66話
残りの連休は全部、アニマル王国でツバサと基本的に2人で過ごした。
で、一緒に学園に戻ってきた。
そして今日は久しぶりの登校日。
休み明けの学校って、ちょっと緊張するよね…
そんなことを思いながら朝の支度をし、寮を出るとツバサが待っていた。
遠巻きには、静かにツバサを見つめている女子生徒が大勢。
「あ、ルナー!おはよう。」
私を見つけるなり、嬉しそうに駆け寄ってきた。
「おはよう、ツバサ。」
「ルナは、いつもこの時間?」
「うーん、マチマチかな。」
「そっかー。一緒に校舎行こー!」
なんで時間なんて気にしているんだろ?
私たちは手を繋いで、校舎へ行く。
「おい、あの子って記事の…」
「うそ…またあの子!?」
「ティートル公爵様があんなに嬉しそうなの、初めて見た…」
もちろん、その間もたくさんの生徒から注目された。
ツバサは全く気にしていないみたいだったけど。
慣れているのかな?
「ツバサ、制服似合ってるね。」
「ありがとう!ルナもかわいいよ。」
前世の面影もあるけど、やっぱりかっこいい。
制服もどこかのオシャレ着と言っていいほど、似合っている。
ついつい見とれてしまうほどに…
「ルナ?」
「ごめん。なんだっけ?」
「さては、俺に見とれていたな。嬉しい!」
ツバサは相変わらずニコニコしている。
「はいはい。それで、なんだっけ?」
「えっとね、約束。ちゃんと守ってね?」
あのよくわからんやつか。
「1部だけね。」
「今は1部だけでいいよ。ありがとう。」
ツバサは頭を寄せてくる。
本当に甘えただな。
まぁ、そういうところも好きなんだけど…
「あれ?ツバサ、2年生って言ってたよね?」
講堂の分かれ道で別れず、そのままついてきた。
「うん。そうだよ。」
「どこまでついてくるの?」
「もちろん、どこまでも!」
本当についてきそう…
「自分の教室行きなさい。」
「ルナを送ってからね。」
もう、仕方がないな…
というわけで、1年生の教室へ向かう。
その間も注目されまくっていた…
「じゃあ、ツバサ。またあとでね。」
私はツバサを置いて、教室に入ろうとした。
けど、袖を掴んで離してくれなかった。
「ツバサ?」
「もうちょっとだけ…ダメ…?」
かわいい…
「間に合うように行くならいいよ。」
断られると思ったのか、ちょっとビックリしてから笑った。
「やったぁ。」
私って、ツバサに甘いのかも…




