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79話

女子寮の玄関でツバサに待機してもらい、私は急いで部屋に戻る。

出したものを元の場所に戻さず、積んでおくタイプなので、色々なところにタワーが出来ている。

これをどうにかしないと…

とりあえず、見栄えが良ければいいよな。

タワーを力ずくで押して、全部壁に寄せる。

うん、良い感じ!

私はツバサを玄関まで迎えに行く。

「ツバサ!おまたせ…」

ツバサは女子生徒に囲まれて、不機嫌そうにしていた。

最近、私と一緒にいたから話しかけやすくなったらしい。

ツバサは常にニコニコしてて、話しかけやすいけどね。

より話しかけやすくなったってことかな?

あの中にはちょっと行きづらいな…

気づいてくれないかな?

遠巻きにツバサを見ていると、1人の女子生徒がツバサの腕に触れた。

「ツバサ!おまたせ!」

私は勢いよくツバサの前に現れる。

「ルナ!全然待ってないよ!ちょ、邪魔。早くどいて。」

ツバサは私を見つけた瞬間、さっきまでの不機嫌とは違い、ニコニコの笑顔になった。

女子生徒の間をかき分けて、私のところまでくる。

「ルナー!全然待ってないけど、寂しかったぁ。」

ツバサは優しく抱きしめてくれた。

なんか、安心するかも…

「早く、ルナの部屋行こ?」


「あんまり、眺めちゃダメだよ?」

部屋の前で、ツバサに忠告しておく。

「うん!楽しみだな。」

そんな楽しみなものはないけどな…

私は扉を開けて、ツバサを先に入れる。

「お邪魔します!わぁ、綺麗にしてるね。」

綺麗に見えて良かった…

扉を閉めると、ツバサは大きく深呼吸した。

「はぁ、ルナの匂いがする…」

え、臭いってこと?

とりあえず、窓開けておこうかな。

私が窓を開けようとしていると、ツバサに止められた。

「なんで窓開けるの?」

え、逆になんで止めるの?

「ルナの匂いが逃げちゃうでしょ。」

よくわからないけど、臭くはないってことかな?

「わかった。閉めておくね。」

ツバサは満足そうにしている。


2人横並びで床に座る。

ツバサは肩にもたれかかっている。

「ツバサ、重い。」

「えぇ、懐かしくない?」

超懐かしいよ。

でも、身長が高くガタイも良い男の体重が右肩にのしかかっているの。

重くないわけないでしょ?

「もうちょっと力抜いて。肩折れる。」

「はーい。」

そう言って、寝転んで膝枕をする形になる。

まぁ、これくらいならいっか。

私はツバサの頭を撫でる。

「えへへ、ルナの手暖かい。」

ツバサはそっと目を閉じる。

おい、寝るな。

「ツバサ、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「なぁに?」

ツバサは目を閉じたまま返事する。

「なんでピラナと婚約してたこと、黙ってたの?」

ツバサはビクッとして、目を開ける。

「なんのこと?」

「とぼけないで。本人に直接聞いたんだから。」

「はぁ、少し長くなるかもだけど、全部話すよ。」

ツバサは観念したように話してくれた。

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