表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/636

85話

私たちは3限目はサボったが、4限目は出席した。

そして、お昼休み。

ツバサは泣きながら、素早くやってきた。

「ルナ、ごめんなさい…」

私は無視する。

「ちゃんと反省します…首輪も本当に嫌なら外します…だから、嫌いにならないでください…」

私はまた無視する。

ツバサは声を上げながら泣いている。

「はぁ。私が何に怒っているか、わかってる?」

「首輪に盗聴器を付けたこと…」

やっぱり、わかってないや。

「全く違います。わかるまで、ツバサとは口を聞きません。」

「え、ちょっと…ルナ!」

私は全力で無視する。

隣で泣いているから、ちょっと可哀想になりそうだったけど、頑張って耐えた。

このままだったら、同じことの繰り返しだからね。

大事な友達がツバサのせいで辛そうな顔しているのは、もう見たくないし!

「ルナ…やだよぉ…お願い…」

ツバサは私にしがみついて泣いている。

耐えろ…

耐えるんだ、私!

「ルナぁ…」


そして、2日が経った。

ツバサはまだ答えがわからないみたいだった。

そろそろ、許してあげてもいいかな…

いや、ダメだ!

ルイの辛そうな顔を思い出すんだ、自分。

でも、さすがにちょっとやりすぎたかな…

「ルナさん、急いで保健室まで来てください!」

そんなことを考えていると、先生に呼び出されてしまった。

え、どうしたんだろう?

「何かあったんですか?」

「ティートル公爵様が、脱水症と高熱で倒れてしまいまして。急いで、来てください。」

え、ツバサが…

私は先生に連れられて、急いで保健室へ行く。

ベットには、目を真っ赤に腫らして、ぐったり倒れているツバサがいた。

「ツバサ、大丈夫!?」

私はツバサに駆け寄り、手を握る。

「ル…ナ…?」

息が荒く、とても苦しそうにしている。

「ツバサ、大丈夫?本当にごめんね。もう怒ってないから!」

「ルナ…ごめん…なさい…」

ツバサはまだ泣いていた。

もしかして、この2日間ずっと泣いてたの?

私はツバサを見ると許してしまいそうになるため、顔を見ないように避けていた。

「ご飯もろくに食べられていないみたいでして、このままでは危険な状態です。」

うそ…

「ツバサ!もう怒ってないから、安心してね。」

「俺のこと、まだ嫌い?」

「大好きだよ!ツバサのこと、世界で1番大好きだよ。」

「えへへ、良かった…」

ツバサは笑ったあと、目を閉じてしまった。

「ツバサ!?ツバサ、大丈夫?ねぇ、ツバサ!」

「大丈夫です。点滴を打ったので、眠っただけでしょう。」

あぁ、そうなんだ。

よかった…

「ここ数日、毎日ずっと泣いていたみたいで、脱水症が深刻な状態です。更に、寝不足や栄養失調など、他にも危険なところがあると思います。1回、自国の大きな病院で検査して入院した方が良いかと。」

そんな大変なんだ…

「すみません。ツバサのこと、よろしくお願いします。」

私は立ち上がって、先生に深くお辞儀した。

「何言ってるんですか?あなたも一緒です。」

へ?

「当たり前でしょ。あなたのことで、こんなになるまで自分のことほっておいたんだから、あなたがいないとまたこの状態になります。」

まぁ、たしかに?

「入院している間は忌引にしておくから、出席日数とかは気にしないで。」

それはべつに心配してないけど。

「ありがとうございます。」

ツバサは落ち着いた様子で、静かに寝息をたてて寝ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ