0,破滅フラグ確定の人生!?
「主文、被告人『アン ヌタリー』を、死刑に処す!!」
重々しい空気の中の裁判所。中央奥の席に座っている中年の男、厳つい風貌の裁判長が叫んだ台詞だけが響き渡った。
傍聴席に居る人達の中は、ある男はしたり顔で邪悪にニヤけ、ある夫婦は泣きわめきながら席を立ち上がって求刑の撤回を求める声を上げる。
ついさっきまでとは一変して慌ただしくなる裁判の中、中央の証言台に手錠を着けられた姿で立たされた被告人であり、この国の準男爵家の令嬢であり、国立の学園に通う生徒『アン ヌタリー』は悲しげな表情を浮かべて静かに顔をうつむかせていた。
騒ぐことも反論することもしないアン。何故なら、彼女はこうなることを分かっていたからだ。
何故分かっていたのか。本当に重犯罪を犯したから? 周りに嫌われるようなことをしてきたから? どちらも違う。
物心付いたときから、いや、前世から知っていたからだ。
彼女は、日本にて不慮の事故に遭い、この世界に転生してきた転生者だったのだ。そしてこの世界は、彼女が前世で散々プレイしていた、ゲームの世界そのものだった。
だからこその運命。だからこその死刑。これを受け入れざる終えない。ここまで来てしまってはその気持ちが勝っていた。
二つの気がかりを残して……
(ダンテ君……そしてぬいぐるみさん……どうか無事でいますように!!)
判決を下され自分の命が絶体絶命の最中、アンの頭には過去の映像が流れていた。
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普段は下記の作品を連載しております! ジャンル関係無し、何でもありの世界観を巡る冒険譚。ご興味がありましたらこちらも一読して貰えると嬉しいです!!
『FURAIBO《風来坊》 ~異世界転生者の俺より先に魔王を倒した奴についていったら別の異世界に来てしまった!!~』
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