#3-1 暁サイド
__うん。
なるほど、このように操作をすれば敵を倒せるわけね…
「うわっ!暁強すぎ!」
「俺、こういうの得意なのかも」
藍沢さんが操作しているキャラクターを攻撃しながら、そう呟く。先程から始めているこのゲームは、確かに始めは操作などが難しいが、慣れると意外と楽に動くことができた。
(皆、ヤケクソになってライフル持って暴走しているな…よし、こうすれば勝てるか。)
装備の時、俺は最初、ノーマルのライフルにしようと思った。ライフルなら、威力も凄いし、遠距離から狙撃することが出来る。しかし、ライフルを持つ場合、走ったりなどの動きが少し鈍くなる恐れがあった。
(だから、コレにしたんだよな…)
ピストル。小型なので、遠くからの射撃は出来ないし、装弾数もライフルよりかなり少ない。だが、ピストルなら相手の弾を避けたりする動作も多少楽になるし、両手にそれぞれピストルを持つ、いわゆる二丁拳銃ができる。
「っていうか、ズルくない!?なんで二つも持ってるのよ!」
「説明書に書いてあったよ?藍沢さんっ!」
そう言いながら、ヤケクソに銃をぶっ放している藍沢さんに狙いを定め…
「よし、一人目。」
急所を狙って、一発で仕留めた。藍沢さんはクッ…と悔しそうにする。本来なら、そんな悲しそうな顔をしている女性は放っておけないが、状況が状況だ。後で、申し訳ないと謝罪しよう。
「さて、次は…」
先程藍沢さんを追い詰めた場所に近そうな位置にいるのは、ノギ。ノギは、藍沢さんの失敗を見てか、銃を乱射せず、その場からスルリと逃げ出した。
「…」
取りあえず、ノギの後を追う。すると、ノギが曲がり角を曲がった所で、追いかけようとした俺は、銃撃にあった。
「なるほど、共闘か。」
撃ったのは流。ノギを囮にし、俺を倒すという作戦をしていたようだ。だが、ノギが逃げた時から何となく誘導されている事は予想していた。
「よし、」
ピストルをそれぞれ片手に持ち、片方をノギ、もう片方を流に狙いを定める。そして、定めた瞬間、躊躇せずに撃った。しかし、見事急所に当たったのはノギだけだった。
「流とは、距離があるな。」
どうやら、射程距離の外側に居たらしい。流は思いっ切りピンピンしていた。
「暁、これで一騎討ちだな。」
「ああ…」
いつも朝起きるときに髪を燃やしやがって。今日は、その恨みを晴らしてやる。
「オラァァ!!」
「タァアアア!!」
もうとにかくただの撃ち合い。まあ、どうやら狙撃の腕は俺の方があるらしく、狙いは少し外れたが、流の脚には一発命中させることができた。しかし、流はしゃがんでもまだ狙撃を辞めない。頑張って避けてはいるが、戦いに決着はつきそうになかった。
「手強いね…暁。」
「ふぅ…流もな。」
お互い銃を乱射しながら、息も絶え絶えにそう呟く。そんな、正に因縁の争いみたいな事をしていると。
ダァン!!
突然、俺達が撃ち合っている間に、何者からか手榴弾が投げ込まれた。俺達は、爆発に巻き込まれる。
「こ、これは…あれ、僕ゲームオーバーになってる…」
どうやら流の方は、ゲームオーバーになってしまったらしい。しかし、俺の方はまだかろうじて生きていた。
「あれ、二人のちょうど真ん中に投げたはずなんだけど…」
爆発の黒煙が止んだ先には…麗美さんのアバターが手榴弾片手に立っていた。




