速度は魔力構築の速度を上げるといい。最初は体内を流れる魔力を感じる練習から、それが出来たら魔力を爆ぜさせる。最後に、得意な魔法で繰り返し練習する。これだけだ。」


 生徒達はなるほどと頷いていたが、教師や一部の生徒は口をあんぐり開けている。

 ユフィーアはこれだけと言っているがそう簡単にできる事ではない。

 質問を聞いている生徒や教師達はやっぱり魔女は桁違いに凄いとと改めて実感した。




 そろそろ聴取が終わりそうなのを確認したユフィーアは、話を区切りそろそろ、と透過魔法で姿を消しその場から去った。

 校舎裏へ回ったユフィーアは人が誰も居ないことを確認し正装の魔力を解くと、粒子となり正装が解けていく。

 完全に魔力が解けると元の制服姿に戻った。

 再び透過魔法で姿を消し、飛行魔法で建物を超えて生徒の中へさりげなく紛れると、透過魔法を解いて何事も無かったかのように教室へ戻って行った。













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