第6.6章:記録と囁き ―設定資料編・後半―
この章では、物語内の「出来事の時系列」「夢と神と人の構造」
そして、神話災害という概念の背景に触れ、作品世界の“奥底”に潜るための視点を提供します。
【簡易時系列まとめ】
時系列出来事
数十年前「真影録」の最初の発見例(国家による封印の開始)
15年前鴉羽 柚月が“影”に接触。人格に変異が生じ始める
1ヶ月前斎 真の兄が行方不明に/最後に立ち入った場所は“封印区域”
プロローグ真が兄の遺品(動画)を確認。異変が始まる
第1章〜2章蒼子と夢で出会い、“目の印”が現れる
第3〜4章真影録との接触。夢と現実の境界が薄れる
第5〜6章神域への侵入/柚月と“影”の登場/封印の崩壊が本格化
ここから先封印を巡る戦いと、“目覚める神”との邂逅へ…
【夢と神と人の構造】
本作における“神”とは、
知性や人格を持った存在ではなく、概念そのものの海である。
◼️夢:
人の無意識と記憶の堆積。
“神”はこの夢の中に現れ、囁き、記憶を通じて存在を刻み込む。
◼️神:
名前を持たない存在。“目”として表現されるのは、観測されることを拒む性質のメタファー。
その本質は、「観る者を観ている」存在。
接触した人間の理性や肉体に異変を及ぼす。
◼️人:
神の夢を見る者。
ときに“鍵”となり、“扉”となり、“ヨリシロ”として神とこの世界を繋ぐ。
【神話災害(Myth Event)】
本作の核心にあるのが「神話災害」という概念。
これは、神話や宗教に登場する超常的な現象が、現実世界に実害をもたらす事象を指す。
区分内容
軽度幻覚・奇怪な夢・記憶の混乱(例:斎 真の初期症状)
中度精神崩壊・時間感覚の消失・他者への影響(例:真影録の読者)
重度物理的変異・空間のねじれ・現象の逆転(例:封印区域内の出来事)
国家機関はこの災害を「偶発的異常事象」として秘密裏に封じており、
記録館のような組織が管理・監視を続けている。
【世界の今とこれから】
封印は緩み始めた。
ヨリシロは目覚めの時を迎えつつある。
鴉羽柚月は、自らを“神の胎”として、目醒めを促進しようとしている
真と蒼子は、自分たちの中にある“それ”に抗おうとしている
しかし、神は人の意志では止まらない。それは、夢が自然に流れるのと同じだから
◼️今後、世界が迎える可能性
道展開の一例
封印の再構築神の影響を抑え、世界を維持する
神の目醒め人が神に進化する(または堕ちる)未来
世界の交替人間世界が夢に呑まれる=“新たな現実”の誕生
すべては、次なる“夢”の中で選ばれる。
(→次回:第7章「鎮まるべきもの」)




