596話
アルスを先頭に私たちは洞穴の中に入る。
ちゃんと歩くのは久しぶりかも…
初めてきたのが懐かしい。
「魔物だ!」
「頭を狙え!」
「りょーかい。」
早速、魔物が出現したようで、先頭のアルスが魔法を放って倒す。
「ここまで会わなかったから、少しびっくりするね。」
シルクは緊張しているようだった。
「魔力を消費しないように、先頭を交換しながらいきましょ。」
ピラナがみんなに提案する。
「わかった。じゃあ、俺が行くな。」
ルイがみんなをかき分けて先頭へ行く。
「ちょっと狭いですわ…」
「作戦通りにいけるかな?」
「ちょっと考え直すか。」
「いや、急な変更は余計に緊張しちゃうよ。」
みんなが作戦を変更しようか悩んでいるのをツバサが止める。
「でも、軽く変更した方がいいよ。」
アルスも負けじと対抗する。
「案はあるの?」
「1列じゃなくて2列になるとかは?」
「順番は?」
「到着した順。」
「まぁ、それくらいなら…」
ツバサは渋々了承する。
「ルナは大丈夫?」
ちょっと、私に確認しないでよ!
「ツバサの隣をキープできれば?」
「わかった。2列に変更しよう。」
こうして、作戦が変更された。
その後も度々エンカウントする初級魔物を交互に倒していき、みんなの魔力が順調に削られていく。
ただ、私とミア先輩だけは戦わなかった。
「ルナの分も俺が戦う。」ってツバサが庇ってくれた。
ミア先輩は戦闘要員ではなく、救助要員だから、元々戦うつもりはなかったみたい。
重そうなカバンを持ってるし…
「それ大丈夫ですか?ツバサが持ちましょうか?」
「大丈夫ですわ!これは私の仕事ですもの。」
ミア先輩は笑顔で断る。
でも、腕が少しプルプル震えていた。
まぁ、体力は削れていた方がいいか。




