#2-4 流サイド
次の日の朝、教室にて冬山羊先生から改めて説明があった。ちなみに、昨日様子がおかしかった暁は、今日は既にレディーファーストを復活させていた。
「えー、ここにいる桜宮班の皆さんにはもうお知らせしたのですが、成川班にはまだだったので、改めて説明したいと思います。」
何の説明か知っている僕とノギは、どういう事を競うんだろう…?と思考を巡らせる。一方、暁達はまだ何も知らないので、何だろー?とボーッとしていた。
「3-Bとなって一ヶ月が過ぎようとしています。確かに、クラス内の人々は中学一年生からは変わっていませんが…でも三年生になってクラスの皆が教室に揃うことはあまり無い。まあ、任務のせいで来れていない班もありますし。」
冬山羊先生はそう言いながら、教室の廊下側の二列_今日は任務で来られなかった名取班の空いた席を眺めた。
「なので、せっかくの桜の季節(まあ、もう過ぎましたが)。心機一転、クラスの絆を更に深めることに尽力するのも良いかと思いまして。」
にこりと冬山羊先生は微笑んだ後、早速、昨日聞いた内容を話し出した。それに対し、僕とノギ以外の成川班は、かなり驚いている表情だった。
「確かに、アンタにしては面白いこと提案してくれたとは思うけど…」
良がそう呟き始める。まあ、大人をアンタ呼びするのは元々なので、気にしないでおこう。ちなみに内容はというと。
「でも、時間合わせは?任務のせいで全員揃うの無理でしょ。」
確かに、最もな意見だ。僕も昨日、それを美玲に質問した。だが、冬山羊先生は心配ありませんよ、ともう一度微笑んだ後、成川班に向けてこう言った。
「この活動は、学校側や生徒会もかなり賛成しているので。命を危険に晒して仕事をさせている以上、通常時は安寧なる娯楽を提供しなければならない。これが、このE.P.H.設立時のモットーの一つです。」
だから、時間調整などは私達にお任せ下さいとのこと。まあ、心配は要らないっていうことだ。
「へぇ~。面白そうだね。」
僕の隣の席の夏居は、僕の肩をチョンチョンと叩いた後、そう呟いた。
「まあ…ね。でも、『クラス内班対抗合戦』って何の種目なんだろ…」
僕はそう言いながら、思考を巡らせる。まあ、ありきたりなのはスポーツとかかな?
僕が種目について考えているのに気付いた冬山羊先生は、再び喋りだす。
「種目はですね…スポーツとかはありきたりなので、少し違ったものを入れようかと。」
「!?」
まさか、スポーツが入っていないとは。コレには、他の成川班の人も目を開かせていた。
「じゃあ、何ですか…?」
僕の前の席に座っているノギがそう尋ねると、
「それはですね_」
示されたのは三つの種目。
一つ、料理。
二つ、演劇。
三つ、ゲーム。
_ハッキリ言おう。これらの種目を競うということは想像できていなかった。いや、料理やゲームは、まあギリギリ分かるけど…
「演劇って…?」
僕が溜まらずそう呟く。
「そうです、演劇。台本などを一から作り、舞台の上での発表ですね。」
冬山羊先生は、僕の問いに無慈悲に答える。ああ…この先が思いやられるなぁ…




