78話
私たちはいつも通り手を繋いで登校した。
ツバサは泣きやみ、ルンルンで楽しそうにしている。
良かった良かった!
「じゃあね。また後で。」
教室まで送ってもらい、手を振って別れようとする。
「えっと、もうちょっと一緒にいたい。」
ツバサは遠慮がちにお願いする。
そうだよね。
昨日あんなに寂しかったのに、もうお別れなんて嫌だよね。
「わかった。でも、授業に間に合うように行くんだよ?」
「うん!」
休み時間、お昼休み…
ツバサは素早くやって来て、ギリギリまで粘ってから戻って行った。
そう、約束が始まったのだ。
私が休み時間にルイに話しかけようとしても遮られ、食堂ですれ違ったアルスに話しかけようとしても遮られ、スティと移動しようとしても間に入られた。
ツバサの独占状態だ。
完全に忘れてた…
しかも、放課後はツバサとデートの約束でしょ?
今日1日、ツバサとしか会話しないこと確定じゃん…
放課後。
「ルナー!デートだよ!早く行こう。」
ツバサは授業が終わって1分も経たずにやってきた。
「そうだね。どこ行こっか?」
誘ったのはいいが、何をするのか全く考えていなかった。
「えっとね、行きたいところがあって…そこでもいいかな?」
こうやって提案してくれるのはありがたい。
「うん、いいよ。どこ?」
「ルナの部屋!」
え…
「私の部屋?」
「うん、ルナの部屋。」
確かに前世でも、よく私の家でのんびりしていたけど…
今は寮生活だ。
風紀が乱れることは全般的にアウトになっているはず。
「えっと、入れないんじゃないかな?」
「ここ見て。」
ツバサは生徒手帳を取り出して、見せてくれた。
そこには『婚約者同士の部屋のみ、届出があれば認めます。』と書かれていた。
「昨日のうちに提出しておいたんだ。」
用意周到だな…
「わかった。いいよ、おいで。その代わり、ちょっと片付ける時間ちょうだいね。」
「はーい。」




