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61話

「翼、久しぶりだね。」

「るなこそ…元気そうでよかった。てか、るなだ…るながいる…」

そう言いながら、翼は優しく抱きしめてくれる。

あぁ、この温もり。

懐かしいな。

「えへへ、懐かしいね。でも私、翼に刺されたこと許してないからね。」

「ごめん。俺も死んで、この世界に生まれてからずっと後悔してた。るなに会えないなんて…」

ちゃんと反省しているみたいだ。

よしよし!

「翼は、何の動物なの?」

「オオカミだよ。」

オオカミ…

ってあの絶滅危惧種!?

「超レアだよね…」

「そうだね。結構、他の動物よりは優遇されているかな。その分、大変だけどね。」

翼は寂しそうに笑った。

「そうなんだ…あ、自己紹介しよ!私は、ルナ・ピラフィル。ピラフィル伯爵家の長女で2歳上のお兄様がいて、ミンフィーユ王国出身だよ。あとね、光魔法が使えるんだ。」

「俺は、ツバサ・ティートル。ティートル公爵家の長男で1人っ子。母さんがシベリアン・ハスキーで、父さんがオオカミ。見ての通り、アニマル王国出身。氷魔法が使える。あと、ホートラン学園の2年生。」

「同じ学校なの!?私、1年生だよ。」

全く気づかなかった。

「もしかして、記事とかで色々噂あった子?」

「そうそう!」

「うわー、そうなんだ…ちゃんと興味持てばよかった。るな以外興味ないし、どうでもよかったからさ。」

そう言いながら、ツバサは顔を近づけてきた。

「ねぇ、ルナ。」

甘えるときの定番展開だ。

「なぁに?」

「今世こそ、結婚しようね。」

前世の私たちは、大学生の頃に死んでしまったから、結婚はしていない。

「できたらね。」

「なんで、そんなこと言うの?約束。ね?」

ツバサのこの顔に私は弱い…

でも、決めたことがあるもん!

「実はこの世界知っているところで、好きな人いるから。その人と結婚したくて…」

急にツバサは少し冷たい顔をする。

「は?ダメだよ。ルナは俺と結婚するの。ちなみに、誰?」

「ミンフィーユ王国の第2王子。」

「あぁ、あの子か。年下が好きなの?」

「え!?ツバサ会ったことあるの?」

さすが公爵家…

他国の王子と関わりがあるなんて、すごいな。

「もちろん、何回もあるよ。でも、あの子か…ルナ趣味悪い。」

「やめてよ!ルキは私にヤンデレの素晴らしさを教えてくれた偉大なる人なんだよ!ヤンデレ界の頂点だよ!」

私はつい熱を込めて話してしまう。

「あぁ、前世でよく言ってた乙女ゲームか。」

「そうだよ。だから、推しと結婚するの!」

これは前世からの夢だったからね。

「ふーん。でも、俺がいるから、別に良くない?」

たしかに。

「それも一理あるけど…」

いや、でも!

「私はルキがいい。」

「ふーん。まぁ、そんなぽっと出の奴にルナは渡さないけどね。」

ルキの方が翼より早くゲームで出会ってるんだけどな…

めんどくさくなりそうだから、言わないけど。

「じゃあ、また学園でね。」

そう言って、手の甲にキスをする。

「うん。またね。」

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