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86話

私たちは早退をし、アニマル王国へ向かった。

本当は荷造りをしたかったんだけど、そんな暇はないくらい大変な状態だった。

行けばなんでもあるし、公爵家なのでお金の心配もいらない。

だから、手ぶらで大丈夫って言われちゃった。

移動中、私は寝ているツバサの手を握っていた。

少しでも、安心してほしくて。

あと、罪滅ぼしかな…


アニマル王国に到着すると、ツバサの家へ連れていかれた。

「あの、病院じゃないんですか?」

私は傍に控えていたティートル家の侍女さんに尋ねる。

「はい。」

「あ、あの。何でなんですか?」

「病院より設備が整っているからです。」

そうなんだ…

「到着しました。どうぞ。」

「ありがとうございます。」

ツバサの家は、御伽噺で登場するような立派なお城みたいだった。

で、でかい…

「こちらへ。」

私は侍女さんに案内され、家の中に入る。

「ルナちゃん、いらっしゃい。よく来たね。」

ツバサのお父さんとお母さんが出迎えてくれた。

「お邪魔します…あの、ツバサなんですが、すごく大変な状況みたいで…」

「あぁ、心配することないよ。わざわざありがとうね。」

自分の息子が大変な状態なのに、なんでこんな普通なんだろう?

「ルナちゃんは、ツバサの隣の部屋ね。必要な物とかあれば、なんでも言ってね。」

「ありがとうございます。」

そのまま、私は部屋に案内された。

もちろん、部屋もめちゃくちゃ広かった。

独りだと寂しいくらいに。

ツバサの部屋の隣って言ってたよね?

様子見てこようかな。

私は部屋を出て、隣の部屋に行く。

「ツバサ、入るよ?」

ノックをして、扉を開けても誰もいなかった。

あれ?

反対側だったかな。

念の為、反対側の部屋もノックしてから開ける。

でも、誰もいなかった。

あれ?

ツバサ、どこ行ったんだろう?

「どうかされましたか?」

さっきの侍女さんに話しかけられる。

「えっと、ツバサが心配で様子を見に来たんですが、どっちの部屋にもいなくて…」

「ツバサ様のお部屋は反対側です。また、お部屋にはしばらくお戻りになられないかと思います。」

え?

「何でですか?」

「治療中だからです。」

なるほど…

「ツバサに会いたいんですが…」

「うつると大変なので、厳しいかと思います。」

たしかに…

「わかりました。良くなったら、すぐに教えてください。」

「かしこまりました。」

高熱だったもんね。

ここで私にうつったら、迷惑かけちゃうもんね。

しばらく、大人しくしてよ。

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